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魔力をたどりショウの元へと向かうが、逆方向に移動していた為に遠い……しかも、何度声を掛けても返答がない。


しばらく進み近づいてきた。向かっている先は見た事のある風景……そうだ。戦果の1番激しかった前線が衝突した場所だった。


もう少しだ。近づいて行くとその場の空気に違和感を覚える。空気がやけに冷たい……何故かに気付くまでに時間はかからなかった。

ショウがいるのを目視出来たが、その回りに白いモヤみたいなのがたくさん浮いていて、ショウに接近している。

そして、その後方にはリレイの姿も確認出来た。2人は魔法を使って白いモヤを攻撃している。ショウが呼び掛けに応じれなかったのは、魔法で攻撃していたからか……現状無事ではあるが、何事なんだ?

ショウとリレイの間に着陸すると、ショウがない涙目でこっちを見ている。


「リレイ、ようやく見つけたけど何事だ?」


「ジン…なの?姿が違うから驚いちゃった。それより助けて、ゴーストが大量に発生してしまって手に負えない」


ゴーストって事は幽霊?まだ日は落ちていないのになんでこんな時間に?


「なんでゴーストがこんなにもいるんだ?」


「多分この人達は、この前の戦争で亡くなった人間よ。私の姿を見るなり襲いかかってきたの」


ダークエルフを見るなり攻撃って、まだ戦争やってるつもりなのか?

でも、この前死体を撤去した際の報告で、そんな噂なんか聞いてないぞ……


「とりあえずは、この状況をどうにかしないとマズいな……倒してしまおう」


とは言ったものの、どうやって倒すんだ?ゲームの中では魔法が有効だって話しだけど、魔法を当てていても倒せてないし……死神になって斬〇刀が要りますか?


「どうやって倒すんだ?さっきから魔法でも倒せてないけど」


「弱点は光魔法で攻撃する事なんだけど、私の得意属性じゃないから初級の魔法で対応してるけど無理みたい」


どうしようか……光魔法なんて俺も使った事ないし


『コイツらを倒すなら剣に魔力を帯びさせて、その魔力で斬ればいいぞ。思考を止める為に頭を潰せれば消えてなくなるし』


流石ブラッド、博識で頼りになります。


『魔力で頭を潰せばいいんだな?やってみる』


魔法剣の要領でショーテルに魔力を流す。これで、頭を潰せば……

ブラッドの言う通りに頭を斬ると、倒れて動きが止まる。これが正解か、この調子で全部倒すぞ。


『ブラッド、融合の時間はまだ大丈夫か?』


『まだ大丈夫だ。だが、さっさと終わらせろ。もしもの事を考えてな』


『ショウ下がれ 、後は俺がやるから』


『ありがとう、僕は少し休ませてもらうから後はお願い』


ショウが俺の中に入って来て、直前まで迫っていたゴースト達を倒していく。

融合と脚力強化、それに魔力探知を行いながら凄まじいスピードで殲滅させる。時間に限りがある以上、のんびりしている訳にはいかない。それにリレイも疲れてきているから早く終わらせないと……




―――――――――――――――――――――――――――――――




10分程でようやく殲滅させる事が出来た。支障があるといけないから、すぐに融合を解いた。


「リレイ大丈夫か?」


「うん、大丈夫かな……来てくれなかったらダメだったかも……」


リレイはその場に座りこんでしまった。

よっぽど追い込まれていたんだな、確かに大量のゴーストに囲まれて、目前まで迫っていたし……ショウを捜索に出していて助かった。


「遅くなってすまなかった。でも、怪我もなくて良かった」


「妖精さんが後ろを援護してくれたお陰でね。後でお礼言わなくちゃ」


「あぁ、今は疲れてるみたいだから、後で呼び出してお礼言ってくれれば喜ぶよ。しかし、なんで今になってゴーストがこんなに発生したんだろう……」


ゴーストって人が死ねばすぐに発生するのか?イメージとしては死んですぐじゃなくて時間を掛けて発生する様に思っているけど……


「そうね…大体は怨みを抱えた魂が長い時間を経て邪悪なゴーストになるって聞いてるわ、数日で発生するなんて聞いた事ないよ」


やっぱり…大体のイメージは合っている。ならばこれは誰かが手を加えたという事か?でなければ説明がつかない。

そして、それを行った人物の目論見は……ここからダークエルフの城までゴーストを移動させて、夜間の奇襲って事か……まだまだ手札が合ったって事だな。

他にも何かあるかもしれないから、城に帰って周囲の警戒の為の人員を強化してもらおう。


「じゃあ、城に戻るから俺の背中に乗って」


「だ、大丈夫よ。歩いて帰れるわ」


「疲れてるのは解ってる。また何かあったらいけないから、急いで戻る為だよ。前にやったおんぶで帰るから」


「背中は怖かったから、今日は前で抱っこして……くれると……いいんだけど……」


「そう言う事な、じゃあ抱っこして帰るから首に掴まっててくれよ」


リレイを正面で抱き上げる為に近づく、膝と背中に手を回した時に後ろから殺気を感じた。


「妾が一生懸命探している間にイチャつくとはいい根性ね……」


後ろを振り向くとサンドラ様が立っていた。何か勘違いされている気がする。


「いやいや、リレイが疲れてるから抱えて城まで帰ろうと……」


「言い訳までしてくるとは……これはもう絶対許さない」


「待って下さいサンドラ様、ジンは私がゴーストに囲まれて襲われていて、危ないところを助けてくれたんです。断じてやましい事なんかありません」


「ゴースト?なぜこんな時間に?」


「それを自分も疑っていたんです。多分人為的な何かで発生したのではないかと」


「そう言う事は早く言え!変に疑った妾が無様ではないか」


既にサンドラは火球を自分の上空に発生させていた……いやいや、取り繕う暇すらなく疑われたんだが……


「すいません。そう言う事情があった為、急いで帰ろうとしていたところでした」


「では、近くに死霊使いがいた訳ね。どれ位前の話しなの?」


「サンドラ様が来る直前の出来事です。とりあえずゴーストは全て倒しましたが」


「そう……既にここを離れているかもしれないけど、一応先に帰りなさい。妾は周囲を探索しておくわ」


「解りました。では、お気をつけて」


サンドラ様はその場を飛び立って行った。死霊使いか……色々と用意しているんだな。

今はリレイを無事に連れて帰ろう。話しはそこからだな。


「じゃあリレイ、抱えるよ」


「うん、お願いします。けど、この前みたいな速さで移動しないでね。怖かったんだから」


それを聞いて頷くとリレイを抱え上げ、城へと移動を開始した。

サンドラ様が捜索に行ったのも心配だったが、彼女ならば大丈夫かと思い直し危険度の少ないであろうスピードで帰路についた。




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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