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第48話 ひとつだけでいいよ(空side①)

ここにきて、歩いてばかりだなぁ…。

自転車も使えないし、キックボードも駄目そう。仕方ないんだけど移動が疲れるんだよな。

タッカさん達の後ろを歩きながら、ぼんやりと考えていた。

家にある自転車を使おうにも、森のなかは当然ながら舗装されていないので道が悪くタイヤをパンクさせても嫌なので使えない。

家にいた時、かわりに魔法で乗り物を作れないかと、試しに水魔法で密度の濃い泡出して、人を乗せられる強度にしたら自分がその上に乗って移動できるかも知れない(見た目が雲だから、男子が一度は憧れるあの乗り物に似ている奴!! )と挑戦してみたが、微妙に発砲スチロール状の泡がパンツにつき泡だらけになり全身筋肉痛になって、結果は惨敗。

魔力消費量が多く無茶苦茶疲れただけだった。

パパは笑って『あれは、心が清らかじゃないと乗れないんだよな。パパも子供の頃憧れたよ!! 』と言いながら、土と泡にまみれた俺を引っ張り起こし、身綺麗にする魔法を使った。確か、全部浄化するとかなんとか言ってた。汚れが落ちて清潔になるから便利で、何度も使っているうちに上手くなったと笑ってたよ。

パパも華も便利な魔法を覚えるのが早い。

ママは、魔法が使えても強力過ぎてコントロールが難しいって、くやしそうにしてた。

簡単に焼けそうだからって、皆の夕食の魚をまとめて焼こうとして、ドラゴンブレス並みの巨大な火球を出して大失敗!!!!

ウニとテンさんに目一杯、怒られていた。

ママが、怒られてしょんぼりする所はつい笑ってしまった。大人なのに涙目になるくらい、めちゃくちゃ叱られてんのっ!? シュール過ぎだろ??

あまりにもかわいそうになったから、こっそり俺が調節のコツを教えたらすんなり出来るようになった。どうやら、俺と魔力の癖や感覚が似ているようだった。

「空、ドーウさんの工房もうすぐ着くみたいだぞ!! 楽しみだなぁー!!! 」

心なしか、ウキウキした声でパパがこちらに振り向く。

めちゃくちゃ笑顔!!? 俺より、パパの方が楽しみにしてるんじゃないかと思うくらい。

「ほっほぅ、案内するかいがあったのぅ!! 嬉しいぞい!!? 時雨さんらとガーラの泉に行く方が良かったんじゃないかと気にしておったんじゃが、安心したぞい!!! 」

ガハハと笑いながらタッカさんが頭を撫でる。力強いゴツゴツの手が温かい。

「そんなことないよ!! 色々な物が創れるんだ凄いって思った!! 俺にとっては、飲食店よりは興味あると思うよ?? 見たこと無いから多分だけど… 」

俺には、正直に言うと得意な事や夢中になれる事が全くない。華みたいに頭が良くて楽器も出来ない。 パパみたいに、細かい作業が得意で運動神経が良い訳でもない。ママみたいに、どんなことにも興味津々で楽しんでもない。学校は親友もいたし楽しかったけど、なんだか授業は息苦しかった。

ひとつだけで良いから、俺だけの何かが欲しい。

「空、焦らなくて良いぞぃ。沢山の世界を見ればいい。そうすれば、自然に見つけられる。お前さんは、その手に何でも持っとる。いつも、皆に優しくて明るいしのう。まるで、おひさまのようじゃわぃ。」

タッカさんはもう一度撫でると、ずんずんと前に進んで行った。俺は、心を見透かされたようで気付いたら涙が出ていた。自分で思うよりもタッカさんの言葉が嬉しかった。

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