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悪役令嬢様は婚約者のダメ王子を捨てられない!!  作者: 加藤チョコミント
プロローグ 悪役令嬢ヴェロニカは、ダメ王子に一目惚れする。
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プリンス イン ザ ガーデン

乙女ゲーム「プリンス イン ザ ガーデン」通称「プリニワ」は乙女ゲームマニアの間で知る人ぞ知る、というかんじのゲームだ。




主人公は平民ハンナ・ストランド。


王都郊外の小さな村の出身だが、

そのピンクがかったブロンドの巻毛、

陶器のような白い肌と華奢な体つき、

小さな顔に綺麗に収まったローズクオーツのような儚いピンクの大きな目。


そんな彼女の美貌は村を超えて王都にまで噂されるほどの美少女とされていた。



第一王子であるベネディクト・クリステル・ノルデグレーンは噂の彼女を一目見て気にいってしまう。

婚約者の公爵令嬢、ヴェロニカ・グランクヴィストが居るにも関わらず…。



さらにずば抜けて成績優秀であったハンナは、王子や爵位ある子供たちが通うアカデミーに平民でありながらも特別入学することとなる。


その美しさと優しさ、そして知的な一面から、攻略対象キャラのイケメン貴族たちからたちまち言い寄られるようになる。

その中にはもちろんベネディクトも…。



そしてそんな展開が面白いはずもないヴェロニカは、ハンナに様々な嫌がらせを仕向ける。


お茶会のドレスコードを全く違うものを教える、持ち物を汚したり隠したりする、ありもしない噂を流す、平民だとあざ笑う、なんていうのはまだカワイイもので、暴漢に襲わせる計画まで立てたりするが、それ自体はその時の好感度の高いキャラが助けてくれるので未遂に終わる。


ベネディクトはそれを知っているのに、見てみぬふりをして助けてくれる様子もない。


それどころか、実はベネディクトはの超ナンパ野郎で、浮気三昧、公務に関しても優柔不断で決断もできないようなダメダメ男だと発覚。


さらに、自分の実力で入学したと思っていたハンナだったが、真実は、ハンナのことを気に入ったベネディクトが裏口入学させていたことを知ってしまう。



失望し、落胆したハンナは

アカデミーで開催される大規模な舞踏会の場で



「王太子様のことでしたら、こちらからお断りです、ヴェロニカ様。」 


「ベネディクト様、私をこのアカデミーに入れてくださったことだけは感謝いたします。」



と言い、ヴェロニカの悪行とともにベネディクトのダメさ加減が周囲に暴露される断罪イベントに入る。



ヴェロニカが優秀な平民に嫉妬して嫌がらせしたこと、

王子が私的な理由でアカデミーを買収していたこと、

婚約者がありながら他の女性にうつつを抜かすような不誠実さ

などが国中に広まり、ベネディクトは王室の品位を下げるあるまじき行動をしたとして、王位を剥奪される。



そしてアカデミーでの人気も高いベネディクトの弟、第二王子であるマティアスが王位を継ぐこととなる。


ヴェロニカは国中に広まった醜聞により、ベネディクトとの婚約も破棄され、それにより家ごと没落していく。


逆にハンナはその優秀さを買われ、アカデミーに正式に在席を認められる。


そしてベネディクト以外の貴族のだれかと結ばれる仕様であり、正規ルートはマティアスとされている。





そんなプリニワのイケメンキャラで唯一非攻略キャラとされているのがベネディクトだ。

もちろんキャラとしての人気はない。

私だってプレイ中はなんの興味もなかった。


軟派なベネディクトとは正反対の、クール系黒髪イケメンであるマティアスが圧倒的一番人気だったし、私ももちろんマティアス推しだった。



それなのに!私が転生した先は、ヴェロニカ。

あぁ…ハンナに転生していたらどんなによかったんだろう。

ハンナに転生さえしていたら、マティアスと結ばれていたかもしれないのに。

私の婚約者はあのダメ男、ベネディクトだなんて。




「私だってお断りしたいわよ、ハンナ」




そんな風にぶつくさ言いながら、私は婚約者であるベネディクトのいるノルデグレーン城を訪ねた。


 


早々に適当な理由をつけて、婚約破棄してもらいましょう。

実際ベネディクトは浮気ヤローだし、そのことをつつけば、きっと面倒な女だと思って破棄してくれるでしょ。



そんなことを考えながら応接室で紅茶を飲みながら待っていたら、扉をノックする音が聞こえた。

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