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第28話 上機嫌

エルザ以外のドワーフの皆さんに、テンさん達(神様達)と私達(異世界人)の正体は伏せたままで話せる範囲の事をテンさんの了承の上で伝える事にした。

私達の為に身体をはって助けに来てくれた彼らは信用できる。

ウニとイリについては一度会ったことがあるので町に行くために、魔具で姿を替えた事を伝えた。

「「「はぁー……。」」」

3人に盛大にため息をつかれた。

「よりによって、魔具を使うとは……。時雨さん、あんたこう言っちゃなんだがアホなのかい?? 」

スーザさんが、切れ味鋭い言葉を容赦なくはなってきた。

「悪いが、わしでもそう思う。次は、必ず相談してくれ!」

タッカさんが、呆れた顔をする。

「ああ、そのとおり。その魔具、改良するべきだ。目眩ましの魔法を宿して調節可能にする事が出来そうだ。材料を集めて貰うが、いいかのぅ?? 」

ドーウさんの匠スイッチが入ったようで、独り言を言いながら考え込んでいた。

テンさんも、笑いながらドワーフ達を見つめる。

「ドワーフと言う種族は気がよくて、頼もしい友人達ですね。私も、もっと遊びに来る事にします。」

どうやら、予想と違う反応が気に入ったようだ。

わかる気がする。本当に皆優しくて居心地がよい。

「それより、これなんですが私が直して良いでしょうか?」

テンさんが指差す方向に壊れたカレンの部屋のドアと痛々しいぐらいポッカリ穴の空いたカレンの店。

「あー、それなぁ……。困っておったんじゃ。その生きとるドアは厄介そうだわぃ。ちょっとした細工のドアなら……。はぁ………。わしらには頭の痛い問題じゃわぃ。」

哀愁の漂う背中。それとは反対に上機嫌のテンさんに少し不安になる。

「だ・か・ら、私がやっちゃいましょう!! 」

風が通りすぎたかと思うと、穴の空いた部分はみるみるうちに見事にふさがる。

それだけじゃない。前より木々が立派になり店内の空気も清々しい。甘ったるい花の香りではなくて、森の中の空気。嗅いだことのある香り……。これ、家の周りの香りだ!! 澄んだ空気も、間違いない。この世界に来てはじめて嗅いだ香り。以前は得体が知れない恐怖の香りだったが、今はホッとする安心の香り。

「はい、おしまい!! 」

テンさんが、ニコニコ上機嫌であっという間に直してしまった。

「驚かんと言ったが、嘘になってしまいそうだわぃ。こんな魔法初めて見たぞぃ??? 」

「女王は、大丈夫かねえ。少し、神経質になっていたから心配だよ。変わり無ければ良いんだが? 」

「わしは、何も見とらん! 」

皆さん、現実逃避はやめて!!! 華とエルザ、引いてるし。

ウニとイリは……。問題なし!! 幸灯と空は、気付いてもいないよ……。

目立たないようにって注意してた人(神様)が目立ち過ぎたら駄目でしょうよ!!!!!!

もう、家に帰りたい……。観光も諦めるから、ゆっくり、お風呂に入って普通に平穏に過ごしたいよ……。

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