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経緯

「とりあえず、お前らがが襲っていた人の無事を確認して来ていいか?

俺らは元々アイツらを助けに来たんだ」


「……コロシハシテナイワ…ソレニ、アイツラヲオイコンデジョウホウヲキキダスヨテイダッタカラネ……」


「解った。じゃあ一旦行って見てくる。ちょっと待っててくれ」


フューリーから離れて、魔獣の集団がいる場所へと足を運ぶ。

魔獣は真ん中開けてくれた為、その間をすんなりと移動出来た。


通り抜けてた後、十数人のダークエルフ達の姿が確認出来た。大きな負傷をしている者も見当たらず、一安心だ。


「無事か?」


「さっきから魔獣達と戦ってくれたのは君か?

君はダークエルフではないようだな……」


「そうだな、俺はここで言う人間族で間違いないだろう」


「なぜ人間がこの土地にいるのだ?

今は戦争中だと聞いた。それなら、あなたは戦いに来たのか?」


「それは私からお話しします」


後方で戦っていたライラ達が追いついてきた。魔獣も戦闘を止めたのでこちらに向かって来たのだろう。


それから、ライラから召還された事などの経緯を話してくれた。

彼らは理解してくれたようで、俺に対する警戒を解いてくれたみたいだった。


「助けて頂いて失礼な態度ですいませんでした」


「現状が現状だけに、正常な判断をされたんでしょう。

仕方ない事だと思いますので、謝る必要はありません」


「お心遣いありがとうございます」


「ところで、どうしてこういった事になったんです?」


「私達は軍の再編の為に城で人員を募集していると聞きまして、皆で城へと向かっていたのです。

その道中で、1匹の狼型の魔獣と戦闘になりました。

相手は強く、全員で戦って互角だったのですが、気付いた時には回りを囲まれていたのです」


「その狼はどんな色をしていました?」


「色ですか?確か全体が黒で、胸元は白かったと思います。

どうかしたんですか?」


「いや、ちょっと探しているワーウルフがいまして、もしかしたらと思ったんですが違いましたね。

話しを止めてすいません。続きをお願いします」


「はい、それでなんとか包囲を突破する事が出来、戦闘を行いながら逃げていったのですが金色の狐型の魔獣が現れて、疲弊して戦えなくなる事を避ける為に、この場所で最終的に戦闘を行っていたのです」


「そして、俺達が現れたって訳ですね……皆さんが無事で良かった」


「本当に助けて頂きありがとうございます。

我らは国の助けにもならずに、ここで朽ち果ててしまうと思い始めていましたから」


「それで、城で試験を受けに行かれる予定だったんですよね?」


「……はい、しかし今から行っても遅いでしょう。我々は村へと帰ろうかと思います」


「遅い事はないですよ。今から行かれて、リュードと言う男を訪ねて下さい。

事情を説明すれば、理解してくれる筈です。もしも、どうもならなくなった場合はここにいるライラか、俺の名前を出してくれればなんとかなります」


「彼の名前はジンって言うんだけど、今回の軍の再編や試験の事は彼が発端で起きてる事なの。

だから、全然問題ないと思うわ」


「そんな方に、あんな失礼な態度を……本当にすいませんでした」


「いやいや、ただ助言しただけですよ。そんなに偉いもんでもありませんし……

とりあえず、城に向かってみて下さい。あなた達を歓迎してくれると思います。

それと、少し待っててもらえませんか?」


その場を離れフューリーの元へと向かう。


「すまないが、ひとつ頼まれてくれないか?」


「……サッソクネ、ナニヲタノムトイウノ?」


「お前らが襲っていたダークエルフ達がいるだろう、そいつらが城に着くまで護衛を頼めないか?

もちろんお前じゃなくて、ここで戦っていない魔獣が良いだろう」


「……ソウネ…シンヨウノオケルナカマニタノマナイト、アンゼンナンテカクホデキナイワ……スコシジカンヲチョウダイ……」


「あぁ、助かる。もう一度どこかで襲われる事になったら大事だからな……頼める相手なんてフューリー以外にいないからな」


「……マジュウニタノミゴトスルニンゲンナンテキイタコトナイワ」


「人間のいう事を聞いてくれる魔獣もな」


「……フフッ…ソウネ、デモシッカリトリヨウハサセテモラウワヨ」


「もちろんだ。その為の関係なんだからな。

とりあえずは、仲間にお前の事を紹介するのは後にするから、まずは護衛を頼む」


「……ワカッタワ、ジャアジュンビガトトノッタラオシエルカラ」


さっきまで戦っていた時とは全く違う態度に表情だ。こっちの顔が本当なんだろう、戦いなんか好んでいないんだ。

仲間想いで、穏やかな性格なんだろうな。出来れば無事に友人を助けさせてやりたいと思う……


フューリーとの会話を終え、ライラ達の元へと向かう。


「ジン……あの魔獣と何していたの?

会話している様に見えたけど……」


「ちょっと頼み事をしてたんだ。この人達の護衛を頼むってね」


「魔獣と会話!?ジンって魔獣と話せるの?」


「違う違う、話せるのは魔獣の方だ。彼女は人の言葉を話すことが出来るからね」


「魔獣が人の言葉を話せるの?」


「そうみたいっていうか話してる。後で紹介するからその時にな。

それで、皆さんは少し待っていてくれませんか?

これから城まで無事にたどり着ける様に護衛を依頼しましたから」


「魔獣の護衛ですか……大丈夫なんでしょうか?」


「安心して良いと思います。ヤツも信用出来る魔獣に頼むって言ってましたし、私を信用してもらえれば助かります」


「解りました。では、待つことにします。少し不安はありますけど……」


さっきまで戦っていた魔獣と一緒に城に向かうなんて難しいだろうけど、無事に着いてもらう為に使えるものは使わないとな……


フューリーが呼ぶまでの間、しばらくその場で待つことなった。





今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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