表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/213

変化

しばらく待った後フューリーから呼ばれ、護衛してくれる魔獣を連れて来てくれた。

連れて来てくれた魔獣はリザードマンで、見た目のイカツさとは裏腹にフューリーが話している間はしっかりと姿勢を正して聞いている。


「……シロマデノアンナイト、ゴエイハカレガキッチリトヤッテクレル」


「じゃあ、お願いな。

それと皆さんも疲れてるかもしれないけど、気を付けて」


「はい、ありがとうございます。

何から何までしていただいて本当にありがとうございました」


「気にしまなくてもいいですよ。

それでは俺らは行きます。しばらくしたら城にも戻るので、またその時にですね」


「はい、それでは……

あっ、名前を言い忘れていました。私はアーチと言います。

ではまた城でお会いしましょう」


アーチは深々とお辞儀をいてくれていた。


生きてくれていて良かったし、彼等ならしっかりと戦力になってくれるだろう……




―――――――――――――――――――――――――――――――




ウィリアム様の元へと向かう途中に、同行する事になったフューリーを皆へ紹介してあげた。


「ジン……すっごく気になるんだけど、どういう経緯で一緒に行く事になったの?

戦闘の最中だったから全く解らなかったから……」


ライラからの当然の疑問だ……

経緯を説明しようとした瞬間に、フューリーが話しを始める。


「……ウマイコトイイクルメラレタノヨ…」


「おいおい、人聞きの悪い事言うなよ。

目的が一緒だからお互いを利用しようって言ったんじゃないか」


「……ケツロントシテハソウネ……デモ、アナタハゼッタイヒカナカッタデショウ?

サイゴニイッタエンガナイナンテ、ワタシノタイドヲミヨウトシタンデショウ」


あらら……バレてた。

上手く駆け引きしたつもりだったんだけど、完全にフューリーの方が上手だったみたいだ。


「……そうだ。

けど、命を無駄にさせたくなかったし、途中で言ったのは駆け引きでもなんでもなく本心だ」


「ソレガワカッタカライッショニイクコトニシタノヨ……

トモヲタスケルノニジュウブン、シンヨウトジツリョクヲモッタジンブツダトオモッタカラ……」


「なるほどね、大体の経緯は解ったけど……」


「他に何かあるのか?」


「そうね、一番は姿かな……

契約した魔獣を連れているのならまだ理解してもらえるけど、そうでなければ怪しまれるわ」


確かにそうだな……魔獣を町や城へと連れていくわけには行かないし……全く考えてなかったな。


「……ワタシナラモンダイナイワヨ」


「いやいや、外で待たせたりなんかいけないだろ……」


「アラ、ソトデナンカマタナイワヨ……」


すると、一瞬にして人の姿に変わっていた。


「これで良いんじゃない?」


「姿が変わったぞ、しかも話し方まで!」


「そうね、私は元々変化を得意としているの。

話し方だって、魔獣の口は人の言葉を話す形状をしていないから大変なのよ」


「そうなんだ……」


もう何を突っ込んでいいのやら……しかもまぁえらくスタイルのいい事で


「この女性に変化したのは、何か元があるのか?」


「……言いたくないかな、それよりもジンはこの格好が好みなの?」


「いやいや、そういう訳でなく……」


「へぇ……そうなんだ……」


「ライラ誤解だ!!そんな事一言も言ってないだろ!」


全力の言い訳……必死で言い訳するだけ、誤解は解けないもので……


「……私だって」


「2人は恋仲なのね、茶化し甲斐があるわね」


「なにかフューリーさん楽しそうだね〜」


「フューリーもメロも乗っかってくんなって……

もういいや、早くウィリアム様のところに向かおう……」


これ以上の抵抗は止め、諦めて戻る事にした。

ウィリアム様を待たせ過ぎるのも悪い、それに時間が掛かり過ぎると日も落ちてしまう。


4人でウィリアム様の元へと急ぐ、流石に人の姿では走りにくかった様で、魔獣の姿に戻り走っていた。




―――――――――――――――――――――――――――――――




ようやくウィリアム様のところにたどり着いた。

フューリーは人の姿で挨拶を交わすと、ウィリアム様は鼻の穴を膨らませて凝視している。


そっとウィリアム様に怒られますよと伝えると、咳払いをし姿勢を正し自己紹介をしてくれた。



今までの経緯を俺とライラで話し、フューリーの事を説明したんだが解ってもらえずに元の姿へ戻ってもらい自分の目で確認してもらった。


一通り説明も終わると、日が落ちるまでに時間も少なくなってしまい、急いでウィリアム様の住まいへと向かう。


移動を始めて小一時間程で先頭のライラがが馬を止める。


「城と同じでウィリアム様の城には結界が張ってあって見えませんが、ここで間違いありませんよね?」


「間違いないぞ、この木の間を通れば我が城だ」


馬から降りて皆で木の間を通って行く。

結界の中に入ると、少しこじんまりした城が目に入った。

大きさはさほどではないが、装飾が煌びやかで目を引く。

金額だけだったら絶対にこっちの方がかかってるだろう……


「さあ、中に入れ。

色々とあって疲れただろうから、早めに食事にしてゆっくり休もう」


「ありがとうございます。ではお言葉に甘えさせて頂きます」


使用人が皆の馬を引き取り、城の中へと入った。


なぜか、ちょっと移動しただけで色んな事に巻き込まれてしまう。

とりあえずはウィリアム様が言った通りに今日は休もう……

明日は何もなく、無事にドワーフのところまで行けたらいいな……






今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ