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試験終了

城へと戻り、今回の内容をリュードに話す。彼なら魔獣化も見た事あるし、監視を行う人員を適正に選ぶ事が出来ると思ったからだ。


「……なるほど、敵の魔獣化実験は完了していたと言う訳ですか……」


「だと思います。ただ現状で何時それを行われたのは特定出来てないんですよ」


「それが何か問題でも?」


「もし、囲まれた時に行われていたのであれば、あの2人のどちらかが行ったというのが濃厚ですが、そうでなければ……」


「他に潜り込んでいる、もしくは内通者が他にいるという事になると?」


「そう思います。その可能性がある以上、まだまだ注意が必要という事です」


「ですな……それでは監視を行う段取りを組んでおきましょう。

それと、内容はウィリアム様と国王に伝えて、更なる警戒を行う様に手配しておきます」


「では、よろしくお願い致します」


リュードとの会話を終わらせ部屋を後にする。

食事をとっていなかった為、食堂に寄り簡単に食事を済ませて部屋に戻った。




部屋に戻り、ブラッドと魔獣化について話しをしていると、ドアがノックされる。

入室許可の返事をするとライラが入ってきた。


「遅くにごめんなさい」


「いや、大丈夫だ。どうかしたか?」


「今日言ってた話しがどうなったか心配だったから……」


一通り今までの出来事は話した。


「そうなの……ジンっていつも危険に巻き込まれるね。でも、これから大変ね。魔獣化の心配をしないといけないなんて」


「防ぐ為の手立てを考えないといけないが、そうそう良い案が出るもんでもないしな……」


「一旦は皆で話し合いしましょう、1人で考えるよりは皆で考えた方が良いと思うわ」


「そうだな、とりあえずは後日話し合うとするか」


「それとね、ひとつ相談なんだけど」


「なんだ?」


「とりあえず、明日の試験が終わって、選定が終了したら行きたいところがあるの」


「行きたいところ?すぐに行ける所なのか?」


「まずは王の許可がいるけどね。日数的には結構かかるかもしれないね、私も行った事はないから正確に解らないけど」


「行った事がない所って……何かの用事があって行くんだろ?」


「そうね、ちょっと前にアースドラゴン倒したよね。その時に闇魔法の中に入れたんだけど、未だにそのまんまなの」


「確か、防具なんかにすれば良いって言ってたな」


「そうなの、それで加工技術としてはダークエルフは未熟なところで、それが出来る人達に頼みたいの」


「もしかしてドワーフなのか?」


「良く知ってるわね、その通りよ。ドワーフの領土に行って武器防具に加工してもらいたいの」


確かに防具なんてまともなの着たことなかったから、それは欲しいかも……それに技術部隊を作る上で良い経験になると思うから、是非とも行ってみたい。


「それって俺も行けるかな……」


「大丈夫だと思うよ。私からも王に頼んでおくから」


「上手いこと頼むよ。でも、場所はどこに居るか解ってないんだろ?」


「それは大丈夫。ダークエルフ領から少し行った山間にあるって情報は聞いてるし、行った事がある人に正確な場所を問い合わせておくから」


「じゃあ、事が進んだら教えてくれると助かる」


とりあえずドワーフの領土へと出発の段取りは、もう少し話しがまとまってからだな……

その後、ライラと二人きりで久しぶりに長く話した。ライラは幸せそうな表情を浮かべていた。




―――――――――――――――――――――――――――――――




翌朝もいつもの日課から始まる。少しづつだがライトの動きと反応が速くなってきている。

魔力探知も上達しているのか俺をしっかりと追い掛けてくる。毎日の訓練の賜物だろうな……


朝練を終えると、ブランの様態を確認しにいく。

昨日は何も連絡が無かったという事は、悪化したりはしていなかったのだろう。


医務室へとたどり着くと、アリとサリが先に来て様態を確認していた。


「アリ、サリおはよう」


「「おはようございまーーーす」」


「様態の方はどうだ?」


「うんとね……」


ブランの方に近付きながら、姿を確認すると……


「元に戻ったよーーーー。一安心だね〜」


昨日の魔獣状態が元に戻り、ダークエルフの姿になっている。アリの頑張りのお陰か……


「良かった。後は意識が戻るのを待つだけか」


「そだね。昨日の様な魔力が不安定な流れをする事もなさそうだから心配ないかも」


「ありがとうな。お前がいなかったらどうなってた事か……本当に助かったよ」


「えへへ…褒められちゃった」


「それだけの事をしてくれたんだ。こいつが起きたら、しっかりと恩着せとかないとな。

じゃあ、様態も確認出来たし面接室へ向かうとするか。お前らも、もう行くだろ?」


「「そだねー行こーーーー」」


「じゃあ、もう少し監視を頼む。何かあったらすぐに報告をくれ」


監視は2人体制でやっていた。1人に何かあっても、逃げて報告出来る様にだろう。


俺達は監視兵にそう告げると医務室から出て行った。



面接室の前でケインが待っていた。彼も報告する事があるのだろう


「ジンさん、おはようございます」


「あぁ、おはよう。昨日は尋問で大変だったろ?」


「そんな事はないですよ。ジンさんの方が大変な目に合ったと聞きましたよ」


「確かにな……それで、尋問の結果はどうだった?」


「教団からの依頼で来ていた様です。戦争以降の策略は教団側が指示している様ですね。

死霊使いに、今回の内乱の為の2人はその様でした。ただ、魔獣化の事は何も聞いていない様子でした。

レインの魔法で確認していますから間違いありません」


「そうか、じゃあ最低でも後1人は潜り込んでいるんだろう。

他に情報は聞き出せたか?」


「残念ながら昨日では聞き出せませんでしたが、引き続き今日も行う予定です」


「頼んだ。少しでも有益な情報を吐かせてくれ」


「かしこまりました。では、今日の仕事が終わったらすぐにでも尋問再開します。

それでは後程ですね」


ケインとも別れ、今日の面接の準備を開始する。


今日で試験も終了だ。各部隊が決まり、今度はそれぞれの部隊の訓練に注力していく。

後は技術部隊だな……日程はまだ決まっていなかったが、それも近々行われる予定だ。

それまでにドワーフ領に行ければいいな……


これからの事を考えながら、今日の試験は終了していった。



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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