表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/213

奪還作戦2

フューリーが先に下へと降りて確認してくれる。

周囲の警戒をしながら待っていると、下からフューリーが戻って来た。


「どうだった?」


「見える限りでも50人位は居るわね……

3人で倒そうと思ったら骨が折れるわよ」


「見つからないようにコツコツ1人ずつ倒していけば、そんなに問題もないんじゃないか、なぁタニア」


「そうですね。私の得意分野でもありますから」


「アンタらは気楽で良いわね……解ったわ。

私も変化しながら倒していくわ」


「じゃあ、そうと決まったら1人ずつ分担して倒していくぞ」


一人頭約16人……なんとかなる数字だろう。

ただしフューリーが確認出来た人数だから、もっと多い可能性はある。


「左右の端からをフューリーとタニアで頼む、真ん中は俺が行くから」


『頼むぞブラッド』


『忠告は出来るが、気をつけるのはお前さん自身だからな』


『解ってるって』


『僕はどうしようか?』


『タニアに付いて行ってくれないか?

魔力探知が出来る人物ではなさそうだしな』


『解ったよ〜』


「タニアには俺の精霊を付けるから、何かあったら助けを求めてくれ。

色々と役に立ってくれると思う」


「……ねぇ私は?

私には何にもないのかしら?」


「フューリーは変化があるじゃないか、それを使えば気付かれずに倒せるだろ」


「そうなんだけどね……いいわよ…やってやるわよ」


「頼んだぞ、俺らの中で1番速く移動出来るのはお前なんだからな。

じゃあ、作戦開始だ……2人共、奥で会おう……」


3人とも静かに走り出した……


魔力探知を全開にして移動する。

すると、近くに反応が……人数は2人だ。

2人がいるであろう場所を建物から少し顔を出し確認すると、何やら話し込んでいる。

チャンスと思い一気に接近し、背後からショーテルで2人を串刺しにする。

声をあげられるとマズい為、頭を突き刺した。


工房の奥へと向かうと人員が増える。

一気に全滅させるのは不可能だろう……1人ずつ倒しても騒ぎになるし、さっきみたいな手は使えない。


倒す人間は5人……最低狙撃で2人を倒して、残りを接近して倒す事にした。

水魔法を発動しその場で圧縮、銃の弾丸の様に2人を狙う。

狙いが定まった後、2つ同時に頭部を目掛けて発射する……2人の側頭部に命中し、糸の切れた人形の様に倒れていく。


それに気が付いた1人に向かって急接近し、風魔法で喉を切る。

近くにいる残り2人はまだ背を向けていた。

その2人に向かって水魔法の狙撃で頭部を狙い撃つ……見事にヒットしなんとか倒し終えた。


死体を闇魔法で収納し奥へと向かうと、するとそこには大きな工場があった。

入り口に見張りが2人だが、それ以上に周囲に監視が複数存在している。

無闇に突っ込めば見付かってしまう、残りの2人を待つしかないのか…


しばらく様子を覗っていると、魔力探知で反応していた人間が1人ずつ減っていく……2人が周りを倒し終えてこちらに向かって来ているんだろう。


視覚に入る人間の魔力が消え去った後、水魔法で狙撃する。

2人に命中して倒れていく……地面に落ちた時の音を立てないように、近付いて闇魔法で収納した。


周囲から襲撃していた2人がこっちにやって来る。


「こっちは終わったわよ。

これから奥の人間も倒し終わったわ」


「こっちも終わりました。

後はこの工房の中だけですね」


「お疲れさん、結局俺が1番楽をしたのかもしれないな……」


『そうだねご主人、こっちはいっぱい居たよ。

手早くタニアさんが片付けてしまったけどね』


「まぁ……残るは中だけだけど、フューリー…中の確認を頼めるか?」


「良いわよ。

ちょっと待ってなさい……」


再び変化して中の様子を堂々と行う。

少しして確認が終わったのか、こちらへと歩いて来た。


「お待たせ…中の様子なんだけど、ドワーフが殆どで人間は15人位かしら。

だけど、奥に3人いるやつは強そうね。

特に図体のデカいやつはそこそこの腕前よ」


「15人か……一気に制圧するにはドワーフ達に協力してもらわないと厳しいな。

戦っている間に人質とか言って捕まっても困るしな……」


そう言えばさっき倒したやつの鎧を来て中に入れば、見つからないかな?


「フューリーは変化出来るからよしとして、俺とタニアは人間が来ていた鎧を来て中に入る。

そして、ドワーフ達に外に向かう様に指示して残りの人間を掃討するってのはどうだ?」


「あんまり悠長にもしてられないでしょうから、それでいきましょう。

まだ外に人間がいたら、中に入って来て異常に気付かれてしまいますから」


急いで鎧を取り出し装着する。

自然に工場の中へと入って行く……

中のドワーフ達にそっと、子供達の無事と助けに来た事を告げながら中を移動する。


大体のドワーフ達に伝え終わった後に、1番奥の3人の前へと立つ。


「なんだキサマ、何か用か?

用がなければ、しっかりとドワーフ達を監視せぬか」


「用ですか……ありますよ。

さっさと死んで下さい……」


「何を言っているのだ……」


喋ろうとした瞬間に飛び出して、ハイキックを放つ。

見事に首へと入り、首の骨が砕ける音と共に吹き飛んで行った。


「ようやく思いっ切り戦える……」


後方では他の兵士達が次々と殺されていく。

タニアとフューリーが遠慮なしに倒しているのだ。


「なんだキサマは……」


ようやく現状を把握し、剣に手を回そうとしている。

だが遅い……剣に手が届く前に回し蹴りを頭へとヒットさせ、地面に頭を埋めた。


「さてと…後はアンタ1人みたいだけど、ここで何をしているのか話してくれないかな?」


タニアとフューリーは後の十数人を倒し終えて、既にこちらへと来ていた。


「キサマみたいな輩に話す事があるとでも思うのか?」


「そうだな……話してくれても、ただの延命措置だけどな。

話してくれた方が楽に死ねるかもよ」


男はようやく椅子から立ち上がる。

余裕なんだろうか、自分の実力にそれほど自信があるのだろう……


「ジン殿、ここは私に任せてくれませんか?」


「大丈夫か?」


「このくらいの相手なら、全く問題ありません」


男に話が聞こえたらしく、気に触れたのか切りかかって来た。


俺とタニアは一瞬でその場から回避し、タニアは男と面と向かって立ち合った。


「何が問題ないだ……問題だらけだろぉが」


男は力任せに剣を振り回す。

タニアは余裕で回避を続けていく……男の体長は2m程あり、リーチはかなりのものだ。

言うだけあって、剣の切り返しのスピードもなかなかのものだ。


俺は巻き込まれないように、もう少し距離を置く事にした。

さてと、ゆっくり観戦させてもらうかな……




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ