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1 豚公爵になりました

٩(ˊᗜˋ*)وLet's exercise!

乙女ゲーム『クリアメモリー』というゲームが存在した。よくある主人公が攻略対象の王子やその側近と仲良くなって邪魔する悪役令嬢にざまぁして幸せになるというストーリーなのだが………さて、ではその後悪役令嬢はどうなるのか。答えは単純でそして陰湿。


豚公爵と呼ばれるデブと無理矢理結婚させられるのだ。恋に敗れ、断罪される展開とどっちがいいとは一概には言えないが……生理的に無理な相手に抱かれる方が嫌な人は多いだろう。


さて、では何故こんな話をしたのかといえば………


「マジかよ………」


鏡の前で思わずショックを受けている俺。鏡に映るのは見慣れたキモヲタフェイス………ではなく、体中に余分な脂肪のついたデブだった。うん、まあ、要するに先程説明した豚公爵に転生してしまったようだ。


では何故転生したのかといえば……よくある交通事故転生とか通り魔に刺されたとかではなく、学校の屋上で悪ふざけで突き落とされて死んだようだ。まあ、恥を承知で言えばいじめだ。


前世はいじめで殺されて、今世は罰ゲーム要因とかなかなか泣けてくるが………まあ、でも1番不幸なのはこんなデブとくっ付けられる悪役令嬢だよね。


「えっと、悪役令嬢が婚約破棄されるのがあと5年後だから……それまでにダイエットくらいはしておくか」


腹と二の腕の贅肉が地味に心地よく感じるが………まあ、でも折角推しキャラとくっ付けるなら少しはマシにならないとね。自分の好きな人と結ばれない悪役令嬢の方をなんとかしてあげたいが……他人がどうこうできるものでもないし、俺に出来るのはその時に彼女が少しでも幸せになれる選択肢を用意することくらいしかないよね。


うん、まあ、悪役令嬢推しですよ。ええ。店頭でパッケージに写ってた悪役令嬢が可愛くて恥ずかしい思いを我慢して乙女ゲームを買ったのは記憶に新しい。


「とはいえ、せめて攻略対象が良かったなぁ……豚公爵じゃ、本当に終わった後にしか介入出来ないし」


あと、この豚公爵って呼び方俺は地味に好きだったりする。豚と聞けば皆、蔑みの代名詞みたいにするけど、綺麗好きで頭のいい動物が豚なのだ。ググるといいよ。昔、骨太で太ってた頃に恩師の先生に教えて貰ったことだけどね。


「まあ、とりあえず頑張ってみるとしますか」


こうして俺の豚公爵としての人生が始まるのだった。まあ、徒労に終わるとしても、努力はきっとどこかで支えてくれると思うしね。前世はそれはなかったけど………今世はそうであって欲しいものだ。





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