おやすみなさい
眠りたいのに
なかなか寝つけないことって
あるよね
これは
そんな時に
あなたを眠りへ誘ってあげたくて
できるだけ退屈に朗読するための
テキストです
スマホアプリの『なろう朗読』で聴いてみてくださいね
朗読スピードが調整できますのでなるべくゆっくりにしてみてください
それでは行きます
まずは
心を落ち着けて
不安になるようなことは
頭から追い出して
楽しいことを考えましょう
あなたの好きな人や
あなたの好きなことのことを
考えましょう
ふふふっ
それを頭に描いておいてね?
それでは
これより
ひつじが柵を飛び越えはじめます
よーい
スタート
ひつじが
いない
ひつじが
来ない
ひつじが
来てくれない
うーん……
……はじまらない
……あ
今……!
ひつじが柵を飛び越えて
ぴょんと飛び越えて
やって来ました!
やっと来ました!
来てくれました!
かわいい
でも
近くで見ると
案外でかいんだよね
意外と顔も怖いんだよね
だめだめ
不安になるようなことは言いません
とにかく
ひつじが一匹
ひつじが
ひつじが
ひつじが続いて来ません
現実はそうはうまくは行きません
でも明日はきっといいことありますよ
根拠はないけど
そう信じましょう
……あっ
続けてひつじさんたちが
やって来てくれました!
ひつじが二匹!
ひつじが三匹!
ひつじが四匹!
いぬが一匹
いぬが……
なんでいぬが?
私むかし
牧羊犬を飼っていましたが
ひつじなんて追わなかったです
でも
これはちゃんと仕事をする牧羊犬なんでしょう
えらいです
えらいえらい
褒めてあげます
あなたはえらい
……で
犬はひつじじゃないので
犬が一匹です
ひつじは……
何匹だったっけ……
忘れたので
一匹目から数え直します
ひつじが
来ない
ひつじが
また来ない
ひつじが
途切れました
考えたら
ひつじである必要はない
こだわるのはやめましょう
砂粒がひとーつ
砂粒がふたーつ
砂粒がみーっつ
ありさんが一匹
砂粒が……
次いくつだったっけ……
あ
ありさんが二匹
ありさんが
3、4、5、6、7,8,9,
10,11,12,13,14,15,16……
速くて
数えきれない
だめですね
やめましょう
集合体恐怖症の人も聴いてるかもしれないし
べつのものを数えましょう
あっ☆★
来た来た★☆♪
べつのものが飛んで来たよ!
さあ数えよう
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが一匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが二匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが三匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが四匹
いくらでも来るよ
来る来る
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが五匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが六匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが七匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが八匹
攻めては来てない
攻めては来てないから安心して
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが九匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが十匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが十一匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが十二匹
友好的だ
友好的だよ
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが十三匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが十四匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが十五匹
アンアイデンティファイドフライングオブジェクトが十六匹
手を差し伸べて来てる
首相と握手してる
だからあなたは安心して寝て
おやすみなさい
☆
★
☆
★
☆
★
うーん
☆
★
ここまでやっても眠れない?
そっか……
えーっとね……
深呼吸
いいらしいよ
八秒ぐらい息を吸い込み続けて
八秒ぐらい息を止めて
ゆっくりそれを吐き出して
はい
やってみよう
息をー
吸ってー
1
2
3
4
5
6
7
8
はい
止めて
1
2
3
4
5
6
7
8
はい
ゆっくり吐きます
ふう~
☆
★
☆
★
すうっと
☆
★
眠くなった?
では
邪魔しないように
とても退屈な話でもしてあげよう
むかしむかし
あるところに
おじいさんと
おばあさんと
むすこと
よめと
まごと
まごむすめと
ねこが
くらしていました
ある日
おじいさんは
山へバードウォッチングに
おばあさんは
川へゴミ捨てに
行きました
むすこは
仕事です
仕事は
役場の職員です
ここはとても田舎なので
役場の職員はゆうめいじんです
ある日
むすこは
職場で
とても綺麗な女の人に出会いました
しかしこんな田舎でそんな綺麗な女の人がいるなら有名になっていて、誰もが知っているはずです。
でもそんな女の人は初めて見ました。
新しく越して来た人なのだろうか?
しかしこんなに若くて綺麗な女の人が何のために、なぜこんな田舎に?
いぶかしく思ったむすこは女の人に聞きました。
「幽霊ですか?」
女の人はにっこり笑って答えました。
「幽霊です」
その笑顔がとても可愛かったので、むすこは全然怖くありませんでした。
「何をしに来られたのですか? こんな田舎に?」
むすこがフレンドリーに聞くと、女の人は照れ臭そうに答えました。
「私、田舎に対するあこがれがあって……。住んでみたいって思ってたんです。でも、若いうちに住むようなところじゃないって、親からも彼氏からも反対にあって。でも、自動車事故で死んじゃって。で、死んでるからもうあとはスローライフ、いいんじゃね? って思って……。だから、住民登録お願いします」
そして女の人は
田舎になじみ
地域の人たちとも仲良くなり
幸せな余生を送りました
というお話
でした
怪談でもないし
おとぎ話でもなくてごめんなさい
でも
こういう退屈なお話って
ほんわかして
眠りを誘いますよね?
えっ?
まだ眠れてないんですか?
仕方がない
奥の手を使いましょう
催眠術!
あなたは眠くなーーーーる! とかいうやつ
これをお聞きなさい
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ふふふ……
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!
>>>>>>>>>>>>>>>゜〕∋
あはは
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どう????
寝た????
とりあえず
聴いてみよう
えいっ!
ばしっ!