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第五話:小さい
授業終わってバイト中友人がこうを預かってくれるみたいだから算数ドリルをとりあえず印刷して渡しておいた。バイト終わりこうを迎えにいき家でお風呂にいれる。これがここ数日の詩の日課だった。
「ねぇ、うた。」
「どうした?」
「ううん、なんでもない」数日間でさん付け呼びが抜けたこうはタオルを持って下をむく。こうは目さえ合わせない。こうがお風呂に入っている間に詩はテレビをつけ久々に飲む。いつの間にか二缶は空けていた。児相の人に並大抵のことじゃないと言われたこと。親に返す日がくること。
「分かってるよ…。」 必ず世話できなくなる時がくるとも言われた。
「それは…分かりたくない。」
「うた…?」
「あ、あがった?まだ暑いとはいえドライヤーかけないと風邪ひくぞ」
こうを胡坐をかいた脚の上に乗せドライヤーで乾かす。思ったより小さく軽く、手を離したら消えちゃいそうだ。シャワーを私が浴びてる間にこうは寝てた布団を上にかけ、隣で横になる。