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試験開始

ゴースト襲撃から無事に生還したリレイは帰り着くなりウィリアムを叱りつけている。今日起こった事の鬱憤をここぞとばかりに周囲を気にせず、次々と文句を発していた。


「リレイすまなかったって、そろそろ勘弁してくれよ。これからは絶対言う事を聞くから」


どっちが親だか……あれだけ会議の場を掌握出来る前国王も娘には弱かった様だ。


「いいえ、今回は絶対許しません。サンドラ様の言う事すら聞かずに出て行って……約束してるんだからしっかりしてよ」


「すまなかった……しかしジン殿、本当に助かった」


「いえ、自分も心配だったのでリレイさんを無事に救出出来て良かったです」


「救出と言う事は何かあったようだね」


隠す必要もないから、ゴースト襲撃とサンドラ様が言った死霊使いの話しを伝えた。


「死霊使いね……人間に使い手がいたとは」


「珍しいんですか?元の世界にはいませんが、話しの中では聞く単語なので、どういった者かは解りますけど」


あくまで本の世界やゲームの中だけど、それについての知識はある。この世界で珍しいかどうかの基準は解らないけど


「そうだね、今まで存在していたのも数えるぐらいしか知らないかな。それに禁術として扱われている魔法だから、使い方も知れ渡ってないし」


「禁術ですか、確かに死んだ人を操作する魔法なんて、世に出回っていい魔法じゃないですね」


「そう言う事で使い手なんていない方がいい魔法なのさ」


「妾もそう思うわ」


サンドラ様が帰って来ていたみたいで声を掛けてきた。

1人で現れたって事は死霊使いを捕まえられなかったのか、もしくは連れて来れないぐらいの状態にしてしまったのか……


「サンドラ様お帰りなさい。死霊使いはどうなりました?」


「逃げられたわ……ゴーストが撃退され始めた時点で逃亡し始めていたみたいね。追っている途中に数体の死者と戦闘になったし、能力も高いみたいで遠隔操作出来る距離はかなりあるみたいね」


「そうですか、厄介なのが相手にいますね……とりあえずは警戒しなければいけませんね」


「サンドラおばさんから逃げれるなんて大したものだ。感心している場合ではないが、立て直しが急務だと言う事だな」


選定試験は明後日、選定してそれから兵士の強化……時間はまだまだ掛かるが、相手は待ってくれなさそうだ。

いつどう仕掛けられてもおかしくない状態で準備をしなければならない。それに、城だけが狙われる訳ではないだろうから、各地の領土の警戒も怠れない。

そう言えば領土がどうなっているか聞いた事なかったな。誰かに聞いておくか……


明日の予定は現在のところないが、先に今残っている兵士達の選定を行ってみてはどうだろう。

一般公募で行う選定までに時間はまだあるから良いんじゃないかな?


「ウィリアム様、明後日に一般公募の選定を行いますけど、今いる兵士達の選定を明日行ってみてはどうでしょう?

既に戦闘技術のある人達だから、明後日の練習にもなりますし」


「良い考えだが、明日っていうと兵士に伝言する為の時間も少ないし、全員を召集するのは厳しいかもしれんぞ」


「全員でなくても、少しでも出来ればいいと思います。時間は限られていますし、出来るだけ有効に使えれば良いかなと」


「解った。では、私から通達する様に伝えておこう。ところで、試験の募集人数が現段階で結構な人数なんだが、選定試験を行う場所が城の中では厳しいと言っていたがどうする?」


「え、何人くらい募集があっているんですか?」


「聞いてる話では300人位だったが、締切が明日と考えるともう少し来るのかもな。まぁ弟が気合いを入れて応募を募らせたみたいだったからな。町単位の人数が明後日には駆け寄るよ」


人数まで想像していなかったが、ダークエルフって何人いるんだ?その内の300人の比率って……解らないけど城じゃあ無理か。

今までの軍の人数が大体同じ位だと思うから、大体倍になるのか。となると外で行うしかないし、どこでやるかか……


「人数が増えるなら妾が外を皿地にして来ようか?そこでやればいいし、宿舎なんかはその後建てればよかろう」


一般人では一日も掛けずに行う事は不可能だろうけど、サンドラ様が言うと現実味があるな。


「サンドラおばさんなら問題ないだろうし、頼むとしよう。ジン殿もそれで良いかな?」


「問題ありません。サンドラ様お願い致します」


「では、私は弟達に伝えてくる。明日の準備はこっちで整えておくから、明後日の準備は頼んだよ」


そう言ってウィリアム様は立ち去って行き、サンドラ様も自分の部屋へと戻って行った。

残された俺とリレイも戻って休む事にした。


しかし、色々と問題が出てくるもんだ。都度都度考える事ばっかりで悩ましい毎日。そろそろゆっくり休みたいよ……




―――――――――――――――――――――――――――――――




翌朝、ウィリアム様の働きで、ほぼ全員と言っていい程の兵士が集まった。兵士達が試験を受けている間は魔族軍の兵士が代わりをやってくれるという。サンドラ様がそこら辺は手配してくれたみたいだった。


選定を行うメンバーも集まったが、サンドラ様は外の会場を作ってくるとの事だったので後で参加するそうだ。代わりにリレイが魔法使い部隊の選定を行ってくれるとの事で、この場に急遽招集されていた。


ウィリアム様が集まった兵士達に試験の順序を説明して、最初の試験を開始する。

選定を行う為の査定として、1〜5までの段階で評価していく。要するに昔の通知表みたいなものだ。

評価が良い方が5で、下が1となっている。評価する人が厳しい人物が多いから、なかなか5は出ないかもしれないな……


剣技の試験が開始される。2人1組で剣のみの戦闘を行う、大体5組づつで時間を決めて行っている。

俺も一緒に見ているが選定者のウィリアム様の顔は厳しい……ウィリアム様の実力は解らないが、自分から名乗り出るだけあって腕は立つのだろう。


とりあえず試験は選定者の方々に任せて、俺はサンドラ様のところへ手伝いに行く事にした。

向こうが終わったら見れるし、サンドラ様が1人でやる様な言い方だったけど、手伝わないのは気が引ける。


会場の城を後にし、サンドラ様の手伝いに向かった。



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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