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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

バイトの先輩

作者: びくりり(超妄想作家)


ガチャッ


グラスが床で砕けた


慌てて破片を拾った指から

血が滲む


「またか、、」

 

ホールの奥から 呆れた声が

聞こえてくる


人気のイタリアレストランで

バイトを始めて2週間がたった


ドジな性格が廻りに迷惑を かけていた


そんな俺に店のリーダーは 優しくしてくれる


手にキズバンを持っていた


「ごめんなさい」


「良いから じっとしてて」


ティシュで血液を

抑えてから 絆創膏を貼ってくれた


「ありがとうございます」


「気にすんな、、俺も山程やったから、、」


はにかんだような笑顔を俺にむけてくれた


「本当にごめんなさい」


店は21時に閉まる


それから後片付けを30分くらいする


「お疲れ様でした」


みんなに挨拶をした。


明日は定休日


俺は家に向かった


「おーい ヒロシ」


振り返るとリーダーが笑顔で

手を振ってる


俺はリーダーの元へ行った


「2週間がんばったお祝いをしてあげるよ」


「とんでもないです、、迷惑ばかりかけて、、、」


「ハッハッ そうだったな」


少し意地悪な目をしてから 笑った


「良いから ついて来い」


俺はリーダーの後ろをついて行った



そこは 少しだけ裏通りに入ったところだった


引き戸をリーダーが開ける


「やあ、たかし君 久しぶりだね

元気にしてた?」


恰幅の良い店主が カウンターの奥から声を掛けてきた


「お陰さまで 相変わらず元気にしてましたよ」


「そりゃあ良かった。ゆっくりしていってくださいよ」


「ありがとうございます」


並んで腰掛けた


温かいおしぼりが気持ちをリセットしてくれる


「この店 3年くらい通ってるんだ

居心地も良いし 味も抜群でさ」


壁にオススメが貼ってある


店主がニコニコしながらリーダーのところにきた


何か話してる


俺はその間に店の雰囲気に馴染んでいった



ビールでカンパイした


平皿にキレイに盛られたお通しが出された


どれも美味しかった


「リーダー美味しいです」


「そうだろう。ヒロに食べさせたかったんだ」


「ありがとうございます」


「もっと気楽にして 2週間のお祝いだよ」


リーダーはそう言って ビールをついでくれた


それからいろんな話しをしてくれた


俺の知らない店のオープンからのこと


リーダーはオーナーの親戚だから いろいろ任されている


レストランが人気店なのも 俺はリーダーの力だと思っている


適切な判断が出来て

気配りも出来るし

それにとにかくカッコイイ


俺なんかにも優しいし

かなりモテると思う


「ヒロ 仕事楽しいか?」


「あっ、、はいっ」


俺は下を向いてしまった


「でも、ドジだから申し訳なくて、」


それからリーダーは 

店への思いを語ってくれた


人を大切にしたことで 今があること


リーダーの話しに俺は惹き込まれていった


そしてリーダーがますます素敵に輝いて見えた


「ヒロ 俺はみんなに喜んでもらえる店を作りたいんだ


スタッフにも お客さんにも


勿論ヒロにもさ」


リーダーの気持ちが分かって

俺の胸も熱くなった


そして飲み過ぎてしまった


「ごちそう様でした

ありがとうございます

また来ますね」


「ハイよ、、いつでも顔見せてな、、気をつけて帰ってくださいよ」


暖簾を避けて店を出た


いつのまにか風が冷たくなってる


「ヒロ 送ってあげるよ」


「いいすぅ、、悪いすぅ、」


酔って言葉が変になっている


「遠慮するな、、俺が誘ったんだから」


俺はリーダーの腕を掴みながら歩いた


なんとなく甘えた気持ちになっていた


アパートに着いた


リーダーが鍵をあけてドアをひらいてくれる


「ありが、あっ、」


足元がよろけてリーダーにしがみついた



「ごめんなさい、、」


リーダーの香りが胸元からする


心配して覗き込む顔が目の前にきた


俺は思わずキスをしてしまった


「ごめんなさい、、」


リーダーの指が優しく頬を包んでくれた


俺の顔は上を向いた


リーダーが優しく唇をのせてくれた



玄関に靴が並ぶ


二人の夜は今から始まる


朝の日差しが伸びてく先に


リーダーの寝顔がある


俺はフワフワする気持ちで 見つめてる


目が開いた


「ヒロ おはよっ」

飛びっきり優しい笑顔だ


俺の腕をギュッと掴んで いたずらっ子みたいに笑った


俺はそのまま 胸に飛びこんだ







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