10話.[安心してほしい]
「えっ、彼女さんになったんですか!?」
「う、うん、彼女さんになりました」
どうしても結花が立に会いたいと言うから連れてきた。
そこまで遠くはないが近いわけでもないから大変なんだよな。
しかもこれをわざわざ言いに来たって嫌なやつかよ……。
「ど、どんなことをしたんですかっ? もしかして兄に襲われ!?」
「ううん、好きだって真っ直ぐにぶつけたんだ」
「すごいですね、勇気がないとできないことですし」
確かになかなか面と向かっては言えることじゃない。
すごい、俺なんか即答してやれなかったから。
今度また集まって焼き肉をするらしいし、そのときは沢山食べさせようと思う。
「あれ、今回は近いね?」
「兄ちゃんの彼女さんなら安心できますから」
「あー、この前もしかしてアピールされると思ったの?」
「いえ、単純に生島さんがどういう方なのかがわからなかったので」
「おおぅ……なんかごめんね? いきなり実家に突撃しちゃって」
それもあまりできることじゃない、両親に出会ったら困るだろうに。
「とりあえず、おめでとうございます」
「ありがとう!」
「兄は適度に構ってあげれば喜びますよ」
「逆だよ逆、私が構ってもらえないと寂しいから」
仮に彼女なくてもちゃんと相手をするから安心してほしい。
それは郁美も同じだ、そこだけは変わることじゃなかった。




