コロナ2
4月も半ばを過ぎ、咳をする人は見かけなくなった。それでもマスクして、公園で座るにしても距離をとって、飲食はしない。
商店街などはけっこう混んでいたけれど、ぶつかりそうでもお互い譲り合う。以前は多少ぶつかりそうでも歩みを止めない感じだったのが、今は一歩手前でお互いが止まる。
外に出したテーブルで、手作りマスクや、小分けした市販のマスクが売られていた。いつもはランチをやっているお店が弁当を売っていたりした。
ドアをとっぱらって、開けっ放しにしている小さな弁当屋、開けているものの客のいない焼き肉店、小児科の病院でも窓を開け放しているらしく、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきていた。
パチンコ店やカラオケ店や雀荘や一部の飲食店は閉まっていた。
緊急事態宣言が本当に5月6日までなら終わりが見えてきている。でも、5月6日になって、みんな解禁にできるようになっているなんてあるかな??
みんなそう思いつつ、とりあえず5月6日までと思って暮らしていたのだろうな。大阪なんて2月末からの外出自粛要請だった。
そしてGWになって、やっぱり自粛は延長の見込み。
感染が止まらないっていうけど、おおまかに言えば風邪なんだからそりゃあそうだろう。
いろんな予防策はこれからも続けた方がいいだろうけれど、ずーっとずーっとみんなで自粛して、どうなるんだろう?と思いつつ、自粛生活に慣れてきていた。
小さな公園では、ベンチに老人たち。一つのベンチには買い物帰りらしい疲れた様子のおばあさん。一つのベンチには本を開いて過ごすおじいさん。一つのベンチでは、おじいさん二人が距離をとって座って話していた。
みんなもうこんな時代を受け入れて、その中で自分のスタイルを確立してきた感じがしていた。
お店がいっぱいの町だから、苦しいところもいっぱいなんだろうと思う。けれど静かな大阪。
「気をつけてな」「気をつけような」と時々声をかけあって、自粛延長も静かに受け入れていた。




