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とある狩人の追憶記  作者: 白眉万丈
第1章
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第04話

■2015/08/15 誤字・脱字の修正、及び表現の一部変更を行いました。

第04話




 実戦経験の有る兵士は、いつ何処で何が起こっても善処出来るように、常に備えているものだ。


しかし、この場合の「起こる何か」とは、あくまでも人間との戦闘を指しており、GODZIL○Aやドラゴンみたいな空想上の生物との戦闘ではない。


ところが、空想上の生物ではなく、未発見だった生物だと認識を改めて、本当に備える必要が出てきた。


寝床とした樹上で、ドラゴンたちの残骸を眺めていたら、「ビデオゲームみたいにステータスとか見えたら便利なのにな」という考えが俺の心にふと浮かんだ。


左の掌を見ながら、「ステータスを表示しろ!」と意識を集中した途端、ウエアラブル端末も着けていないのに、視界の片隅に透過加工された様なウインドウがボンヤリと表示されたのを見て、つい喜んでしまった。


「マジで、ビデオゲームかよ!」


数秒後にはっきりと表示されたステータスには、今までに見た事の無い象形文字が箇条書きになっている。


しかし、象形文字自体は読めないにも関わらず、何故か意味が理解出来た。



【名前】

 シングル・ソード

【年齢】

 1

【レベル】

 80

【称号】

 下等竜を殺めし者

 下等竜を喰らいし者

【加護】

 下等竜からの被ダメージ削減



 先ずは1項目目だが、シングル・ソードとは、仲間から呼ばれる時の俺の渾名で、本名などではない。


俺の本名は、『惣田 真悟』だ。


しかし、自己紹介で「シンゴソウダ」と名乗った際に、教官が「シングルソード?!」と巫山戯て言ったために仲間たちに定着してしまい、更に面白がった嫁までもが真似をしたので、ここ5年間本名で呼ばれた事は一度もなく、「シングルソード」もしくは「ソード」と呼ばれていた。


つまり、【名前】というのは「周囲に認知されている呼称」の事だと推測できる。


 次に2項目目だが、配属直後に「1年坊主どもの歓迎会」と称して、ガスマスクを付けて長距離行軍させられた記憶が蘇った。


つまり、【年齢】というのは「この世界に来て何年目」の事だと推測できる。


これなら、この世界に生まれて何年目という意味にも解釈可能だ。


 飛んで4項目目だが、ドラゴンが下等竜だというなら、確かに俺は下等竜を殺したし、一口だけだが下等竜を食った。


つまり、【称号】というのは「肩書き」の事だと推測できる。


5項目目の【加護】というのは、ビデオゲームに出てくるのと同じようなモノとしか、今のところ解釈のしようがない。


 問題は3項目目だが、この【レベル】というのがカトゥーンのドラゴンボー○に出てきたスカウターみたいに相手の強さを数値化したモノなら、俺の求めていたモノそのものなので脅威の判定に使える。


早速俺は、ドラゴン、デイノニクス、大きなイノシシの順に視線を向け、「ステータス表示」と心の中で唱えた。



【名称】

 外竜類 中等竜科 下等竜

【レベル】

 null



【名称】

 竜盤類  ドロマエオサウルス科  デイノニクス

【レベル】

 null



【名称】

 哺乳類 イノシシ科 大イノシシ

【レベル】

 null



 約300ヤードも離れているのにステータスを見る事が出来るのは良いが、俺のステータスとは項目名や項目数が異なる上に、レベルが「null」になっていた。


10匹全部が「null」になっている事から、「レベル0」という意味である可能性は低く、死亡したから示す数値が存在しなくなった可能性が高い。


取り敢えず、生きている デイノニクスどもと比べて、検証する必要がある。


それと、文章としての意味が理解出来ている事から、他の象形文字のサンプルがあれば、各象形文字を読み解く事は簡単なので、サンプルとしても他の生物を沢山見ておきたい。



<続く>

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