それでも彼女はやりたいという・・・
なぜ、こいつ(脇脇男)が村本がアニメ好きなのかを知っているのかということを詳しく聞きたいが、今我には、付き合ってはいけない条約があり、いらぬことをされては困るため、我慢というものをすることにする。
くそぉ、我慢しすぎて、もう何も考えられねぇぜ。
『でさぁ、お前入るよな?』
『...』
『入るよな!?』
『ええっ?あ、うん』
しまった脇脇男の話を我慢しすぎて聞いていなくて、話のノリで入ると言ってしまった。
が、まぁ、村本がはいるわけないだろう…
しかも部活動には最低でも部員が4人必要なことになっている。あと顧問の先生も。
これを、集めるのは難しいことましてやアニメ研究なんか誰が引き受けるんだよ。
「葉山、お前ちょっとさ計画性がなさすぎないか?」
へ?と首をかしげる、その目はなんだ?葉山、俺のことを不審者のように見るのはやめてくれ。。。
「だから、こんなので先生が到底OKを出すと思えないんだが。」
「そのことなら大丈夫だよ!」
その声のほうに目を向けるとドアを開け仁王立ちで俺たちを見る村本の姿が...
「んあぁぁ?!」
あまりの驚きにきもさが混じってしまった。
俺の驚きに目を留めずに村本は話を続ける。
「アニメは日本の文化、カルチャーだからね」
きっぱりと言いやがったぁぁぁ
そして、そのとおり、と葉山
しかし、俺はめげづにすかさず反論
「いや、だからそれはあくまでも個人的な意見であって、世間的の意見とは・・・」
「じゃあ、こうしよう映像・演劇研究会って名前で提出するのはどうかな?」
は?
あまりの返し言葉に続く言葉が出ない
すると葉山が反論。
「いや。演劇には興味がないんだけどな」
よくぞ言った
「でも、普通に活動しても学校からは認められない。
何か実績を残さなきゃ」
その返答はごもっとも
これは俺も葉山に思っていた、でも
「なんで演劇じゃないとダメなんだ・・・?」
「えっ」
村本の顔がぽわっと赤くなった。
口をごもらせている、その姿が愛らしい・・・
「それはね・・・・私の夢があるから・・・」
「夢?」
「ゆめぇ~?」
と俺と葉山。
「うん。夢・・・私ね・・・ずっとやってみたかったんだ。
演劇を」
へ?何でと思わず声が出る。
「ふふふ、わかるよ、でもね一度見てみるときっとわかる
緞帳が上がり、スポットが当てられる、するとそこには唯一私が輝ける場所があるの
私はずっとそれにあこがれて夢を持って生きてきた。でも・・・」
顔を少し下げもの悲しそうに村本は言った。
でも私には遠い夢だと・・・