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19 事情


 あれから結構長い滞在となったアネスの町。


 俺たちも、すっかりこの町に馴染んでおります。



 マーリエラさんは、町の奥さまたちから引っ張りだこ。


 男衆からも何やら感謝されているみたいですね。


 えーと、どうやら例の薬学知識がとても役立っているようです、主に夫婦間で。


 この町は少子化問題とは無縁となりそうです……




 俺は、子供たちのイジられ役だけじゃなく、ちゃんとお仕事の方も頑張ってますよ。


 何故かアレな薬草採取依頼がとても多いのですが……


 子供たちのお相手ならどんとこい、なのですが、


 この先ベビーシッターざんまいはご勘弁ですよぅ。




 アンチさんは、今ではサラミさんとは大の仲良しさん。


 扉修繕用レア素材とやらを手に入れて戻ってきたら、


 ベテラン大工さんと一流魔導具技師がコラボしたような素晴らしい手際で、


 あっという間にあの頑強な扉をさらにゴッツく魔修繕しちゃいましたよ。



 そうした信頼の積み重ねを得て、すっかり打ち解けたおふたり。


 あんな風に仲良さげに語り合っている姿は同い歳の同級生にしか見えないところが、この異世界の凄いところ。



『何よっ』


 何でもございません……



 ---



 打ち解けてくれたサラミさんから、詳しい事情を伺いました。



 エルサニア城で勇者候補の訓練生していた頃、


 固有スキル判明以降、周りからの扱いがあまりよろしくなかったサラミさんを、


 何かと気遣ってくれた同期の召喚者さんがひとり。


 お名前はケイトさん。



 親友になれたふたりですが、サラミさんが"低職処分"となり離れ離れに。


 それでも速達鳥での手紙のやり取りくらいは出来ていたのですが、


 最近はそれすらままならなくなり。



 サラミさんが最後に送った便りには、ここアネスの町に落ちつくことが出来ました、と一筆。


 ケイトさんから最後に届いた便りには、勇者の仕事が落ち着いたら必ず会いに行くから、と一筆。


 だから、この町からは絶対に離れられない……




 ふむ、事情が分かれば俺たちがヤルべきこともスッキリ明快。


 サラミさんがこれからもこの町で安心して暮らせるよう、


 全力でサポートしますぜ、皆の衆!



「お任せあれ」


『そうこなくっちゃ!』



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