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禁忌世界のアンダーハート  作者: 透坂雨音
幻想時空のガーディアン
8/8

第3話



 包み隠さず有栖に全ての事情を話した円が、眠って起きた時。

 円は洞窟の奥にある、以前有栖がとじこめられていた牢屋の中に入れられていた。


「え、ちょ……なにこれ。有栖?」


 恨まれた。

 そう思った円は、背中だけを向ける有栖に事の理由を問いかけた。


 だが。


「雪が命をかけて私を守ってくれたように、私も命をかけて誰かを守りたい。現状を受け入れて怯えててても、何も変わらない。戦おうとするあんたの重荷にはなりたくなかったし、だから私も戦う事にしたわ。さようなら、円」

「待って、有栖。どこに行くつもり!?」


 振り向く事のない有栖は円に背を向けたままその場からどんどん遠ざかっていく。


「あんたの仲間を探してくる、駄目でも減らして見せるからしばらくここで待ってなさい」

「待ってよ、有栖! ねえってば! あんたまであたしの前からいなくなっちゃうの!?」


 円の見送った有栖は二度と洞窟にはかえってこなかった。


 さび付いていた牢屋は、元から壊れていたようだた。

 注意深く探せばあっけなく開く場所があった。


 外に出た円は、人一人いない荒野をさ迷う。


 賑やかだった日常の欠片もない光景は、円達がいかに遠くへ来てしまったのかをよく思い知らせるものだった。


 三日三晩歩き続けた円は、とうとう誰にも会わずに力尽きた。


 血を流すような赤い夕日の中で彼女は思う。


 もし、

 もしも次があったのなら、


 今度は皆を守れるくらいの力を手に入れたい、と。

 大切な人達を、仲間達を守れるほどの強い力を。


『円、何そんなところで寝てるんだ。さっさと起きろ』

『円さんがいないと困ります。皆できょーりょくしてがんばらなくっちゃー』

『ん、期待してるよ円。君の力を役立ててほしい』


 幻想の彼方に思い描く優しい光景の中。

 頼もしき守護兵の夢を見ながら、円の意識は途切れていった。



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