4話 訓練
こうして、俺たちは訓練場に戻っていった。
ていうか、これ誰に渡せばいいんだろう?あ、書いてあった。ごつい人...ってなんだとそれ。
多分、ギルドの人はその人が嫌いだったんだろう。
とりあえず中に入るか。
ギルドカードを見せたら、すんなり入れてくれた。
中には...あ、いた。ごつい人。
「すいませーん。ギルドのクエストで来ました。」
「おう。お前がか。助かる!最近この依頼を受ける人が少なくてな。物資が不足してたんだよ」
「へえ。そうなんですか。」
こういうところもリアルなのか。すごいな。
「ところでこの中身ってなんなんですか?」
「知りたいか?」
「し、知りたいです」
「これは、動く的だ!」
「おお!」
動く的もあるのか。これは便利だな。
「なんなら、使ってみるか?」
「いいんですか!ありがとうございます!」
「お前さんは荷物を運んでくれたしな」
普通は料金がかかるらしい。まあ、当たり前だが。
〜〜〜
「というわけで、スララ、いくぞ!」
「ピュイー!」
「というかまず、なんのスキルを使うか...」
「ピュ〜...... ピュ!」
「おわっ!?」
スララが急に光り始めた。この状況で使えるスキルといえば...
「ピュイー」
「おお!やっぱり巨大化か。結構でかいな。」
「お、巨大化か。珍しいな。」
そう、ごつい人...ゴツラさんがいった。
「珍しいのですか?」
「スライムで、持っているのは珍しくないんだが...お前さんのスライム、1レベルだろう?普通もっと進化した状態で手に入るんだが」
「運が良かったんですかね」
なるほど。これがエクストラスキルか。
さて次は...
「よし、吸収だ!」
「ピュ〜」
「あ!ちょ、まて」
ゴツラさんがゆうのも間に合わずに、スララが、動く的を吸収してしまった。
「あ〜吸収しちまったか。」
「あ、やべ」
「まあ、吸収するのは別にいいんだが、このまとは誤飲防止のために」
「ピュ!...ピュ?ピュ!ビュ〜」
「ものすごくまずいんだ」
「なるほど。というか、吸収のスキルに影響あるのか。というかどんなスキルなんだ」
スララのステータスを見てみる。
お、レベルが上がっている。これだけでレベルアップなのか。最初だけか。
スキルは...お、擬態に動くまとが追加されている。
って、異常状態に衰弱ってある。どんだけまずいんだよ。
「ピューーー」
「...」
「ピューーーーーー」
「......」
「ピューーーーーーーーーーーー」
「ああもうわかったから!すまん。今度なんか買ってやるから」
「ピュ!」
「なんでそこで元気になるんだよ」
くそ。なぜこんなところまで再現されているのか。
「あ、そうだ。擬態って使ってくれないか」
「ピュ!」
なんか、スララの体が変化していく。おおこれはまさしく
「動くまとだ!」
「おお!」
ゴツラさんも驚いている。
「ここまで再現できるスライムは見たことねえな。ていうか、吸収してると、正確に再現できるのか」
「他のものにも擬態できるのかな」
「試してみるか」
そういうと、ゴツラさんは、倉庫の方に行って、何かを持ってきた。
「これは?」
「モンスターの素材だ」
「これが」
確かに、モンスターを吸収したら、どうなるんだろう。でも...
「そんなもの、もらってもいいんですか?」
「そんなもんいいさ!ずっと使われなかったものだしな。それに...俺もなんか気になるしな!」
「は、はは」
個人的な意見が入っているし。にしても、なんで他の人は、これ試さなかったんだろう?
「よし。じゃあこれを吸収時てくれ」
「ピュー」
ぱくっ
その日の選択を、俺は一生後悔した。なぜなら...
「ピュ⁉︎ビュ、ビュ〜」
魔物の素材はものすごくまずいらしい。
ピコン
個体名:スララは、味覚軽減Lv1を、手に入れました。