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04 襲撃


 エルサニアとクルゼスの国境の街、ジオーネ。


 両国の緩衝材的役割りを果たすべく建設された比較的新しいその街は、


 戦後の物流の要となるであろうことを見越して集まって来た商人たちや、


 新しい街づくりに意欲満々な様々な職種の面々で大賑わい。



 街の治安維持は自警団が担当しており、


 両国から派遣された駐留部隊の仕事は、主に街道の安全確保。


"いかなる理由があろうとも両国不可侵"との取り決めに守られているジオーネ。


 将来はより一層の繁栄が約束された活気溢れる街。



 そんな"平和の象徴"ジオーネが襲撃を受けたとの急報がライクァ王の元へ。



 クルゼス側の荒野から突如現れてジオーネに進軍してきた謎の部隊と、


 それを阻止しようとしたエルサニア軍駐留部隊が衝突。



 謎の部隊の死をも恐れぬ進撃にエルサニア軍は大苦戦。


 甚大な被害を出しながらも敵を殲滅。




"いかなる理由があろうとも両国不可侵"のジオーネが襲撃を受けたという報に、エルサニア城、震撼。


 駐留部隊を率いていた姉夫婦もその闘いで倒れたと聞いたライクァ王の怒りは、城をも揺るがすほどだったとか。



 事態を重く見た両国は、予断や私怨の入らぬようこの件の調査を第三者に依頼することで合意し、


 すぐさま巡回司法省に調査を依頼。


 巡回司法省エルサニア本部とクルゼス支部による共同調査が始まる。




 慎重な調査の結果は……両国にとって納得のいかぬものとなった。



 襲撃者たちは、全員がクルゼス出身でクルゼス在住のクルゼス国民。


 ただし、襲撃に携わった理由等、目的は一切不明。



 襲撃者たちの装備は、クルゼス軍の標準装備品で真新しい新品ばかり。


 ただし、入手経路等は一切不明。



 襲撃者たちは、明らかに何らかの精神操作を受けた異常な状態だった。


 ただし、遺体からは魔法・薬物などによる精神操作の痕跡は認められず。



 クルゼス軍ジオーネ駐留部隊の、襲撃部隊への関与を裏付けるものは一切無し。


 苦戦するエルサニア軍駐留部隊を全く支援しなかった理由は、


 事前の両国の取り決め"駐留部隊同士の一切の接触を禁ずる"を厳守したから。




 巡回司法省の出した結論、


『今回の襲撃に関して、国としてのクルゼス王国の関与を決定付ける証拠は、何も無し』




 司法省の報告を聞いたライクァ王は、


 静かに停戦破棄と宣戦布告を宣言。



 そして、戦乱再び。



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