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第7話 大人って???

青くて清々しい程の晴天。

心のそこから憎たらしいほどの心地よい風。金木犀に似た花の香り迄漂ってくる。

遠くの空の雲の間から天使が降りて来そうな光が地上を照らす。

ここまで完璧ないい天気なのに、身体は自由に動けない。

というよりは動かない。

昨日までは、頑張ろうと思えた。

1番先に動けるようになったのは旦那の幸灯(ゆきと)

次に動けるようになったのは娘の(はな)

昨日は息子の(そら)


でも、今日は私1人ベッドの上。遠くから子供達の笑い声とウニとイリの声も聞こえる。気のせいか、テンさんとレツさんの談笑も微かに流れてくる。

肉の焼ける美味しそうな匂いもしてきた。空腹なお腹がググゥーっと鳴る。

只、寂しい。なんですか?この放置。


「ママなら大丈夫だろ。いつも通り1人だけ副作用が長引いてるだけだろうし。」

遠くから聞こえる旦那の声。

ええ、元々体弱いですしそうだと思いますよ。

「まさか、子供達より体力ないとは思いませんでした。確かにウニとイリからすぐ体調悪くなるとは聞いていましたが、テンに確認しなかった私のミスです。でも、おわびに体強化しときましたから。」

「だいたい、レツは私に確認なく本能で動くからミスをおかすんです!!只、今回は私も申し訳ありませんでした。体の不備に気付いておらず長年お辛かったと思います。責任もって治しておきました。」

あー、レツさんとテンさんの声。通る声してるわー。

「母さん、魔力管をはやさなくていいなんてね。うっすらだけど魔力出っぱなし。よく生きてたね!!」

「ほんとにね!!母さんらしい。でも、魔力が出なくなって替わりにいろんな力が漏れてる状態だったんでしょ?よく今まで無事だったよね。」

「俺達の母さん、やっぱり凄いな!!」

「「なー!!!」」

ウニとイリのぐるぐる音が混じる可愛い声。なでなでしまくりたい。

「ママは、しぶとくて割りと雑な所あるから妙に納得した。以外に、直感というか本能で生きているんだろうなぁって思う所はあったし。プレッシャーにめちゃくちゃ弱いけど(笑)」

「そうだよなー。雑かと思えば慎重だったり!!何が基準かよくわからんよね?」

「本当に我が親ながら変わった人。でも、それがママだからって言われたら納得する(笑)」

ゲラゲラ笑う声。華と空の声につられて皆が笑いだす。

和やかな雰囲気はいいんだけど...どうゆうことっ!?

聞きたい事山程あるんだけど!!私の体に何があったの!?

話したいけど動けず声もでない。無念。


皆の会話は、まだ続いているようだ。

「でも、ママがまだ回復してないと静か過ぎて、寂しいな。」

「「うん。」」

旦那の低くてか細い声と皆のうなずく声が聞こえる。


もうっ!!泣かせんなよっ!?寂しいやら恐怖やら、愛情やら混ざってボロボロ涙が溢れる。大人と呼ばれる年齢になっても涙が出るのは止められない。子供も大人も案外変わらないのかもな。

それとも熱でぼんやりしてきたから?

わからなくなったのでゆっくりと目を閉じることにした。

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