選択五話 異世界へ。
今回も自分で選択しました。('◇')ゞ
うひょ~(*ノωノ)
銀色の鎧を着ている。
黒い刀を持った男。
銀色の鎧を着ている。
白い刀を持った男。
銀色の鎧を着ている。
赤い刀を持った男。
「うぉぉぉ!」
悩む。悩むよ。
だって、能力とか分からないんだよ?ただ、色の違いがあるだけで。
という事で。一時間が経過しました。
うつらうつらとしているカグヤ様を見て、逃げようとするリーちゃん。
そのリーちゃんの足を不意に掴むカグヤ様。
という、やり取りを僕の目の前で繰り広げている二人。
暇なのでしょうね。すいません。
僕は、何事も慎重なのですよ。あははは。
だからと言って、これ以上は時間をかける訳にもいかないね。
「じゃあ、真っ赤な刀で。」
「本当に良いのですね?」
ニコリと笑うカグヤ様。ちょっと怖い。
「は、はい。」
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー。」
少しそのまま見つめ合う僕とカグヤ様。
「では、どうぞ。」
何故、今、溜めた?
謎の間を置かれた僕は、少しビビる。
恐る恐る真っ赤な刀を受け取る。
そして、僕は鞘から刀を抜いた。
カチャ。スー。キュイン♪
キュイン?キュインって何?刀ってキュインって音が鳴るモノだっけ?
普通は鳴らないよね?鳴らないよね?これ、なったけど?
「今、鳴ったキュイン♪って何ですか?」
「ああ。それですか?茂さんが刀を抜くとキュイン♪という音がここに届く様になってます。だって、刀を抜くなんて危険なタイミングですよね?それを把握しないと危ないでしょう?」
首を傾げてカグヤ様はおっしゃった。
「そ、そうなんですね。わかりました。」
って、わかるかい!
なんじゃその仕様。あれか?俺は監視対象になってるという事か?
それとも、見物対象にでもなっているんか~い?
『そこに、愛はあるんか?そこに。愛はあるんか?』
いつぞや、どこかで聞いたセリフが僕の頭の中でリフレインする。
「大丈夫です。その刀が危ないってだけで、茂さんを見張る訳じゃないでうすから。」
「危ない?」
「はい。それ呪われた刀ですからね。仕方ありません。」
「ちょっと、ちょっと。呪われた刀って?」
「ええ。呪われた刀です。ああ、大丈夫ですよ。茂さんは。」
さらっと、呪われた武器を渡された。ぎゃ~!
「死ぬような事はありません。」
「えっ?どういう事ですか?」
「周りに被害を出す呪われた刀なのです。だから、所有者は大丈夫です。・・・たぶん。(ぼそ)」
おい。今、たぶんって言わなかったか?
「まぁ、捨てても戻ってくるという被害はあるかもしれませんけどね。」
大変なモノを選んじまった!マジか?ないわ~。ないわ~。脅しているだけかな?
「嘘でしょ?」
「嘘じゃ、ありません。」
キッパリ言われた。
気がついた時には他の刀は無くなっていた。
「僕の人生は終わった。」
「そんな事はありませんよ。今からですよ。」
天然か?天然なのか?
はぁ~。さっき迄、マジ女神って思っていた俺をぶん殴ってやりたい。
「さぁさぁ、そんな事より、そろそろ異世界旅行に行けますよ。それとも夕食でも食べてから行きます?」
「いえ。今から行きたいです。」
ここに居たら、ドンドンと大変な事になる気がする。
それは遠慮したい。今はあの残念な兎人リーちゃんの気持ちが分かる気がする。
逃げ出したい。一刻も早く。
「そうですか~。それは残念です。」
「ふぅ。」
「それでは、行ってらっしゃい。渡したものは無くしちゃ駄目ですよ?」
「えっ?どうやって行くんですか?」
カグヤ様はニコリと笑うだけだった。
「はい?」
すると、僕は突然真下に落下した。
僕の下に穴が空いたようだ。だって、カグヤ様の顔が上に動いたんだもん。
そして地表ポイのも見えたんだもん。
「ぎゃ~!!」
僕は自由落下を続けた。真っ暗な空間に身を投げ出されたのだ。
◇◇◇◆◇◇◇
「無茶しますね。」
「そうかしら?」
「転移魔法を使って上げたら良かったんじゃないですか?」
「あっ。そうだったわね。」
「マジですか?あの穴は何処に繋がっているんですか?」
「ふふふ。」
マジ怖い。と兎人リーちゃんは心の底から震えたのであった。
◇◇◇◆◇◇◇
僕は少しの間、気を失っていた様だ。
先ほど迄は、真っ暗な場所だったが、今は明るい。青い空が広がっている。
はっ?空?空?
「そら~!ぎゃ~!!死ぬ死ぬ!死ねる!!」
『ダイジョウブ。茂サンニハ、ヒコウスキルガアルヨ。』
そんな声が何処からともなく聞こえてきた。
聞えてきたが、正直言おう。今の僕には聞こえない。
何か音がすると思う程度だ。そりゃそうだろ?パニックだ。
「うあぁ~!」
『ダイジョウブ。茂サンニハ、ヒコウスキルガアルヨ。』
何度か、同じ言葉を聞いた。
そしてようやく、その言葉の意味がわかった。
「そうだよ。僕は飛行スキルがある。」
ひゃほぃ。よかった~。飛行スキル取っておいて。
「ちょっと待て。どうやって使うんだ?」
『・・・・・・。』
そして、僕はそのままの状態で、海の中へと飛び込む形になった。
『あれか?僕はこのままここで死ぬのか?』
落ちてきた勢いのまま、僕の体はドンドン海底へと進んでいく。
僕は泳げない訳じゃない。けど、この深さからどうやって浮かび上がれるというのだ。
今でもドンドンと海底へ勝手に潜らされているのに。
息も苦しくなってきた。
段々意識も海底に沈むかのように無くなっていく。
イカン!このままでは、本当に死ぬ。
何か手は無いか?この状況を脱する事の出来る手は?
『カタナをヌケバイイよ。』
その手があった。
僕は腰にある刀に手をやり抜こうとする。
が、先ず手の動きが遅い。水圧か!?
それでも何とか、刀を掴む事が出来た。
僕はゆっくりだが確実に刀を抜いて行く。
だが、ここで思わぬ事態に陥る。
意識が失われてしまったのだった。
◇◇◇◆◇◇◇
僕はこうして死んだ。
なんて事だ。
異世界旅行が始まる前に死んでしまうとは・・・。
『死んでいませんよ?』
死んでない?あんな状況で死なないなんて事があるのだろうか?
『ええ。生きていますよ。茂さん。』
えっ?
僕は勢いよく上半身を起こした。
その反動で、僕の頭は何かにぶつかった。
「イテッ!」
「痛い!」
痛い。本当だ。生きているんだ。
と思いつつ、謝罪する。
「すいません。」
「いてててて。いきなり動かないでください。」
「本当にすいません。」
僕はその痛がる人をマジマジ見る。
あれ?この人は?
「兎人リーちゃん?」
「そうですよ~。」
「何故リーちゃんが?」
「あれはヤバいでしょ?死ぬでしょ?だから助けに来ました。」
「あ、ありがとう。」
僕は涙を流してしまった。
僕は初めて、この兎人リーちゃんに感謝した。
生きているって素晴らしい。今はこの頭のズキズキすら愛おしい。
「つうか、スキルあるんだから飛べるでしょ?」
「いや。なんだ。使い方が分からん。」
「あっ!」
ソッポを向いた兎人リーちゃん。
「じゃ、無事も確認出来ましたし、私は帰りますね?」
そう言って逃げようとする兎人リーちゃんの腕をガッシリ掴んだ。
「そう急いで帰らなくても良いんじゃないかな?」
タラりという音が聞えそうな感じに兎人リーちゃんの額から汗が噴き出す。
「スキル。使い方を教えるの忘れたよね?」
目がキョドりだす兎人リーちゃん。
「それとも、その事をカグヤ様にご報告しようか?」
ザっと土下座する兎人リーちゃん。
「すいません。旦那。アタシに出来る事は何でもやります。だから、その事はどうかご内密に。」
額を地面につけて謝罪する兎人リーちゃん。チョロい。やっぱこいつの所為で僕は死にかけたのか。いや、そもそもカグヤ様が悪い気がするがとりあえず、そこは置いておこう。
「ほぉ。何でもするんだな?良いだろう。」
「ははぁ~。茂様の御厚意に感謝致します。」
と言って土下座を続ける兎人リーちゃん。
どんだけ、カグヤ様が怖いんだよ。
「まぁ、とりあえずスキルの使い方を教えてよ。」
「わかりました。」
あっさりと承諾する兎人リーちゃん。
まぁ、教える様に言われていたはずだもんな。
「つうかさ、ここ何処?」
「ここですか?落ちた海の近くの島です。」
「そうか。島か。ってもしかして無人島って事は無いよね?」
「えっ?無人島ですけど?」
◇◇◇◆◇◇◇
「では、私はこれで。」
「ちょっと。待て。僕をここに置いていくつもりか?」
「はい。」
「何でだよ?」
「だって、この世界では私達は人に力を行使したら罰を受けますから。」
「はぁ?」
「それに、空を飛ぶスキルを持ってらっしゃるから、茂さんならこの島から出れますよ?」
不思議そうな顔になる兎人リーちゃん。
やっぱこいつポンコツだわ。
「見渡す限り海だよね?ここ?」
「はい。」
「つうことで、近くの街のある大陸に連れていけ。」
「やです。罰を受けたくないです。」
「ほぉ。そのバツとやらは、カグヤ様の罰とどっちが辛いんだろうな?」
ギクッ!と肩を上げて恐る恐るという顔で僕を見る兎人リーちゃん。
「どうしても?」
「どうしても。」
あきらかに落ち込んだ様子を見せる兎人リーちゃん。
「はぁ~。わかりました。なら何処に行きたいですか?」
「選べるのか?」
「どうせ、見つかれば罰を受けます。どこでも同じですよ。だけど、これっきりにしてくださいね?」
「良いだろう。僕も男だ。二言は無い。」
「わかりました。」
そうして、兎人リーちゃんから候補地を聞いた。
そして、僕は三つに絞った。さぁどこに行こうか?
①アーダム大陸
②ロードスト大陸
③イグナシオ大陸
今回の選択
①アーダム大陸
②ロードスト大陸
③イグナシオ大陸
締め切り
2021年2月15日24時
更新
2021年2月21日0時
よろしくお願いします。