ラーメンが食べたい!
ラーメンが食べたい!
昨日から、いやそれより前から食事をする度に思っていた。
ならば食べればいいじゃないですか?と呟きを聞いた部下は言う。
確かに店に行き食べればいいだけだ、何も悶々と我慢する必要もないことだろう。
だが、現状を見てほしい。昼間は会社から出られず、仕事が終わるのは午後9時近く。既に小休憩を挟んで社内の売店で夕食を済ませてしまうではないか!
食べなければ仕事をする気力もなくなるため、ラーメンを食べたいと思いながらもサンドイッチを食べる物悲しさを理解してほしい。
ああ、営業で外回りをする人達が羨ましい!
無論いつでもとはいえないし、時間の都合で食べられないこともあるだろうが少なくともチャンスは多いだろう。
は!外回りをさせてくれないだろうか!
あ、ダメ?社内での仕事が止まる?
…そうか。いや、冗談だからそんなに怖い顔をしないでくれ。
カップ麺があるじゃないか?
随分と軽く言うが、あれがどれほど恐ろしいか知っているのかい?
お湯を注いでから出来上がるまでに立ち上る香り!あれだけお手軽なのに最近は確かに美味い!
しかし!あれは周囲への影響がひどすぎる!
キミ、自分もラーメン食べたいなと思った時に手元にカップ麺があるかい?ないだろう?
お店で食べるなら注文すればいいさ、好きなものを最高の瞬間に食べられる!
だが、近くでカップ麺を食べる人がいたからといって自分が用意もしていないカップ麺はすぐに食べられないだろう!
いや、呆れた顔をするのもやめてくれ。いたって真剣な話だ!
かくなる上は社内にラーメンショップを作るのはどうかと考えているんだが…。
え、そんなに食べたいなら社内に残ってるみんなで食べに行っていい?本当かい?
おお!労う為にもいいんじゃないか!
では社員交流ということで会社での出資だな!
早速みんなに声をかけてくれ!
どうやら社長はお疲れとラーメンを食べたい欲求に勝てなかったようだ。
しかし連日社長の前にラーメンの雑誌や話題をさり気なく挟むとは侮れないな、企画部の斉藤…。
今度のプロモーションを任せてみるよう社長に進言してみるか。
最初にラーメンを語っていたのは社長で、企画部の斉藤の思惑通りラーメンを食べたくなった。
最後のは部下こと秘書。経営者としてはバッチリなものの、やや素直過ぎて騙されそうな社長のお守り。
残業続きの斉藤の企ては成功したようだ。




