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08 お帰り


 旅に出る前にちゃんとお別れ会しようね、という約束に安心した王子様は、


 マーリエラさんの付き添いでお城に戻りました。



 しかしアルセリア国民の皆さん、王子様を自由にさせすぎなんじゃないかな。


 国民みんなで王子様の成長を見守りましょうっていうアットホームな国民性なのは分かるけど、


 王都にいるのは善良な王都民だけじゃないんだから。



 そもそも、街中で拐われそうになってた王子様を俺たちが救ったのが知り合ったきっかけ。


 あの時、王城まで送り届けて王妃様たちからめっちゃ信頼されてしまったのが、


 こんな状況になっちゃった原因かも知れないけどさ……



 ---



『ただいまっ』


 おかえり、アンチさん。


 何か面白い情報とか、あった?



『召喚者関係で、気になる噂があったよ』


 ほう、それは朗報。


 いや、もしかして悪いニュース?



『結構重要な情報っぽいから、マーリエラさんが戻ってきてからみんなで一緒に相談した方がいいと思う』


 おっと、お預けですか。



『おやつでも食べながら待ちましょってことで』

『あれ? 今日のおやつは?』


 みんなで一緒に食べましょうねって、マーリエラさんが商店街で買ってきてくれるそうだよ。



『うわっ、お預けされちゃったよ!』

『戸棚にあられとかおせんべいとか、残って……無いし』

『もー、腹ペコアンチさんは今すぐにでもおじさまをいただきますしちゃいそうですよっ』


 えーと、アンチさんのいただきますはいろんな意味でアレなんで、自重してね。



 ってか、いかに部屋着とはいえ、ちょっとはしたないですよ、その薄着すぎる大胆乙女モード。


 お歳頃の娘さんが、人前でそんなあられもない格好しちゃいけませんっ。



『えー、私の方が歳上だしファッションセンスあるしっ』


 いや、歳上なら歳上らしくしてくださいな。


 全くもう、いつも年齢ネタには敏感に反応するくせに、


 都合のいい時だけ歳上ムーブするんだから。



『なるほどね、そんなにお歳頃乙女なアンチさんが気になるんだ』

『じゃあ、必殺のすっぽんぽんモード解禁!』


 やめれっ、マジシャレならんからっ。


 この間みたいにおすそ分けに来た近所のおばちゃんに見られそうになったらヤバいでしょっ。




「あら、見られそうになったのですね……」


 おっと、おかえりなさい、マーリエラさん。


 大丈夫ですよ、あの時は俺の隠蔽テクがバッチシ間に合いましたから。



「……」


 おっと、マズい。


 ちょっとアンチさん、ちゃんとフォローしてっ。



『えーと、脱ぎかけなところを、ギュッて抱きしめられましたっ』


 違うでしょっ、


 いや、間違ってはいないけどっ。



「ノアルさん、アンチさん」

「"親しき仲にも冷戦勃発"ですよ」

「男女の機微、くれぐれもさじ加減を見誤ること無きように」

「分かりました?」



『ハイッ』


 はいっ。



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