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第九話:成人した一人の子ども

流石に親が見つからないまま1ヶ月になる。

「ねぇ、うーたんさ、こう君借りていい?」

「え、なんで?」

「教職の実習の練習したいんだ。」

「いいよ、勉強教えてくれるってことでしょ?逆に助かるよ!」ということでこうはついに勉強を教えてもらえることになった。こうはすごく勉強が好きなのか覚えもよくて楽しそうだ。

「こう君すごいよ!!」

「ほんと?」

家に帰ってご飯食べながら

「こう、勉強どう?」と聞いてみる

「楽しいよ!」

「面白い?」

「うん!」一応小一レベルから初めてもらってるけど、漢字は大丈夫らしい。 理科とか社会はまだだけどなかなかいい感じらしい。

「うた、英語やりたい!」

「英語?」

「うん!」

「なんで?」

「なんとなく!」

キラキラ星影響かな?あれ以来毎日キラキラ星歌いながらお風呂に入ってる。よく飽きないなと感心するぐらい。

「そーだな…。考えておくね。」詩は通帳とにらめっこ。当たり前だ。仕送りしてもらってる生活費じゃ全然賄えない。そしてバイトもこうがいるから減らしたし、ギリギリでどうしよ。親に言いたくないけど、言うしかないよねと頭を抱える。英語に興味があるなら英会話とか行かせてあげたいと思いながら携帯でバイトを探す。最近親に

「あんた最近なんか浪費癖でもついたの?」と通帳の金額みて言われた。元々倹約してたけど、学祭期間の出費は痛すぎ。こうの秋冬服買ったのも痛いな、なんで子供服そんな高いんだよと世の中の親ってこれ毎年繰り返してるのかとびっくりした。子供なんてすぐ成長しちゃうのにと携帯とにらめっこしていると、親から電話がきた。こうには一人でお風呂入ってもらった。正直に話すかと息を吐く。

「お母さん、本当はね―――」お母さんの反応は予想通り。最初はえっ?って感じでかたまって、そのあと怒って、泣く。分かってたけどイライラしてきた。

「仕送り増やしてとは言わないつもりだったし、私がなんとかするから把握だけしててよ!!私もう成人してるんだよ!」と電話を切る。その後すぐに父親から電話。親になるということは…みたいな説教。いやいや、子供出来たとかじゃないし。母親はなんて伝えたのと言いつつもう一度事情を言っても

「そんなドラマみたいなことがあるか!!お前すぐに施設預けろ!」外は雷が鳴り、近くにでも落ちたのだろうか。建物が揺れる。何を言ったか覚えてないけど何かを言い電話を切る。

「うた?雷鳴ってた?」

「こう、大丈夫だよ。」と抱き締める。私ひとりでもなんとかするから。


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