6話 防具屋で武器を買う(つもりだった)
ポトフって美味しい
俺は今、危機に直面していた。なぜなら...
「道に迷ったー」
「ピュー」
このゲームは、自分でマッピングするか、マップを買わないといけないのだ。
このゲーム、マップめちゃくちゃ広いんだよな。
どこかに情報屋でもな
「おーい。そこのおにーさーん。マップいりませんかー」
「いります...」
そんなこと言ってたら、情報屋に声かけられた。他の人が笑っている。
「じゃあ、マップ買いまーす」
「ほい、60G」
くっ。さっきの稼ぎが...
「買います...」
「まいどありーと言うか、そんな格好で大丈夫?すぐやられるよ」
ぐさっ
「獣魔もスライムだし...」
ぐさっぐさっ
「初めてあった人にデリカシーないな...」
「ほほう。初めてと」
「どっかであったことあったか?」
あったとすればリアルでだが...
と言うか、今店建ててるって言うことは、βテスターじゃないとほぼ無理だよな。
「ちなみに私の友達に白と桜っていう字が好きな人がいるんだけど」
「あ、」
「他にも、初期ボーナスは装備じゃなくて、スキルに振りそうな人でねー」
「...」
「あと、獣魔がスライムだったら、逆にそのまま続けようとする人が...」
「咲良か」
「ピンポーン。今はサクラだけどね」
やっぱり咲良か。このゲーム、容姿もリアルと似ているからな。
「でももし違ったら、めんどくさいから、確認するよー」
「確認?」
「ーーー風が語りかけます」
「うまい。うますぎる」
『ポトフ!』
「うん!やっぱりゆうくんだね」
「まあ、ポトフは美味しいからな」
ちなみに、ゆうくんは、自分のあだ名である。そして今の流れを思い切り流していくスタイル。
「というか、β版プレイしていたのか?」
「うん!よくわかったねー」
「そりゃ、この時点で、店開いているって、結構すごいからな」
ちなみに俺は、βテストはやっていない。
俺たちの場合、裏ルートで手に入れているからな。
「そういや、他の人たちはどのくらいやっているんだ?」
「おっと、私は情報屋だよ?」
「でたな学校の情報通。そんくらいいだろ」
「ダメー」
「ケチー」
このまま、言い合いになる前にさっさと行くか。
「じゃ、さいならー」
「ちょ、ちょっと待ってよーせめてフレンドぐらい...」
「フレンド?ああ、いいよ」
フレンドは、登録すると、いろいろ利点があるからな。
ピコン
サクラさんから、フレンド申請を受けました。
受けますか?
イエス、と念じる。
これで、フレンドになっているはずだ。
見てみると、フレンド欄に、サクラ、と追加されていた。
「んじゃ、またなー」
「お買い上げありがとうございましたーってそうだ!なんで声かけたのか忘れてた!ちょっと待って〜」
「まだなんかあるの?」
というか、話しかけたの道に迷っているように見えたからじゃないのか?
「そのスライム、どこで手に入れたの?」
「スララのことか?これは、初期ボーナスで手に入れたモンスだよ」
「そんなスライム、いたかな?」
「へ?」
話を聞いてみると、通常のスライムは、青いそうだ。
確かに、スララはミニグラトニースライムだし、赤いしな。
俺がそういうと、
「グラトニー!?それ、めちゃくちゃやばいよ?」
「なぜに」
「七大罪スキル、暴食スキルを手に入れられるモンスターだよ!?」
「まじか。さすがレア種」
よし、これでスライム最強のフラグがたった。
「これ、進化したら情報教えてよ!」
「情報って売れるのか?」
「ぎくっ」
「情報教えたら、お金もらえるよな?」
「あ、はい」
よし、じゃあ、レベリングに行こう。
「じゃ、行ってくるわ」
「行ってらっしゃーい」
というわけで、やっと防具屋に行ったのだ。
防具屋の人「やっときたか」
白桜さん「?」
防具屋の人「なんでもない」