表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/213

装備品

ドワーフ達に今後の意向を決めていく。

これから起こるかもしれないを、まずは伝える……村人の皆は昨日の喜びから一転し気を落としている。


「現状は理解してもらった様だな。

それで、これから話し合うのは対策についてだ」


「落胆しているばっかりでは始まらんぞ、わしらは彼等に助けられ自由をもらった訳じゃが、2度と侵害させてはならんと思う。

しかし、ワシらには戦力と言える程の人数や武力はないんじゃ……」


「それでだ、この村から遠くない場所に移動しないか?

そこには少しづつだが戦力も整いつつある」


「ワシはその提案を受け入れようと思う……それ以外、ここの皆を守れる策が思いつかんのでの」


「ダークエルフの領土で、私の住まいがここから近い場所にある。

そこであれば土地も余っておるし、十分な食料も整えられる」


「ウィリアム殿の所へ行こうではないか。

自由と尊厳を守るにはそれしかないのじゃ」


ウィリアム様とザガの言葉を村人全員が聞いている……だが、皆は不安の色が隠せない……


「時間は十分にある筈だから、ゆっくり決めてもらってよいぞ。

生まれ育った土地を離れる不安もあろうし……」


人間達にバレるまではしばらく時間の猶予はある。

報告がなく何かあったのかと疑われるにしても、ここから人間の領土まで距離はある。

逆で向こうから確認しに来ても、そいつらを倒してしまえば更に時間が稼げる。


「何か意見のある者はおるか?」


皆は色々と考えている様子だった……


「私達はしばらくはこの村に居ようと思う。

それまでに聞きたい事があればいつでも相談してくれ」


「では終わりにするぞ……今日は皆集まってくれてありがとう。

これにて解散じゃ」


集会を終えて、ウィリアム様がこっちに向かって来る。


「辛い選択だろうな……」


「ですが、2度とここに帰って来れない訳じゃありません」


「そうだけど……戦争なんて起きなければ良かったのに。

そしたらこんな問題も起こらないのにね……」


「そうだな……一刻も早く戻ってもらえる様に、戦争を終結させないとイカンな」


「そうですね。

その為に俺は召還されたんだから、尽力しますよ」


「期待しておるよ。

じゃあ、ジン殿は明日にこの村を経って連絡してくれ」


「はい、出来るだけ早く行って来ますね。

それと、ウィリアム様のお住いに人員も派遣する様に伝えますよ」


「頼んだぞ……」


明日の夕方には、俺とライラとフューリーが城へと向かう。

ウィリアム様とタニアとメロはここに残り、ドワーフ達を守ったり相談役になったりする事になった。


全員がいい加減帰らないのも迷惑かけてしまうし、誰も残らないのは無責任過ぎると言う事で、二チームに別れて行動すると話し合いの中で決まった。


話しをいている最中にザガがこちらにやって来て、俺を呼び出された。


ザガと複数のドワーフ達と一緒に工房へと向かった。


「すいませんね夜分に、今日の朝に話していた件なんじゃが」


「もしかして出来たとか?」


「そうです。

要望通りに出来ているか確認して欲しいんです」


頼んだ装備は2つ……まずひとつは


「まずはマントだな……」


ドラゴン素材のマントだ……前面まで覆えるサイズで造ってもらった。

一緒に肩当ても造ってもらい、それにマントを付けてある。

全部をドラゴンの素材で造ってもらっている……重さはそこそこあるが、防御力は段違いだ。


「着けてみても良いかな?」


「どうぞ、あなたの為に造ったんですから」


肩当てと一緒にマントを羽織る。

ただ軽いだけのマントだから、移動した時に邪魔にならずに動きやすい。

簡単に背中に回す事も出来る為、攻撃の際は全く阻害せずに動ける。


「良いな、満足だよ。

表面のドラゴンの鱗もいい感じだよ」


「ありがとうございます。

では次は武器ですな」


手渡されたのは、ドラゴンの牙を取り付けた片手で使えるパイルバンカーだ。

腕に装着して爆破魔法を使って打ち出す様なシステムに仕上げてもらっている。


「言われた様に出来上がっているか不安なんですが……」


「いや、見た目は十分かな。

試し打ちしたいんだけど、何かあるか?」


「昔造った盾ならば……」


「それで大丈夫だよ。

木にくくり付けて試してみよう」


木に盾を付けて、パイルバンカーを当てて魔法を充填していく。

爆破魔法が充填終わったら、腕力を強化して衝撃に備える。


「じゃあ、やってみるから離れてくれ」


ザガが離れたのを確認すると、一気に打ち出す。

爆音と共に牙が打ち出される……すると、盾が打ち出された場所を中心に破裂していった。

威力は上場だが、腕にかなりの衝撃が残る……腕輪の効力が無ければ、まともに打ち出す事すらできないだろう。


「ありがとうな、これで十分だよ。

後は使い込んでみないと解らないだろうから、何かあったらその時にまた相談するよ」


「いやはや、恐ろしい武器ですな……

言われた通りに造っただけですが、こんな物になるとは思ってみなかったですぞ」


「実際に俺も使った事はないけど、理屈だけは解っていたから伝えれたんだ。

威力は俺も驚いてはいるさ……」


これで近接戦闘での武器が出来た。

今まで武器を使っての戦闘がショーテルだけで困っていたから、少し楽になるだろう……


「2つとも満足の仕上がりだ。

本当にありがとう」


「いえいえ、何かあったらすぐに申し付けて下さいな」


「もう一つお願いがあったんだけど良いかな?」


「なんでしょうか?」


「ダークエルフの部隊で技術部隊を作るんだけど、それを手伝ってくれる人を探しているんだ。

誰か心当たりはいないかな?」


「そうですか……それならこの装備品を造った本人がよろしいかもしれませんな」


「それは助かる。

色々とこれについても相談出来るし」


「それならば村で確認しましょう。

では、村へと行きましょう」


すんなりと話しが決まれば嬉しいな……

ザガと一緒に工房を後にした。



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ