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帰路

バズが来てくれる事を了承してくれた。

これで安心して出発出来る……


「行く前にちょっと準備してぇし、挨拶しときてぇんだ。

良いか?」


「構わないぞ、俺も仲間を呼びに行って来るから、村の入口で待ってるぞ」


「すまねぇな、じゃあ行ってくらぁ」


バズはそう言うと、勢いよく走り去って行った……

俺も村に向かい、ライラとフューリーと合流して一緒に入口で待つ。


しばらくすると、バズとロロともう1人名を知らない男が付いて来ていた。


「待たせたなぁ、ちょっと一緒に連れて行きてぇやつがいてさ。

説得して来たんだ」


「全く無茶言うぜ、急に一緒に来いとか言いやがって……」


「どぉせここには待ってる人すら居ねぇんだ。

急だろうと、どぉってこたぁねぇだろ?」


「うっさい……ま、お前が居ないと寂しいからな。

一緒に行ってやるってんだ」


「ダグおじさん、父ちゃんを頼んだよ。

変な事しないようにしっかり見張っててね」


「任せときな……ロロに心配掛ける様な事はさせないからよ」


「ロロ…逆だろ!

俺が見張ってなきゃ……」


「すまない……ついていけない。

まずは彼を紹介してくれ」


「すまねぇ……ついついな。

コイツはダグって言ってな、俺の相棒だ。

今まで、コイツと一緒に色んな物を造ってきたが、全部コイツがいたから出来たってぇもんだ。

つまりは、欠かせない存在ってぇ事だ」


「自己紹介が遅れてすまないな。

俺はダグ、バズの相方を長年やってきた仲だ。

急遽行く事になってすまないが、俺もよろしくお願いする」


「来てもらえる人数が増えるのは助かる。

こちらこそよろしく」


急に連れが1人増えたが問題ない。

むしろ心強いとすら思える……


「それと連れの2人を紹介しておくな。

ダークエルフのライラと、えぇと……フューリーだ」


ライラの紹介は良いが、フューリーの紹介で考えてしまった。

魔獣のフューリーなんて紹介するのはなんだか……


「ライラと申します。

バズさん、ダグさんこの度は我々に協力頂きありがとうございます。

よろしくお願い致します」


「フューリーよ。

細かい説明は省くけど、あなた達と同じでジンに協力している者よ。

よろしくね」


「えらいベッピンさんだなぁ……ジンさんもこんな2人が連れなんて隅におけねぇなぁ」


「いやいや……自己紹介は以上で終わりとして、それじゃあ出発しようか……ここで立ち止まってたら今日泊まる所に着くのが夜になってしまう」


「そうだな、じゃあよろしく頼む。

ロロ、行って来るぞ……親父の言う事をしっかり聞いとけよ」


「父ちゃんより仲良いから大丈夫だって、それよりも体に気を付けて……」



「そりゃあ父ちゃんのセリフだ!

まぁ、頑張ってくっからな……じゃあな」


「うん……行ってらっしゃい」


皆で手を振り出発していく……ロロのずっと後ろでザガさんがお辞儀していたのが見えて、そっと一礼して前を向き歩き出した……




―――――――――――――――――――――――――――――――




初日の目的地である、ウィリアム様の自宅に着いたのは夕方だった。

食料は持ってきていたので、夕食はそれを食べようとしたのだが、家の方から「客人はしっかりもてなす様にウィリアム様から仰せつかってますので」ち言われ、ちゃっかり頂いた。


移動で疲れたのか、皆に休むと伝えて床についた。

バズとダグはこれから少し飲んで寝るとか言ってたけど、朝早くから出発を予定してたから大丈夫か不安にはなった。


翌朝いつも通り起きると、既にフューリーとライラは起きており準備に取りかかっていた。

俺があんまりにも早く寝たから、皆も早く休んだのだろうか……


起きて来ていないバズとダグを迎えに行くと、ワインのボトルを片手に机で寝ていた。

そっと揺さぶって起こそうとするが、なかなか起きなかった。

仕方ないと言って、荷物を乗せていた台車の上にスペースを確保し、2人を乗せて馬で引きながら出発して行った。


昼くらいになり、昼食の為に馬を止めるとようやく2人が起き上がった。


2人は昼食中ずっと申し訳ないと謝ってきていたが、特に気にする事でもなかったから、大丈夫だと言った。


昼食後再び移動を続ける。

今日はどこかで1泊野宿する事になるが、フューリーがいるので魔獣に襲われる心配が少ないのが助かる。

だけど、来る時と違い荷物を乗せている為、少し進むスピードも遅い。

魔獣の心配はしなくても良いが、これから戦争に向けての準備をしなければいけない事を考えると、少しでも早く着きたかった……


夕方まで移動して、明るいうちに泊まる所を造る。

ライラと俺の魔法で人数分の部屋を造った宿が完成した。


中で夕食を作ろうとすると、バズとダグが任せてくれと言ってきたので、任せてみる事にした。

火起こし手伝おうとすると、バズはニヤニヤしながら火魔法を簡単に出してみせた。

バズは火属性の精霊と契約しているらしく、火を使った物はあらかた得意だと自慢していた。


そうこうしている間に、バズ達の料理が完成する。

見た目はあまり良くはなかったが味はバツグンで、皆でガッついてしまった……


翌朝は他の皆とバズもダグも一緒に起きてきた。

昨日の失態を繰り返さない為に飲まなかったらしい……

皆が早く集まった為、早朝から全員で移動を開始する。

今日中にはたどり着けるだろうと思いながら、移動していく……


移動中に異変を感じる……どうやらフューリーも感じていたらしく、顔を見合わせた。

周囲に気配を感じるが、音もしない……だけど確実に何かがいる。



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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