第9話 肉 vs 酒
今年は雪が沢山積もり、いつもより寒いですね。
私も毎日の雪かきで、運動不足は解消されていますが続くと腰にきます(笑)
雪の降らない地域も寒い冬は辛いと思いますので皆さん、温かい食事と温かい布団でのりきりましょう!
今回は、投稿遅くなりましたが、宴の続きからです。
楽しんで頂ければ嬉しいです。
日も暮れて、BBQ準備は万全!!
材料の下ごしらえも終わり後は皆で楽しむだけなのだが…。
ドワーフ村長のタッカさん待ちなのだ。
『レツ様、わし一度家に戻りたいんだが、ええかのぅ?
わし、うっかり何も言わずヒョイと出てきてしもうたんで、今頃スーザは夕飯食べず待っとると思う。』
申し訳なさそうに、ペコリと頭を下げる姿に、むしろ、好感度倍増したんだが。
奥さんに、キチンと断りを入れるなんてどれだけ愛妻家だろう。結婚してから100年変わらず、一緒に食事をとり、たわいない話をするのが何より楽しみな事を照れ臭そうに話す姿に、親しみがわいた。
タッカさん夫婦には4人の息子と娘が2人いて、すでにそれぞれ所帯を持ち暮らしているようだ。
息子2人と娘2人は同じ村で暮らしているが、三男と末の息子は隣の町で暮らしているそうだ。
タッカさんの三男夫婦は、冒険者だったが引退し長年の夢だった宿屋を営んでいるそう。
繁盛している店のようでなかなか会えないそうだ。
末の息子夫婦は隣の町で鍛冶職人をしていて魔石を使った剣やら魔道具を作っているそうだ。
只、物は良いがデザインが残念な為、売れ行きはさっぱりの様子。
見かねた、タッカさんの親友の鍛冶職人ドーウさんが度々様子を見に行き息子さんを直接指導しているそうだ。何でも、息子さんの師匠でもあるようで放っておけないんだとか。
「昨日戻って来たドーウとスーザも連れてきたいんだが、幸灯さん時雨さんいいかのぅ?
レツ様、大人数になるが連れてきても大丈夫かのぅ?」
「「ぜひ、来て下さい!!」」
幸灯とハモってしまい少し恥ずかしがったのだが、タッカさんもレツさんも気にしていないようなので安心した。
「それでは、私は村に迎えに行ってきます。半刻程で戻りますのでお待ち下さいね。」
レツさんが村に行き1時間程たっただろうか?
遠くで、争うような声が聞こえる。
「…から、…く…1番喜ん…くれる!!」
「いやいや!!さ…が1番だ!!」
野太い声が、争っているようだ。
「およしよ。どっちも1番で良いじゃないか。」
「そうです。どちらも嬉しいですよ。」
女性の声と…多分レツさんの声。
1番って何が??
「いやいや、宴には肉が大事だっ!!!」
「わかっとらんな!!酒がないと、宴は始められん!!1番は酒だっ!!」
遠くでドワーフの2人が騒いでいるがなんだか楽しそうだ。争っているように聞こえたがなんだか表情は、柔らかく眼はイキイキして見える。
お祭りの前の子供のようにはしゃいでいるように見え、つられてニヤニヤしてしまう。
「皆さーん!!こっちですよー!!!」
両手をブンブン降ると、ドワーフ2人は競うようにこちらに小走りで走って来る。