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この道は変わっていない。
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『まさか…彼があんなにひどい人だったなんて、』
この道は昔から人通りが少なく、街灯も少ない。
まぁ、そりゃそうだろう、この道は滅多に人が通らないから。
私もあまり使わないというか昔は使うのを避ける道だった。
でも今日は仕方がなくこの道を通る…しかないのだ。
別の道を通れば、彼に追いつかれてしまう。
きっと彼は知っている。
今から私が行く場所がどこか、
そしてその場所についてから私が何をするか。
いやでも彼は私の行動を止めようとするだろう。
でも、止めない止めたくない、だって仕方がないんだもの。
それほど彼を愛していた…それも今日まで。
今日で私達の未来は破滅する。
バイバイ、今までの生活。
バイバイ、これからの生活。
やはりこの道は変わっていない、街灯も少なく、人通りも少ない、でもどこか、遠い昔を思い出す。
『私、帰ってきたんだ。』
流れ落ちる涙を拭い、彼女は目的地へと向かった---