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一般応募試験

早朝に目を覚まし、昨日まで兵士達の試験会場だった修練場で日課にした魔力探知の練習を開始する。

ライトも起きて来て練習を手伝ってくれている。練習開始して数日だが大分感覚も掴め、ライトのスピードにも慣れてきた。


「もう私の速さなら完璧に対応出来ているみたいですね」


「毎日練習に付き合ってくれているからな、お陰で修得出来たよ」


「それでですね、私も完璧に魔力探知の修得をしたいんです。先日ケインさんに負けてしまって、自分の実力不足を実感しました。

このままでは部隊長としてやっていく自信がないのです……」


ケインとの立ち合いで善戦したとはいえ、最後には圧倒的な力の差をみせられた……現実、他に強い相手が存在している中で、隊長としての存在意義を考えているんだろう。


「俺も付き合ってもらってるんだ。それくらいは構わない」


「ありがとうございます。しかし、魔法纏いでしたか…あれに対処する為の体も作り上げないと厳しいですね」


「もしかして再戦を申し込む予定なのか?」


「はい、近くに目標が出来たんです。まずはそれを乗り越えないとですね」


「なら次は絶対勝たないといけないな。短い練習時間だけど頑張るか」


お互いの強化の為、朝の時間を優位意義に使っていった。




―――――――――――――――――――――――――――――――




練習も終わり、朝食を済ませて会場の方がどうなっているかを確認しに行く、千人弱の人数が押し寄せる今日……手伝う当事者として見ておきたかった。


城の外へ出て見に行くと、新設した壁の外にずらりと人が並ぶ。開始時間は午前中の内とは言ってあるが、これは受付が終わらないんじゃないか?

兵士総出で対応すると言っていたが、列はまだまだ続いている。


「凄い人数ですね……この人数を査定していくとなるとゾッとします」


後ろから話し掛けてきたのはケインだった。早めに中に入って準備しようとしていた様で、試験用の面接書類を運んでいた。


「おはよう、確かにゾッとする……終わるまでに何日掛かるんだろうな」


「しかも、それから選定すると考えると……」


「考えるの止めよう。やらなきゃ終わらないんだし、最初の段階で悩んでも無駄だ。行動あるのみ」


「ですね。頑張りましょう、面接書類は先に運んでおきます。それと、手伝いが必要ならうちの人員を出しますよ」


「助かる。だけど、協力しているとはいえ俺達人間が敵という認識はあるだろうから、試験の間は俺達2人以外はあまり出歩かない方が良いかもしれない」


「確かにそうですね。気を付ける様に言っておきます。では後ほど」


ケインは裏から試験会場へと入って行った。俺もそろそろ準備しないといけないだろうから、中へと入る事にした。




―――――――――――――――――――――――――――――――




中で待っているが、やっぱり予定時間には始まらない……受付け人数が多過ぎて処理出来ない様だった。

入口で書類に名前と出身地と得意な戦闘方法を書いて進んで、国王が挨拶した後に試験開始の予定だが、まだまだ後続が続いている。


「ウィリアム様、とりあえず中に入れてしまって挨拶を先にしませんか?挨拶が終わってしまってから、受付けが終わってないものは随時していくって事で」


「そうだな、そうじゃないと始められんようだ。全員に通達するように手配しよう。リュード、ライト、ライラ頼めるか?」


3人が頷いて動いた。これで少し潤滑に進んでくれるだろう……



しばらくして会場いっぱいに人が集まる。

受付けの場所から人がいなくなったのを確認し、国王の挨拶が始まった。


「皆の者、よく集まってくれた。国家の危機にこれだけの人が集まる事を嬉しく思う。

時間が押しているようだから挨拶は短くさせて頂くが、皆の健闘を祈る。

先の説明はウィリアムから行われるゆえ、私はここで失礼する」


「変わって説明させてもらうウィリアムだ。私の顔を知っている者もたくさんいるだろうから、自身の説明は省かせて頂く。

今回は国家を守る為に、新設部隊を設立する事になった。そこで、戦力強化と人員確保を目的として皆に協力をしてもらう。

そして、新設部隊の配属先を決める為に、ここに並んでいる者達が査定を行う。

時間もない故、手短に紹介させてもらう。

私の横に立つのが現2番隊隊長のリュード、その横が魔族領から応援に来てもらったサンドラ様、次に現3番隊隊長のライト、次に遊撃隊のライラ、現1番隊のアリとサリ、そして、先の戦争で危機を救ってくれたジン殿とケイン殿だ。そして私ウィリアムの参加する。

以上が査定を行う人員となる。人数が人数だけに1日では終わらないだろうから、宿泊施設を新設してある。

自宅に帰るかそこに泊まるかは自由だ。また査定結果には数日かかるだろうから、帰りたい者は受付けに申告してくれ。結果は追って知らせる。

それでは以上が今回の内容である。何かあれば受付けに相談してくれ、都度対応させてもらう。

ではこれより試験を開始する。国王も言ったが健闘を祈っている」


挨拶も終わり、会場の皆が移動を開始する。

さてさて、今から本番開始だ。どんな面子が出てくるのか楽しみもあるな。

自分のところに来るまでは少し時間があるから、ケインにもう一度詳しい内容と留意点を確認し、ミスの無いように万全の状態にしておこう…


しかし、ウィリアム様の挨拶の途中にいくつか殺気を感じたが、それは俺かケインに向けて放たれたものだろう。

実際、人間による被害は少なからずあった筈だから当然だろうけど。

面接の時に何事も起きない事を祈る。



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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