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第八話:学祭

学祭時期。学校はどこかソワソワした空気が流れる。もちろん詩もゼミで残らないといけないから残るが

「こう、ご飯学食で食べよう!」

「うん。」 忙しさ故に最近昼も夜も学食で済ませている。

「こうは学食どれがすき?」

「うーん、うどん!」

「うどん?」

「うどん!」そうだね、だってここ3日昼、夜もうどん食べてるもんね…。だめだ、ちゃんとバランスよく食べさせよう。そして出費も痛い。バイト増やさないとなぁ…と頭を抱える。


「こう、色塗り手伝って!」

「どう?」

「最高!」ゼミの関係の学生団体の展示の準備をこうも手伝ってくれてる。児童の心理学のゼミだからこうがいて役に立つことも多々ある。

「こう君、お菓子あげよっか!」ちなみになかなかこうはモテる。チビッ子が一人だけってのもあるかな?まぁうちに似ずかなりのイケメン。そう、ジャニーズとかモデルとかにいそうと思いながら横顔を見る。

「うーたん、七時半だからもう帰りー。」

「お先に失礼します!」と声かけて帰る。預かったばっかの頃はこうが9時半ぐらいに寝おちするから寝おち寸前のこうを家におぶって帰って、シャワー浴びるように指示して髪乾かしてあげて10時には寝かしてた。でも教授に子供は9時には寝かさなきゃと怒られ、バイトある日はご飯作っておいて、ご飯とお風呂を一人で入ってもらってる。休みの日はもちろん一緒に食べてるけど寂しい想いさせてるんじゃないかと思ってはうまく出来ない自分にイラついてしまう詩。こうを9時前に寝かしつけ、そっから課題や勉強をして12時過ぎに寝る。こうを預かってから2時3時に寝るような不摂生はしてない。本当は昔からよく寝るから8時ぐらいに起きたいとこだけど、朝は7時に起きて眠いけど朝ごはんつくって、こうを着替えさせて、一コマ(9時から)に行くみたいな生活をしている。土日は早番のバイトを入れまくり9時5時でバイトをしている。学内のバイトだから、その間は勉強したり図書館で本を読むように声かけている。なんとか生活出来てるかなと思いながら生活している。こうを預かって不自由なことは沢山あるけど、きちんとした生活をしたり、こうと暮らすことで学べること沢山ある。だから、どっかで親御さんが見つからなければなんて思っちゃう。最悪だ、自分という自己嫌悪もすごく、うまく回るように何かに祈るしかできなかった。

そんな中学祭が行われた。両日とも午前中のシフトになり展示物の説明とかをする。

「こう、こうも同じTシャツ着ようか!」だいたい所属団体ごとでTシャツを着る。こうの分の注文も悩んだけど、着せてあげたくてこうには秘密で注文をしておいた。

「あら、可愛いわね、お姉ちゃんと同じTシャツ着てるの?」と来場された方々にも声かけられる。本当人の目を引くこう。天性の才能かもしれない。午後、模擬店でご飯を買って、連れてまわってあげる。こうが一番興味を持ったのは吹奏楽。音楽好きなのかな?と思いながら手を繋ぎ歩いてると本当に弟をつれてるみたいで詩はなんとなくその手を離したくなかった。その手の先は本当は親の手があるはずなのにと思いながら。


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