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第22話 イライララ

投稿、遅くなってすみませんでした。


『カレン』の中は、薄暗い。テントの中とは思えず、むせ返るような花と草木の香りが森の中に迷い込んだ錯覚をおこす。

生きた草木が壁に擬態しているが、主の意思で案内する道順も変化しているようだ。

空間を広げる魔法を使っているのだろうか?

店内も異常に広い。

足元は広場の石畳と同じ材質だろうが、カレンの歩いた所だけ後続者にわかりやすく光るようになっているのでこれも魔法だろう。

今は、ザイと呼ばれた男性におとなしく着いていかないと、おそらく無事に店内に入る事も出ることも出来ない。勿論ウニとイリが両肩に担がれている限りは1人で出る選択肢はゼロだ。

男性は、運びながらもゼイゼイと息を吐く音が聞こえるので、話しかけるのも申し訳ない。

ウニとイリはというと、気持ち悪くなり眼を閉じているうちに眠ってしまったようで力が抜けてダランとしている。

しばらくは沈黙が続いていたが、お礼を言おうと口を開きかけた時、

「2人は大丈夫だから安心して良い。これだけ眠っていれば起きたときには多少楽になっているはずだ」

と優しい声が響く。

「ありがとうございます。お礼が遅くなってすみません。2人を抱えて頂いてるので重たいですし、邪魔しないように集中出来るように黙っていました」

男性は愉快そうに、ガハっと笑い『気遣い、感謝する!!もう少しで部屋に着くぞ』と言い一分もたたないうちに部屋の前に着いた。

扉は、開いたままになっているのでそのまま入って行く。


部屋の中は、従業員の休憩室兼事務所になっていて談笑しながら従業員達が食事をとっていた。今まさにパンにかぶりつこうと大きな口を開けたエルフがこちらを見てきゃあっと叫ぶ。

男性は、『すまん』と一言いうと右奥の部屋に入って行く。私も、ペコリと会釈して後に続く。

部屋に入ると、扉は閉まりみるみるうちに木々が絡まりあい厚い壁になった。

男性は、大きな長椅子に2人を座らせ壁にもたれさせた。2人はまだ、眠っている。


「お前達は何者だ? どういうつもりでこの店へ来た!?」

カレンは見るからにイライラした表情で話しかけてきた。

スーザさんの話を聞いて、ここに来た事やテンさんとこの店で待ち合わせている事や来る途中2人具合が悪くなり今の状況だということをまとまりのない言葉ではあるが一通り話した。

カレンは、それでもイライラが収まらない口調で叫ぶ。第一印象とはあきらかに違う、怯えた様子が気になった。

「聞きたいのは、その話ではない。お前達は何者かと言う事が聞きたいのだ。」

ザイと呼ばれた男性は、イライラした様子のカレンをなだめながら少しオロオロしている。

「カレン?? 何故、そんなに怯えている?? 彼女らはお前に何もしていないぞ?? 」

『面倒だ……』と言うカレンの口調と同時にザイの事を移動させたようだった。

遠くで『おわっ!!』声が響く。


「これで、 私達だけしかいない……。誰にも手出しはさせん!! ドラゴンとその従者が何故ここに来た!! お前は宿敵を食い殺す為に来たのだろう!? 食うなら食えっ!? ただし、誰も殺すなっっ!? 」


カレンさん、怯えている…。杖を構えて物凄く怯えてる……。

子供を守るように毛を逆立てた母猫みたいな態度なんだけど。そもそも、ドラゴンってどこにいる?? 従者って誰の事を言ってる???? えっ?? 何で????

「??????????」

首を傾げた私の表情を見て、カレンさんは戸惑っているようだ。

「お前は、ドラゴンではないのか??」

ポツリと一言。

「あの、ドラゴンって…。もしかして私の事言ってます?? 私は只の人間なんですが……。」

おそるおそる話すが、今度はカレンさんの方が首を傾げている。

「えっ???????? はぁっっ?? 人間……??????」

うんうんと頷きながら様子をみたが、ポカンとしている。額から汗もツーっと垂れている。美形はぼんやりしてても迫力あるなあ。

だんだん、イライラした表情になりこちらをキっと睨む。物凄く疑われている。

「そんな訳あるかっ!!!! このような魔力の人間等存在しない!!!! 嘘をつくのも大概にしろっ!! この邪竜めっっ!!!!!!」


嘘、ついてないんだけどなあ……。ウニもイリもむにゃむにゃ寝息たてて眠ったままだし。スーザさんもまだ来てないみたい。頼みのテンさんもまだ来ない。

皆、お願いだからはやく来て誤解を解いて欲しい。

こんな事になると思ってなかったよ……。 トホホ。

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