第1話 危うく一目惚れ
すごく1話辺りの長さが短い連載にしてみようかと思いとりあえず投下します。
もう限界!
だらしなくて嘘ばかりつく母親に愛想を尽かして私は家を飛び出した。
今年から高校生だけど生活の心配は無い。
なぜなら私の『養育費』を払っている相手に連絡をして、私に直接養育費をもらえることにしてもらったからだ。
私の名前は向井生子。
『いくこ』とかじゃなくて『なまこ』なの。
あの馬鹿な母親が『あなたの父親が瞳が綺麗な子供になるようにって付けた名前よ』とか言ってたけど、瞳だったら『まなこ』だからねっ!
嘘か本当かお父さんが浮気をしたから別れたって言ってたけど、私が産まれる前に別れたせいでこんな恥ずかしい名前にされてしまったの。
それからお母さんは怠惰の限りを尽くして、私はそれを反面教師として育った。
でも、もう本当に限界!
『高校に入ったら援交で稼ぐといいわよ。あなた可愛いし。お金は私に半分よこしなさいよ。あなたを産んだのは私なんだから』
これで怒らない人が居たら知りたいわ!
とにかく家を飛び出して、不本意ながら元父親の家に連絡して事情を話し、養育費をこちらに回してもらうことにしたの。
そうしたら、新しい住まいの保証人にもなってくれて、何?父親ってすごくいい人じゃないの?とか思ってしまった。
高校の入学式が終わり、最初のホームルームも終わり、校内を歩いているとあちこちで部活や委員会の勧誘をしていた。
その中で人だかりのすごい所がある。
黄色い声が聞こえるけど、どんなイケメン先輩が居るのよ?と思って近寄ると…
『風紀委員会です。よろしければどうぞ』
委員会室の前でチラシを笑顔で配っている一人の先輩が見えた。
ドキッ
心臓が高なった。
何、この気持ち。
もしかして、これが一目惚れ…
『キャー!こっち向いて!』
『九條坂先輩!』
『紅雄さま!』
その言葉を聞いた瞬間、私の気持ちはすっと冷めてしまった。
九條坂紅雄?
あの人が?
危なかった。
危うく…実の兄に一目惚れするところだったわ!
お読みいただきありがとうございます。
展開にお望みがあれば、感想で教えてください。
うまく曲げて行ってみます。