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視野の重なり 17

「話は変わりますけど……なんか変だと思いません?このごろの天気って。今朝だって、きっちり天気予報では一日中晴れるはんて言ってましたけど、結局こんなに、雨がふっちゃって……なんか今朝も世界中で洪水とか干魃とかテンペンチイが起きているみたいで……まるで何かが……」

 一息に、捲し立てるように、まるで何かを誤魔化そうとでもしているように絞り出された言葉。背中に視線を感じる。俺にも身に覚えのあるような荒唐無稽な大学進学講座が途切れ、残酷な忍び笑いが俺と彼女との間に闖入してくる。

「でも本当に、大変なことが起きようとしているんですよ。実際、新聞なんか読んでみるとどう見ても乱れていると言うか……このままだと、きっと大変なことが起きるような変な感じ。少しばかりするときはとかありませんか?」 

 その言葉の語調と彼女の表情との間のつながりは、ちょうど目の前のパフェとその脇にのけられた勘定書みたいなものだ。俺のそう言う直感は「悲しげな表情」のままこちらを見つめている「ヨウコちゃん」からはどんな風な感想を引き出すことになるのだろうか?変わらずに、確かに、静かに、彼女は俺を見つめている。凍り付いたように動かないその姿は後ろの高校生達がたてる忍び笑いへと行きそうな意識を無理にでもその一点に縛り付ける。

「そうですかね?そんなになんか起きそうに見えますか?世の中。だとしたら少しばかりましになってもいいような気がしますがねえ。それに、そんなこと俺みたいなつまらない……自分一人が生きているってので精一杯の人間がそんなことを気にしてどうするって言うんですか?俺にはそっちの方がどうにも気になるんですよ。どうせ何もできやしないのは分かり切っているっていうのに……まるで何かに追い立てられるように……」

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