それでも、俺は彼女に恋をする。
「そして、未来では私の夫です。」
と、付け足すように村本が言う。
て、ええ?そこめっちゃ重要じゃないですかぁ!
えっと、どうすればいいのか、つまりこの村本香織は未来の村本香織で、未来では俺の妻だということ?
え、俺こいつと結婚するの。
やべぇ、まじかよ。
でも、なんで未来の村本がここに来たんだ?
「なぁ、未来の村本さん、なぜあんたは過去の夫のもとに来たんだ?未来では、俺らは結婚していても、この過去にはあいつとの出会いは一つもない。」
本当に悲しいことに、村本には話しかけることもなければ、話しかけられることもない、そんな状況になぜ、未来の村本が…
ところで、俺が未来の村本だと信じたのは、こんな可愛い人が世界に二人もいないと思ったからだ。
しかも、彼女は体型、顔全てが村本香織にそっくりだ、性格はあまり知らないが、遠くで見ている限り、似ていると思う…
「それは、好都合です!」
と、村本(未来の)が言う。
おいおい、なにが好都合なんだ?
こっちは全然嬉しくないんですけどぉ?
売られた喧嘩は買うしかない!
「なんでそれが、好都合なんじゃぁー!」
と、怒り狂ったのにもかかわらず彼女は至って冷静に。
「えっとですね、単刀直入にいうと、私と私の夫、つまり、未来のあなたと出会わなかったことにしたいのです。
つまり、あなたは、いくら私が好きで告白されたとしても、それを断っていただきたいのです。」
はぁ〜?そんなの無理に決まってんだろ?俺はめちゃくちゃあいつのことが好きなんだからヨォ。
遠くで見てるだけのストーカー男と周りからは思われているが、それでも身を削りながら、頑張ってるんじゃい。
それなのに、告白されたら断れだと、てか、告白なんかされるのかねぇ、されなかったとしても、彼女がいうには俺から告白もしてはいけないということ、つまり、村本香織と俺は付き合ってはいけない。
ここで、この物語の説明をしよう、この物語は村本香織が好きな主人公のもとに現れた未来の村本香織の命令により、村本香織とは付き合うことを許されない。
好きなのに好きって言えない、主人公の恋のもどかしさを描いた作品なのだー。