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彼女の事情

初の投稿作品です。

皆様に楽しんで頂ければ幸いです。


今回もよろしくお願い致します。

だけど、ダークエルフの召喚魔法使った理由は種の存続の為って…

戦争が起こればたくさんの命が失われるだろうけど、種族ごと滅ぼそうなんて…


自分が住んでいた世界での戦争なんて、新聞やテレビの中でしか知らない他人事なんだよなぁ

そんな事が今から目の前で起ろうとしていて、自分からその歯車に入ろうとしてんだから正気の沙汰ではないな。

だけど、帰る為には回避出来ない問題だし…



まぁこれからくつろげる時間は少ないだろうから、ライトを待っている間だけでもゆっくりしておこう。



そうしたところでドアがノックされる



ライトが帰ってくるにはまだ早いだろうに、誰だろう?



入室の許可の返事をすると、この城のメイドさんらしき人が一礼をして入って来た。



そういえばお茶を出してくれるって話しで、まだ持って来てもらってなかったな…



メイドさんが入って来た後ろにもう1人誰かいる…



その人物は先程一緒に歩いて来た令嬢のリレイだった。

メイドがテーブルにお茶を2つ置いてそっと後ろに下がる

それと入れ違いにリレイがテーブルに近付き話し掛けてきた。



「この度の召喚で大変ご迷惑をお掛けしましたっ」


勢いよく頭を下げて謝られる。

見た目のイメージとは違い、意外と活発な娘なんだろうか?



「いえ、お気になさらないで下さい。

誰もが状況次第では藁にもすがる思いで、誰かに助けを求めるでしょう。

ただ、私が勇者でなかった事はこちらも申し訳なかったと思っていますし、おあいこですかね?」



空気が重たくなるのを嫌い、笑顔で冗談を言った。

元々彼女だけに責任がある事ではないし

誰かの所為にするのは自分が死ぬ時か、無事に条件をクリア出来た時だろう…



「お気遣いありがとうございます。

私達の所為でこんな情勢の中に置かれてしまって

お詫びしなければと思っていたのです」



「貴女が気に病む必要はありませんよ。

それより立ち話もなんなので掛けてお話ししましょう」



せっかく持って来てもらったお茶も冷えるのも申し訳ないし

待ち時間はまだあるだろうからゆっくりティータイムが出来るだろう

1人で飲むより2人での方が楽しいしな


失礼しますね、と一言の後にリレイが椅子に掛ける。



お茶に手をかけ口元に持って来る

お茶というよりハーブティーに近い感じかな?

花の良い香りが鼻を通り抜けた。


口に含み喉を潤す。

美味いな、この花の香りといい心が安らぐよ…

カップを皿に戻しリレイと会話を始める



「このお茶は美味しですね。凄く安らぎます」



「そうですよね。

私も小さい頃から好きで、よく頂いてました。

花の香りも好きで心が落ち着くんです」



「その感じ解りますね。私の世界にも似たような飲み物がありまして、毎日飲んでいますよ」



家で寝る前には紅茶やハーブティーを嫁と飲む習慣があり、毎日違う味を飲んで楽しんでいた。

紅茶が好きだという事もあるが、嫁が下戸で晩酌の習慣がなかったので、別の楽しみ方をしていたという訳だった

とはいってもティーパックの安いやつだったんだけどね



「それは是非飲んでみたいものですね」


リレイは目を輝かせてこちらを見ていた。

簡単に行き来出来れば持って来てあげれるんだけど無理だろうな…



「事が片付いて、方法があれば絶対持って来ますよ。

ところでリレイさんは何故あんな危険な所にいらっしゃったのですか?」



「それはですね…私が召喚魔法を使用した本人だからなんです。

私の力が足りずに、ジンさんを巻き込んでしまったんです。

謝りに来た本当の理由はそれなんです」


彼女が召喚魔法を使ったっていう事は、魔法使いとしてはかなりの使い手って事か…



「先程申した通り、リレイさんが気に病む事はありませんよ。

貴女は種族の代表で事を行ったまでで、誰かが召喚魔法を使う事は間違いなかったでしょうから。

ただ、お気持ちは受け取っておきます」



「お言葉ありがとうございます。

ジンさんお優しいんですね。

怒られたらどうしようかと思ってましたから」



「あら、そんな性格悪そうに見えました?

見た目から優しさ溢れる人間だと自分では思っていたんですが」


笑いながら冗談を言ってみる

彼女の柔らかな雰囲気がそうさせたのだろう。



「そ、そんな風には思っていませんって

からかわないで下さいよ〜」


娘がいたらこんな感じかなぁ〜

家は男の子ばっかりだったから、こんな娘が居てくれたら最高だったろうなぁ…


「これはすいませんでしたね。

ついつい悪ふざけが過ぎましたね」


話してみると、出会った時とだいぶ印象が違って思えた。

見た目の気品のある感じと、話した時の柔らかな感じ、このギャップは男は堪らんだろう…


領主もさぞかし心配だろうな。



「ところでジンさんはおいくつでいらっしゃるんですか?

私達ダークエルフは人間族の方と接触を避けてきたので、年齢などが全く解らないんです」



「そういえばライトさんからそこら辺は聞きましたよ。

私は今42歳になりますね」



「42歳っておっしゃいました!?

私も42歳なんです!!」


娘とか想像していたのに同い年なんて…

そういえば漫画の世界でもエルフは長寿とかだった気がする。

この世界でも同じなんだな

てか、若さの面でだいぶショックなんだけどな…



「ダークエルフって平均的な寿命っていくつくらいなんですか?」



「160歳位ですかね〜?

もっと長生きされる方もいるみたいですが、

大体その位です。

でも、同い年だったなんてビックリです。

なんか嬉しいですね♪」


人間の倍位の寿命なんだな…

嬉しいどころか、立ち直れないくらいの衝撃に打ちのめされていますよ…

ただあの嬉しそうな顔をされるとどんどんダメージが…

会社でも見た目より若いって言われて喜んでたのに、上には上がってやつだな…


雰囲気を壊したくなかったので一生懸命微笑みを返した。


じゃあ、ライトっていくつなんだ?

……聞かないでおこう、今度こそ立ち直れなくなる



お読み頂きありがとうございます。


誤字等で読みにくい所がありましたらお申し付け下さい。


次回もよろしくお願い致します。

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