プレゼン
体調不良で更新が遅れてしまいました。
すいません、今回もよろしくお願い致します。
夕刻になり会議室へと向かう……しかし緊張するよなぁ、とりあえずは提案を受け入れてもらわないといけないから、少しでもわかり易く説明しないと……
会議室の扉を開くと、主要メンバーは既に集まっていた。俺が1番遅かったみたいで、待たせてしまったようだ。
「遅くなってすみません。皆様お集まりの様なので、早速説明に移りたいと思います」
ここに呼んでいるメンバーはサンドラ様、アリ、サリ、ライト、ライラ、リュード、ケインだ。俺を合わせて8人で話し合いを進める。
そう言えばサンドラ様が1人呼ぶって言ってたけど、来ていないみたいだな……
「では最初にこれからの戦力強化に必要なものとして提案しているのが、新たな戦力の確保とその人員の育成。それと、1番隊・2番隊を撤廃し新たに細分化して隊を編成していく事です」
「それについて伺いたいのだがいいか?」
リュードが手を挙げて発言する。
「現状確かに人員のいない1・2番隊は撤廃する事は賛成だ。だが、細分化する事の利点が解らない」
「それについてなんですが、残った戦力と次に得られる戦力を考えたところで、今まで通り皆を同じ育成方法をしても、戦力になるまでの時間が大幅にかかるってしまいます。そこで細分化し各々の隊独自で訓練方法を変え、その人物の秀でた力を強化していく事によって、戦場で適性な人員配置を行う事ができ、効果的に戦闘や戦争を行う事が出来ると思うんです」
「なるほどな……無駄な時間を省き、なおかつ効率的な戦力増強と言うわけか」
「納得頂いてありがとうございます。では次に、どう細分化するかと言う事ですが、現状考えているのは剣での戦闘を主とした近接部隊、魔法での遠距離戦闘を主とする魔法部隊、魔法部隊と同じく遠距離戦闘を主とする弓部隊、近接部隊と遠距離の間での中距離をメインとする魔法剣士部隊、回復や補助を主とする後方部隊、戦闘を主とせずに情報収集などの隠密行動を行う工作部隊、直接的には戦闘を行わず武器の開発や魔法の開拓を主として行う技術部隊、この7部隊です。ただし技術部隊は今度の募集人員からでなく、別に募集を募りたいと思っています」
「基本戦闘を行うのは5部隊と言うわけですね。募集で来てくれる人員数自体では難しいかもしれませんよ?」
「ケインの言う通りで、その点も考えたんだ。まずは人員が少なかった場合は近接部隊と魔法剣士部隊は一旦同じ隊で編成し、弓部隊と工作部隊も同じ隊で編成し、魔法部隊と後方部隊も同じ隊で編成しておく。つまり、最低でも3部隊が出来上がる事にはなる。
それで人員数が増加してきたり、その隊の戦力が充実したところで能力に合わせて、その時に分けて隊を作っていけばいいと思う」
色々と考えてはいたんだが、役割をしっかりとする為にはこれが最低限かと思った。これ以上は増やせないし、減らせば細分化の意味もなくなる。
「と言う事なんですが、皆さん何か意見はありませんか?」
皆を見ていくが、とりあえず何もないみたいで、沈黙という了解とみなした。
「では、次に進みます。
部隊を分けるのに選定してもらわなければなりません。私自身ここに来て日が浅く、その人物の素質を見分ける事には長けていません。なので皆さんにご協力頂いて選定を行いたいと思っています」
「その選定を行うのも我々の役目か、だがどう選定していくのだ?」
リュードがいい方向に質問してくれるから助かる。説明を細かくする手間が省力出来る。
「自分が考えている担当は、リュードさんに近接部隊をお願いしようと思っています。サンドラ様には魔法部隊を、アリとサリには後方部隊を、弓部隊と工作部隊をケインに、魔法剣士部隊をライラとライトに、そして技術部隊を後日自分が行いたいと思っています」
「それで選定を行う為の試験か何かを行うのか?」
「はい。一種目に近接部隊と魔法剣士部隊の選定で剣技を、二種目に魔法部隊と弓部隊の選定で遠距離での射的を、三種目に後方部隊の選定で回復魔法もしくは補助魔法の使用可能かの質問と、可能であればこれの実践、四種目に工作部隊の選定で質疑応答を、そして最後に総合査定の為の模擬戦を行う予定です。
以上の内容で質問があれば遠慮なく申して下さい」
「概ね問題ないと思う。それで実行するという事で異論はない」
「僕も問題ないです」
「私も大丈夫よ」
「「ジンの言う通りでいいーーー」」
「私も問題ないですよ。よろしくお願いします」
「妾は問題ないが、連れが遅れてまだ来ていないから少し待っていてはくれないか?」
やっぱり来るんだ。でも、彼女を待たせるなんてどんな人物なんだろう……しかもそこそこ信頼のある人物みたいだし
思っていた矢先、会議室の扉が勢いよく開いた。
「待たせたな」
って誰だよ……もしかしてこの人がサンドラ様が呼んでいた人物なのか?
「待たせすぎよウィリ坊」
ウィリ坊?坊やって歳には全く見えないんだが……そもそも、見た目はサンドラ様が圧倒的に歳下じゃないのか?
「いやいや、サンドラおばさん解ってないね。真打ちは遅れて来るもんだよ」
「ただ迷子になって遅れたんじゃないかい?だからリレイと一緒に来いと伝えておいたのに」
「……そ、そんな事はないぞ、右に曲がるところを間違えて左に曲がっただけで……」
「お主の家からここまでで右に曲がるところなんか一箇所で、家を出た目の前の話しじゃないか!忠告を守らんからそんな事になるのよ。それでリレイはどこ?」
「いやぁ、はぐれちゃってね……もしかしたら探している最中かも……」
「最初から道を間違えたウィリ坊が悪い!もう、後で探しに行くわ」
「すまないね……以後気をつけます」
話しが落ちついたタイミングを見計らって話し掛けようと思ったら、先にリュードが立ち上がり近づいて行った。ウィリ坊と言われる人の前で膝をつくと
「ウィリアム様、この度はお越し頂きありがとうございます。どうぞお掛け下さい」
「リュード久しいな、もう何年ぶりになるか?」
「ウィリアム様が王位を引き継がれてからになりますから、もうすぐ四年位になります」
今、王位を引き継いだって言ったよな?って事は前国王なのか?
ただの方向音痴さんじゃないのか?
しかもさっきからリレイの名前が出ているって事は、以前に話しを聞いていたお父さん!?
「君が娘が召喚したという異世界人かね?名前は……確かジジとか言ったかな?」
「異世界人では合ってますけど、名前はジンと言います。今日はお越し頂きありがとうございます」
「そうだった。娘にさんざん話しを聞かされたのに忘れていたよ。すまなかったね。
ところでサンドラおばさん、面白い事って?」
「今、話しをし終わったところよ」
「何?じゃあすまないけど、もう一度話してくれないか?」
「わかりました。では、もう一度お話し致します……」
サンドラ様は一瞬ウィリアム前国王に喰いかかろうろうとしていたから、こっちから先に声を掛けた。
今までの話しをもう一度行い、それを聞いたウィリアム前国王は顎を触りながら考え込んでいた……
「何か問題ありましたか?」
「問題はない。適切な案だと思う……だけど、もう一つ部隊が必要じゃないかい?」
もう一つの部隊?でも、これ以上は人員が足りないし……一応聞いておこう。
「すいません、理解が乏しくて解らないのでその内容をお聞きしていいですか?」
「解った。じゃあ教えよう……それは……」
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