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交換日記

毎日自分の心を殺しながら、苦しみながら生きている高校2年生の橘蓮斗は唯一少し楽しみにしていることがある。

それは顔も名前も分からない君との交換日記だ。


僕は辛いことがあったら日記に記録をしている。ある日それを学校に落としてしまったんだ。焦りながら校舎を探し回るも、結局見つからずにいた。

次の日の朝急いで学校に行き、下駄箱を見ると僕の日記は戻っていた。

驚きながらも僕は日記が無事かどうかを確認した。

1ページずつめくる度に僕じゃない誰かが書いた字が残してあった。

そこには共感している言葉ばかりだ。

「それは辛いよね」

「私も辛かった。」

「よく頑張ってるね」

なんかのイタズラか?面白がってやっているのかと疑問に思いながらも僕もそれに乗って返事を書いてしまった。

「君はどんなことがあったの?」

その返事を書きまた下駄箱に日記を戻した。

少し君からの返事を求めていた僕がいた。

ドキドキしながらも、帰りのホームルームが終わり、下駄箱を覗くとそこにはもう日記はなくなっていた。

少し期待が高まり、君はどんな人物なのかを考えていた。



「おいこいつガチきめえな」

「ねーゆうと達やりすぎだってー」

笑いながら女子は軽く止める。

他の子達は僕の方を見向きもしない。

中学生の頃の僕は殴られたり、蹴られたり。ものを壊されたり隠されるのはもう日常茶飯事だ。


それから僕は人と関わるのが嫌いになった。

僕は自分が何を考えているのかもわからないし、人間が何を考えて、何を想って、なんのために生きているのかが不思議だ。

よく人はそれを探すために生きていますとか言うけど、僕にはその考えよくわかんないな。

だってそれを探しているうちに死んじゃうかもしれない。

人はいつだって死を迎える。それが明日なのかもしれないし、1分後、今なのかもしれない。

そんな中日々人は寄り添いあったり、友情、愛情ばかりで成り立っている世界だ。僕はそんな理由で、自殺願望を抱くようになった。こんな生きずらい世界、生きてても意味の無い僕が居ても尚更みんな生きずらくなる。

でも、怖さが勝ってしまって未だに成功などしていない。

いつか僕は、こんな生きていてもつまらない世界を終わりにしようと思っていた。

そんな屁理屈を並べながら僕は少し、ほんのちょっとだけ君のことに興味が湧いていた。

僕は明日がほんの少しだけ楽しみになっていたんだ。


鳥のさえずりの音とアラーム音と共に僕の目は覚めた。

僕は制服を着て、朝ごはんに置いてある牛乳を一気に飲み込んで、家を出る。

歩きながら日記を届いてるのかなと期待する中、後ろを振り返ることもせず一定の速度を保って歩を運んでいく。校門をぬけて、昇降口へ向かった。

僕の下駄箱には、日記は戻ってはなかった。

焦りと少しの悲しみが混じり合う。僕の日記はどこに行ったんだと、授業中も、昼休みも考えていた。

帰りのホームルームがすぐやってきて、ちょっと萎え気味な僕は昇降口に向かって上履きを脱いで下駄箱にに入れようとしたら瞬間。

そこには僕の日記が置いてあった。

嬉しさ半分驚き半分で、僕は帰りながらその日記のページをめくっていた。

そこに書いてあったのは君の過去…

「私ね。物凄く、死ぬほど好きな人がいたんだ」

なんだ惚気か?と思いながらも続きを読む。

「1番信用してたし、1番好きだった。でもある日突然好きな人は事故で亡くなってしまった。」

ハッとした。

「それが悲しい事だったよ。好きな人が亡くなるなんて考えたこともなかったから、それから毎日死にたくなった。」

「だから橘くんの日記を拾って読ませてもらったけど仲良くなれそうだから日記書かせてもらったよ」

その横には小さなにっこりマークが付いていた。

そんな事があったのに惚気かと勘違いしてしまった自分が情けない。

「そんな事があったんだ。こんな僕で良かったらよろしく。」

と返事を書いた。


君と交換日記をしてから1週間ほどが経つ。

カラスの大群の鳴き声で目が覚めたが、まだ時間は明け方の4時だ。嫌な目覚め方をした僕はそれから眠れずにいた。

まだ外は薄暗いため机のテーブルランプを付けて、交換日記を出した。

ふと名前書きになったから、

「名前はなんて言うの?」

と聞いた。

少し早めだが、僕はのんびりと準備をして朝ごはんが余裕に食べれる時間ができ、少しカラスに感謝した。

いつもと変わらない速度で学校へ向かって下駄箱に日記を置く。

どんな人が書いているのかなと気になりながらも、授業には集中出来ていない。

ひとりぼっちの学校生活も2年経てばだいぶ慣れ、お昼ご飯を食べる友達すらいなくて、周りのみんなは机をくっつけて楽しそうに食べているが、僕にそんな机をくっつける机すらない。

お昼ご飯を食べ、昼休みも終わってまた授業が開始された。

先生の話を聞いている風にしているが、ただ黒板に書いてある文字をノートに写してるだけ、

そんな事をやっているうちにあっという間にホームルームの時間だ。

みんなのサヨナラの声とともに僕は教室を走って昇降口へ向かった。そこには日記が戻ってきてた。僕はまた帰りながら日記のページをめくる。

「名前はねー、会ってからのお楽しみだね」

の事だ。

焦らされているのにもかかわらず少し楽しさが増してきたな

僕は君に好きなことを聞いたんだ。好きなこと、特技、しょうもないけど好きな食べ物についてを聞いた。

そんな感じで、君について色々聞いた結果。

好きなことは、アニメ鑑賞に音楽が好きらしい。

残念ながらアニメには疎い僕。君の話にはついていけないな。

でもこんな僕でも音楽はそこそこ聞く方だ。

音楽は自由だ。自分の気持ちに合わせて聞く曲が選べて心が落ち着くから好きだ。

特技は運動が好きらしい。バレーにバスケ、僕とは正反対だな。

それに付き合わせられるのは迷惑だ。

好きな食べ物はマカロンとかのスイーツ系か…

さすが女子って感じがした。

その続きには、

「橘くんはどんなことが好きなの?」

と書いてあった。

僕も音楽は好きだけど、運動もしないし、甘いものはあまり食べない。と返事を書いた。

こんな感じでまた僕は下駄箱に日記を戻す。


毎日死にたくなっていたこんな僕でも、君のおかげで少し楽しくなってきそうだよまた明日。

最後まで読んで頂きありがとうございます‼️

次回作も読んで頂けるよう面白い作品❗️皆さんが気になるような作品を作っていきたいと思います‼️

次回もよろしくお願いします‼️

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