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探索

ドワーフ村の中を静かに歩き、一軒一軒家の中を確認していく。

しかし、どこの家のドアを開けても中は誰も居ないし、争った様な形跡も見当たらない。


「神隠しにでもあった様な状態よね……」


「俺も近い事を思っていた……争った形跡もないから……だけど、食卓なんかも片付けてあるのを見ると、忽然と居なくなった訳ではなさそうだぞ」


家の中はどこも広いと言った印象はなく、普通の六畳間の2LDKと言った感じか……


調べて行くが何の発見もないまま時間だけが経過していく……

奥に進むと、他とは家の規模が明らかに大きい家がある。

もしかして、村長の家って事かな……


2人でここを調べて何もなければ帰ろうと言って中に入る。

外から感じた通りやはり中は広く他の家とは違い、色んな飾り物が沢山置いてある。


『ジン……』


『どうしたんだブラッド?』


『ずっと魔力探知で他の家も見てきたんだが、この家の中には誰かいるぞ。

魔力自体は大きくないし心配する程でもないが、お前さん自身で魔力探知を使って見つけるが早いだろう』


『助かる。じゃあ早速やってみるな』


魔力探知を使い家の中を調べてみると、確かに奥の部屋の方から魔力を感じる。

ブラッドが言っていた通りに魔力は小さく、なんとか解るぐらいだった。


「フューリー、この家の中には何かがいるみたいだ。

この部屋の奥に魔力を感じている」


「解った…気をつけるとするわ」


魔力を感じる方へと続く扉を開けて中に入る。

入った部屋は物置のようだった……何やら骨董品などが沢山並べてある。

魔力探知を使って反応するのはこの部屋の床下になる場所だ。

どこかに床下への入り口でもあるのか?

入り口を探す為に、フューリーに耳打ちして入り口を探す様に伝える。



しばらく中を調べ回ったが入り口は見つからず、困り果ててしまう。


どこかに絶対入り口がある筈なんだが……

2人で探して見つからないなら、もう一人協力を頼む事にする。


『ショウ、起きてるか?』


『なーにご主人?』


『下へと行く場所を探しているんだけど見つからないんだ。

手伝ってくれないか?』


『いいよ〜、探し物なら任せてよ』


ショウの了解もとれたので召喚し、一緒に部屋を探し回る。


「精霊とも契約していたんだね」


「ちょっとした成り行き上ね。

でも、お陰で色々と助かっているんだ」


ショウには本当に色々と助けてもらっている。

しかも、ほとんど成果をあげてくれているから信頼も厚い。


『ご主人、この部屋以外を見てきてもいい~?』


『良いぞ、何かあったらすぐに教えるんだぞ』


そう言うと部屋から出て行き、他の部屋を探しに行った。


「反応する場所は床下なんだけど、意外と距離があるのかもしれないな……」


「どういう事?」


「いや、探知で反応する場所が俺の立っている場所の真下なんだけど、少し距離がある様に感じるんだ」


「この村自体が地中を掘って造ってある様だから、おかしくはないと思うわ。

それなら、入り口はこの部屋じゃなくて違う場所から階段でとも考えられるわね」


そう話していた時に、ショウから言葉が届く。


『ご主人、ちょっとこっち来て〜』


『解ったすぐ行く』


ショウの魔力をたどって、フューリーと一緒に移動する。


『ご主人ここ見てくれないかな?』


追ってきた場所は台所だ。

ショウが指をさしている場所をみると、僅かだが床に何かを擦った跡がある。

擦った先は壁の中に向かっていて、ここの可能性が高いと思われた。


『ショウ、よく見つけてくれたな』


『床を見て回っていたんだ〜。

でも、どうやって入るんだろうね?』


『確かにな……入り口らしいけど、どこにも開ける場所が見当たらないな……』


「また行き詰まったな……」


「そうね……それじゃあこの壁壊したら?」


大胆な発想で……壊すのは造作もないだろうけど。

時間も無いしそれが確かに手っ取り早いかな?


「そうするか……じゃあ壊すぞ」


腕輪の力を使い脚力を強化、思いっ切り蹴りで壊そうとした瞬間…


『待ってご主人!』


ショウが壊すのを止めた。

前蹴りを止める為に、足を後方に振った……その勢いまで殺す事が出来なかった為、顔面を壁へと打ち付けてしまった……


『いたたた……どうしたショウ?』


『開ける方法解ったかも、ここのロウソク見てよ。

他は使用されているのに、これだけ使用された形跡がないんだ。

上から見ると、ホコリが乗っているのにだよ』


確かにここだけ使用されていない、確かに怪しいかもしれないから、壊す前に調べておくとするか。


『解った。じゃあちょっとイジってみるな』


ロウソクを触ってみると、蝋で出来ていない事が解った。

確かにこれが本命かもしれないな……


ロウソクを握り、押したり引いたりしてみるが変化はない……

どうすれば良いんだ?


「前後の動かないのなら、横には動かないの?」


フューリーからの提案だ。

言われた通りに左右に動かしてみると、ロウソクがレバーの様な形で倒れる。

手間暇のかかったギミックで事で……


壁が開いているのを見ていたら、5回程壁が移動した。

思っていた威力の蹴りだったら開かなかったろう……


壁が開き終わり、下への階段が見えた。

これでやっと行ける。


待ち受けているものは魔力量から見ても大した強さでもないから問題ないだろう……



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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