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フェルニール襲撃事件編

ヘルメリア帝国 山岳都市ルネモナ


山岳地帯から流れ出る豊かな水から様々な農作物が生まれる地

大地の龍・オリヴィアを祀る像と巨大なストーンヘンジとそこから円形に広がる街並みが特徴である

その都市の路地


「キャッ!!」

「ヒヒヒッ!! ざまぁみやがれ」

大男が女性から宝珠を奪い取る

「誰か!私の魔具<ガイスト>を!!!」

女性が叫ぶ

大男はその外見に似合わぬ速さで逃げ去る

「ヘヘッ 占い魔術師の宝珠か こりゃ高く売れ」

「強盗で金儲けか

その道理は通すわけにはいかないな」

大男の頭上から少年が現れる

「クロハぼっちゃん!

そいつ強盗です!」

「せいっ!」

少年は刀を鞘ごと抜き放つと大男の肩口に振り下ろす

「グアッ」

「俺は騎士の家系だぞ

民のものは騎士のものだ」

大男は膝を付くも少年の刀を振り払う

大男は宝珠をバッグにしまい込むと腰から大剣を抜く

「そいつは魔具<ガイスト>じゃなぇな へへ魔術師じゃねぇとはラッキーだぜ」

大男の大剣が白い輝きを放ち始める

「普通の魔術は使えないが

あんたの理不尽な道理を通さないぐらいは出来るさ

第一 あんたは騎士でも魔術師でもない

ただの強盗だ」

「くたばれ クソガキがァァっ!!!」

大男は大剣を少年の頭めがけて振り下ろす

「白爪一刀 獄爪門燼<ごくそうもんのもえぐい>」

少年が足を石畳にめり込むほど踏ん張ると同時に刀を逆手に構える

少年の刀が大男の大刀を弾き飛ばす

少年の刀が紅き炎のような輝きを放ち

袖の一部が燃えて黒焦げていた

「なっ」

大男が大刀の行方を探そうと上を向いた瞬間

少年は石畳を一部弾けさながら大男の懐に踏み込み

柄で水月に一撃を入れる

大男は崩れ落ちる

「俺は黒鳥騎士団最弱 いい気にならないことだ」

大男はそう言い残すと気絶した


「ありがとう クロハ坊っちゃん」

「坊っちゃんはやめてください

俺は魔術師でもないし、アンブローズ家の血は」

「ふふっ、坊っちゃんは坊っちゃんですよ」

「くーろーーーはーーーー」

女性の声が上空から響き渡る

「マー姉?」

クロハは上を見上げると金髪の女性が上から落ちてきていた

「え?」

ドゴォォォン


「クロハ 助かったわ

霊糸の耐久テストで人間もいけるかなーと思って」

「マー姉 発明品の実験もいい加減に」

「それよりクロハ お使い頼めるかしら?」

「え?」

「フェルナールの金庫に霊典・ミレイドを取ってきてほしいなぁ

なんて」

マリア・アンブローズ

クロハ・アンブローズの義理の姉にして帝国中でも有数の魔創錬金術師として知られている

「マ、マー姉の頼み事なら」

「クロハ 大好き~~」

そして重度のブラコンである


ルネモナ北の山・フェルニール所有銀行 セプテリオ

「と、遠い」

海抜1000ルーメを超える山岳都市からさらに400ルーメ登ったところにセプテリオの横穴がある ※1ルーメ=1m

横穴をしばらく進むと強大な門が姿を表す

しかし門はなぜか剣の切り傷が刻まれており、半開きになっていた

「何だ この傷」

クロハが門に手をかけた瞬間

ゴォォォン

鉄ごしらえの門が崩れ落ちる

「誰だ」

剣をもった男が姿を表す

その足元には

「クロハ坊ちゃん にげて」

門の番人たる巨大な龍・フェルニールが血まみれで横たわっていた

この国では古くから龍と共生を続けており

七星龍 特別な7匹の龍を信仰する宗教を基盤として国家が形成された

魔具<ガイスト>はその七匹の龍から人類に贈られた祝福だとされている

「っ!!」

クロハは刀を抜き放ち飛び掛かる

ガッ!

男は大剣でクロハの太刀を受け止める

「我が名はレレバンス

黒鳥騎士団にして悪龍を討滅せし者」

「そいつは竜殺しの指名手配犯よ

クロハ せめてマリアさんを呼んで

あなた1人じゃ」

フェルナールが立ち上がろうともがく

「マリア姉は大事な発明品の最中だ

ぐっ」

レレバンスの大剣がクロハの太刀を押し込む

「マリア?

マ眼のマリアか?

あれは伝説の存在だ

錬金術に予算が付かなかった馬鹿な学者ドモの陰謀」

「そうかよ」

クロハの太刀がレレバンスの大剣を拮抗する

「なかなかいい力だ

俺と共に騎士にならないか」

「お断りだ!!」

クロハは刀に力を込めてレレバンスを押し飛ばす

「ちっ 1人で分が悪いか な」

レレバンスはニヤリと笑う

すると後ろから黒いフードを纏った複数の男が現れる

「仲間がいたのか」

「レレバンス 回収は終わった

そのガキは」

「敵だ ちょうどいい試し打ちといこうか?」

「貴様は相変わらず派手好きだな

魔具 レイガン 発射!」

黒いフードをまとった男達が手に持った小型の大砲を一斉に発射する

「獄爪門燼<ごくそうもんのもえぐい>」

太刀で砲弾を切り弾き返す

「ここだぁ」

クロハの横に回り込んだレレバンスがクロハを横から切り上げる

「くっ」

ドッッ!!!!

クロハの体が紙のように軽く吹き飛び

壁にめり込む

「おっといけねぇ 刃はこっちだったか

だがこれで体はぐしゃぐしゃに」

「なってねぇよ」

クロハは刀の鞘を杖代わりにして立ち上がる

「貴様 何をした」

「こっちは普段から鍛えてんだよ」

ボタボタと血が流れ落ちる

「ふっ 貴様ら下賤な者に

崇高な騎士の思想がわかってたまるか!!!」

レレバンスがクロハに飛びかかり大剣を振り下ろす

「残念」

大剣が床から突き抜けて出た土の塊に突き刺さる

「誰だ 貴様!!」

次々と床の下から土で出来た槍が飛び出し

レレバンスが飛び下がる

「マー姉?

何で」

「クロハの服には出血すると私の元に知らせが来る仕掛けがしてあるのよ

あとは霊糸の力でバンジージャンプ的な ね?」

「ごめん 全く分からない

ていうかいつの間にそんな仕掛けを」

「7歳の時からよ あれは雨の日だったわ」

「マー姉 長くなりそうなので後で」

「そうね

黒いのは全部私が

クロハは大剣の男を

って クロハ?」

クロハは大剣の男へ斬りかかる

「あんた1人なら俺で十分だ」

「くっ! 

この国を崇高な騎士と神の国にするのだ

あるべき理想へ

そのために俺は負けられん」

「理想のために民を殺すのか

そんな道理は俺が通さない」

「貴様ら下賤の者に理解を求めてはいないっ!!!」

レレバンスが大剣を構える

「これで終わらせる

死んで理想の糧となれ」

大剣が黒く変色していく

「その大剣は魔具<ガイスト>だったのか」

「今更気づいてももう遅いっ!!」

レレバンスが大剣をクロハの脳天めがけて振り下ろす

「俺は魔術は使えないが」

「!!!」

大剣がクロハの頭に迫る刹那の瞬間

クロハの体が深く沈み

「白爪一刀 黒夜爪<くろよのつめ>」

ゴガッ ミシミシミシッ!!!

「えぼっ」

レレバンスの体が右真横に吹き飛ぶ

クロハは太刀を抜き放ち 残心の姿勢を崩していなかった

レレバンスは意識を失い大剣は粉々に砕け散った

「マー姉の方は」

黒いフードの男達は全員地面に突っ伏して倒れていた

「どう お姉ちゃんの手際は?」

えっへんとマリアが胸を張る

「凄いけどやり過ぎじゃないか」

黒いフードの男達は腕に地面から生えた土の棘に貫かれていたり、

足に土の棘が突き刺さっていたりした

「だ だってぇ~」

「だってもこうもありません」



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