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異世界で正しく生きるには  作者: 春に狂う
ここを拠点とする!
12/64

不審者発見 その変な仮面はなんですか!

「んぅ〜」



読めない



「んぅ〜〜〜?」



読めない



「…何この文字」



文字が読めない。いや、読めないどころか解らない(・・・・)

言葉が通じるものだから忘れていたけれど、ここは異世界なんだし、当然と言えば当然なのだろうけれど…

それなら何故言葉だけは通じるのか、文字が違うという事は扱う言語が違うという事なのだから、口語からして異なる筈なのに…だ。


いや、もしかして他の子たちと言葉が通じるようになった事と関係しているのだろうか



施設にいた時は基本的に子どもたち同士での会話は出来なかった。

普段は別室で隔離されてるからというのもあるが、そもそもが年端もいかない内に連れてこられた幼子ばかりなのだ。

異国の言葉を理解できよう筈もない。


だというのに、こちらに来てからは途端に会話が成立するようになった。

まるで同じ言語を扱っているかのように、何と言っているのかが分かるようになったのだ。



深く考えずにいたけれど、これはもしかして異世界にいるからじゃないだろうか…

あの林でのゴブリン然り、この世界には魔法なんかのファンタジー小説のような物事が溢れている。

という事は、僕たちがこの世界に来たときに魔法的な何かで言葉が通じ会うようになったのではないだろうか…



まあ、そこに気付いたところで何がどうなるという訳でもないのだけど。



「村長の言葉はこういう事だったのか…」



書き割を渡された時、ニヤニヤと笑みを浮かべていたのはこうなる事が分かっていたからなんだろう。


だとすると、僕に文字の読み方を教えるよう、アーカードさんに言伝されていると思う…

…思うけれど、なんだか掌で踊らされているように感じて、ムカムカする。


なんとか読めるようになれないかな…


いやまあ、意地を張るところでもないし、素直に聞きに行こう…アーカードさんは櫓の方だろうか?



と、背もたれにしていたおばけの木から立ち上がると…



「…ぉーぃ……誰かいないデスかー?」



ふと、耳に届いたのは覚えのない声

この村で過ごした時間もそこそこ長い、村の人の声ならキチンと覚えている。

更に言えばこの辺りは見晴らしが良く、周囲に人影はない。


そっかー、おばけの木って本当だったのかー…



…………



「……逃げる!!」



思い立ったが吉兆、脱兎の如く駆け出す。

声が聴こえたのとは真逆の方向へ一目散に───



「なんだぁ、いるじゃないデスか」


「わぁあああああああ!!??」



──絶叫。

駆け出すと同時、ヘンテコな仮面を付けた奇天烈な格好の人が目の前に突如現れた。

余りにも奇抜な格好をしているというのに、僕の目に焼き付いたのは仮面でも、服装でもなく、太陽のように淡く眩い黄金の髪だった。



「あれ?少年??しょうねーん!?なんで気絶するデスか!?起きて!ウェイカッ!ここがどこか説明プリーズデスよ!!」



これが、僕のこれからと、世界の行く末を大きく揺るがす事になる、その一歩だと誰が思い得ただろうか…



「名も知らぬ少年が死んじゃったデース!こういうのなんて言うんでしたっけ?ウケる?」


「死んでませんから!!あなた誰ですか!?」



本当に、誰が思えただろうか



「ワオ!生きてましたか!では疑問に答えましょう、私はルイーナ・デュークリオン、栄えある魔導第1学院の名誉教授にして筆頭調査官、5属性魔(フィフスエレメント)のルイーナさんデス!」


「知らない言葉ばかりだ……」



こんな変哲しかない出会いが、やがて大きな波となり、世界を飲み込む大厄災へと繋がるだなんて…

あと数話で村から出て街に出かけます(予定)

そして街から村に戻って数話で物語は一気に進展します(予定)


ゴブリンの群れ対策は仮面さんがなんとかしてくれますので悪しからず

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