タバスコは辛くて甘い。
『昨日は散々だったぜ。』
あんなことがあったら気になって眠れるわけもなく、あくびをしながら倉本は教室にぞろぞろと入ってくるクラスメイトを目で追いながら呟く。
結局、昨日はなぜ村本と付き合ってはいけないのか理由を教えてくれないまま、彼女は帰ってしまった。
彼女が帰ったところは未来…
そんなことがあり得るわけがないと横に首を振っていると。
『何をしているんだ』
友達である葉山、別名・脇脇男が俺に話しかけてくる。
側から見ると相当おかしいことをしていたみたいだ、それに気づき、慌ててクラスを見回す。
もちろん、村本がいないかの確認だ。
どうやら、村本はいないみたいだ。
『よかった。』
口から安堵の声が漏れる。
『お前、ほんと村本の方が好きだよな。』
と脇脇男。
え?なんでわかったの?と不思議顔をする俺。
そりゃ、わかるよと葉山、、ではなく脇脇男。
『で、あのさ』と彼、葉山は話し始める。
その話を聞きながら、カバンから荷物を出し始める俺。
無論、1時間目の用意だ。それを目で追いながら彼は話を続ける。
『俺、アニメ研究部を作ろうと思ってるんだけど』
ん?
まさか…
『お前、入らない?』
こいつ何いってるんだ?
今、ただでさえ俺は村本の件で忙しいというのに。
『ほら、お前アニメ好きじゃん?だから、さぁ、入るだろ?で、俺とサークル作るの手伝ってよ』
意味がわからない、俺はそもそも入るともいっていないし、そもそも時間がない、色々と考えることがあるのにその時間を奪うつもりか。この脇脇男!
『そんなサークル入るわけ…』
『村本はアニメ好きだぞ』
んんん!なぜこいつがそんなことを知っているんダァ!
こうしてまた一つの謎が生まれた。