•被験体108番に関する報告書
レポートNo.1 XXX 12/27/11:48
XXX年 冬
・属種“イモータル”のサンプルとして母性体から贈与される。
・同日の22:00を以って、実験へと移行。
傷の修復において、予想された結果を大幅に超える実験となった。
・感情の起伏、思考において、一般的な児童と差異は見られず、実験開始日から数週間は親を求めて泣き叫ぶ姿を見せたが、暫く経つと心を閉ざす様子も見られた。
・他の被験体と同室にしたところ、同年代の児童には珍しく、自ら他被験者たちの面倒を見始めた。
現状、発覚した能力の詳細をここに纏める。
1.“治癒能力”ではなく、“再生能力”という表現が正しく、餓死、欠損からも全快することが可能である。
2.傷や異常が全て回復する訳ではなく、生命活動に支障をきたす場合にのみ回復する。
3.上記の例として、擦り傷、切り傷程度では回復はしないが、広範囲においての火傷や、出血多量の場合、即座に回復する様子が見て取れた。
4.本人が意識して能力を発動させている訳ではなく、無意識下においての実験でも少しの誤差もなく同一の実験結果となった。
5.通電を行い、複数回感電死させたが、電気抵抗が著しく上がるなどの結果は見られない。
報告
被験体108番に能力に関する自覚は見られず、血筋に関しても普遍的であり、この事から能力の発現に予想されていた24項目全てが付随しないものと考えられる。
同様に、被験体の贈与時の年齢、能力の詳細から、大怪我を負ったりしない限りはそうと分からない為、 一般世間には未だ該当能力者が存在するものと思われる。
追記
実験内容を変え、怪我や、細菌に対する劇的な進化を期待したが、こちらに関しては特記する様な結果にはならなかった事を記す。
【記述者名 レイナー・デロンド】
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