第21話 カレン
こんばんは。
夏ですね!! スイカやかき氷、花火に祭!!
大人になってもワクワクがとまりません。
個人的には、イカ焼き最高!!
酔うとしんどいのでノンアルビールで日々我慢です。
市場へ行く迄道のりは、険しくそして視線が熱い!!
老若男女に優しい2人は、息をするようにちょっとした親切を繰り返す。
当然、2人は見返り等全く考えていない。
それどころか、
『『どういたしまして!!!! 』』
とにっこり笑って帰ろうとしている。
人当たりの良いヒーローのようなイケメンが2人も……。
これらとの縁を逃したくない人達は煌びやかな物から美味しそうな物まであらゆる物を持たそうとしてきたが、儚げなイケメンお色気イリは凄い。
ふうっとため息ひとつ。
『ゴメンね。力が出なくて沢山持てないの。』
この一言のおかげで、軽くて貴重な魔具や薬草、金貨等一般的にお宝と言われる品々が集まるわ、集まるわ……。
それをウニが、やんわりと受け取り拒否したがそれでも渡してくる。
買い物する前なのにお礼の品を各自3袋ずつ抱え持っている異常事態。
こんなこと、日常生活に置いて経験した事無いわ!!
「凄いね!! 町の人はキラキラした物とっても好きなんだね!! でも、缶のご飯の方が嬉しいなあ! 開ける時にカシュって音がすると良い匂いしてワクワクする。イリは??」
ウキウキしたウニは、イリを見ながら短めの尻尾をピンと立てている。
イリは、うーんと唸りながら考え込みウニの方を向く。眉間のシワがとても深い。
「キラキラも綺麗で面白いけど……。重たいし食べられないし。 にいさんとおなじでご飯がいい……。」
そうだよね、缶詰って味が染みていて美味しいもんね。骨まで柔らかいし。思い出すと食べたくなってきたよ。
道中の会話がほぼ食べ物の事と言うのが色気もないんだけど、楽しい。
「そういえば町の人に聞いたんだけど、カレンの店は奥の広場に出てるって。まえは、あそこに見える大きな木の下が定番だったけど前回の出店最終日にイザコザがあって今回から変わったみたいだよ。」
イリが調べてくれたおかげで、すんなりと目的地にたどり着きそうだ。ここに来る迄に大きいトラブルもなくたどり着きそうで良かった~!!
イザコザって場所取りで揉めたのかなあ?有名な商隊みたいだからやっかみがあったんだろう。
まぁ、息子達や未熟な自分の為にも面倒に巻き込まれないように要注意しないとダメだね。
大きな木の横を通りすぎる時、興味本意でチラリと目をやるといかにも胡散臭い小悪党のような姿の男達が屋台を出していた。
うん、関わらないようにするのが正解。ぎゅっと手を繋ぎ3人で足早に通りすぎる。
広場に行くにつれ、クミンに似た香辛料の香りがする。干した魔獣の干物や毛皮、肝等が売られている屋台や薬草を煮たスープを売る屋台、中古の剣や魔具を売る屋台まである。
スーザさんの言うようにここに来れば日常品は大抵手に入りそうだ。
奥へ進んで行くうちに、甘い花の香りが漂うひときわ大きな店がある。生きた草木が蠢く看板には、
『カレン』と書かれている。
「凄い匂い!!頭痛い……。」
イリが涙をにじませながら苦しそうにしている。
「気持ち悪い……。もうっ無理!!吐きそう!!!」
ウニも立っていられないのか、地面に座り込む。
2人の背中をさすっていると、店の中から茶色のローブを着た白髪の男性が『大丈夫か??』と声をかけてくれた。
「カレン!! カレーン!!!! 早く来てくれ!!」
白髪の男性が大声で呼ぶと、店の奥から女性のけだるげな声が響く。
「騒がしい……。 叫ぶ前に急いで奥の部屋に通しておくれ。ザイ!! あんたなら2人くらい軽く担げるだろぅ?」
カツカツと音を立てながら現れたのは、キセルを咥えた機嫌が恐ろしく悪いエルフだった。
「あんたも目立ちたくないなら、さっさと動いて奥の部屋に来ておくれ。話はそれから聞くよ。」
くるりと振り替えると『カレン』と呼ばれたエルフは奥の部屋へ入っていく。
キセルの残り香に混じり甘い花の香りが奥から漂ってくる。どうやらエルフ自身の香りのようだ。
香水要らずで良いなとぼんやり思いながら、ザイと呼ばれた男性の後について行く。




