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第四話:信頼できる大人
数日間は親戚から預かっていると話は通してきたが、ある日教授に呼び出された…なんかやらかしたかな…しかもこうは置いてこいとのこと…と詩は重い足取りの中、こうを友人に預けて研究室に行く。
「横山。そこ座って」
「はい…。」
「こう君のことだけどね、事情をちゃんと全部聞かせてもらえるかな?」
「先生は話したら私を信じてくれますか?」
「話によるな。でも信じようと思う。」
「なら…。」 今までのこと全て話した詩。先生はひたすら苦い顔をし、眉間にしわを寄せ、腕を組んでいる。
「…なるほどな。」そういう反応になるよなと詩予想通りの反応にため息をつく。
「これからどうしていくんだ?」
「とりあえず一人にできないので大学とバイトに連れてくるという感じですかね。」
「分かった。早く見つかるといいな」その言葉が胸につっかえてしまう。なんでだろ…。