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「あぁ……しんどい、身体が痛い……眠気がとれない、寝ても疲労困憊」


戦も終わり、みんなで城へ戻り国王へと全てを報告した。

サンドラ様が前線で戦っていたのは、相当驚いていたようだった。ずっと視界に入る位置に座って居たのが偽者とも気付いてなかったし、まだ魔法は継続中でそこに座って居たからだ。

ともあれ、サンドラ様を前線に出さないって言ったのはイルニードだったらしく、イタズラ心で裏をかいて前線を有利に出来たから良かったのか……


その日はとりあえず反乱を起こした1番隊と2番隊を牢に入れ、生き残っていた人間達も牢に閉じ込めた。

1日でなかなか使われて無かった牢屋がいっぱいになってしまったのだった。

元々入っていたケイン達はライラ達姉弟が今回の経緯を報告し、信用に足る人物という事で今は1番隊が使っていた宿舎に移動させてもらっている。

牢と違って多少の自由を認めてもらえたようだ。ただし、3番隊の監視付きが条件だとか言っていた。


戦場で死んでいった人間達をそのままにしておけば感染症を起こすかもしれないと進言したら、翌日には火葬する為に集めて燃やすって言ってた。そのまま残して魔獣がエサとして集まって来てしまうかもしれないから早い方が確かにいいだろう……


数日はなんやかんやでみんな事後処理に追われるみたいで大変だ……

ライトとライラは1番隊と2番隊の尋問、ライラの傷は最優先で治してもらったが、人手を増やすのが目的だったのかもしれないと思った。

アリとサリは負傷者の看護、サンドラ様は魔族軍への事後処理の指示出し、キャメロはかなりグロいからって嫌がっていた戦場の整理へ、リレイは一旦実家へ戻り休養(祖父が絶対帰って来いって言ったらしい)。


で俺はと言うと精神的に疲れ果ててしまい、報告が完了すると部屋に行きさっさと床に就かせてもらった。


けど、翌朝起きてみると色んな倦怠感に苛まれ起きているのもしんどい始末、色んな力の反動かな……


朝起きてもブラッドは話し掛けてこなかった。何回もの融合や視界の共有で疲れていたんだろう……

みんなが忙しい中、申し訳なかったがもうひと眠りさせてもらった……




―――――――――――――――――――――――――――――――




2度寝から目覚めたのは夕方だった……昼ご飯の呼び出しに全く気付かずに寝ていたんだろう。そう考えながら起き上がるとドアがノックされていた。多分起きたのはノックがなっていたからだろうと思い、急いで入室許可の返事をする。


「入るよ」


部屋に来たのはライラだった。随分とお疲れの様子で俺が座っていたベッドに腰を下ろしため息をついていた。


「ひとりひとりに尋問のに疲れたよ。しかも全員の答えがイルニード隊長に従いましたって言って終わり……どんなに問い詰めても何にも出てこないんだよ。もぉ疲れちゃった……」


「すまないな、そんな大変な中で休ませてもらって」


「ジンはいいのよ。1人で色んなところを駆けずり回ってたんだから、逆に休んでなきゃいけないんじゃない。

こんなに私達の為にしてもらった人を更に働かせるなんて非道な事はしないって」


「そう言ってもらうと助かるよ。でも成果無しは辛いな……多分、事態に備えて口裏揃えてたんだろうな。準備のいいヤツだったからな……」


「そうね、しかも大事な部分は教えてなさそうだもんね。

結局は無駄なのかなぁ……」


「そうとも限らないんじゃないかな、その手の尋問に白黒はっきりさせる事が出来る人物がいるじゃないか」


「あっ……レインさんだっけ?忘れてたわ……彼女が居れば確かに事実をもう少し問い詰められるかもね」


「ケインは喜んで手伝ってくれるんじゃないか?こういうのは好きそうだし」


「すぐに良いよって言ってくれそうよね、その光景がすぐに想像出来るわ……」


「今日のうちに相談だけでもしとけば、明日から手伝ってくれそうだな。これで前進かな」


「そうだね、後で行って相談してみる。

ところで話しは変わるんだけど、昨日は助けに来てくれて本当に助かったよ。ありがとうね」


「間に合って良かったよ。逆に間に合わなかったらと思うと……

でも、ライラに怪我させてしまって申し訳ないと思ってるよ」


「いいの、ジンが来てくれて嬉しい。傷の事を心配してくれるんなら、傷物になったあたしの責任……とって…もらおうかな……」


キレイな娘がカワイイ顔すると、堪らんよなぁ……もう嫁いで来いって言いたくなるよ……でもその場合重婚になるのか?いやここは異世界だし、問題ないのか?よくここのルールは聞いていないから解らないんだよな……

しかし、この娘の所為で頭の中で浮気から重婚に格上げされそうだよ……日本じゃ罪だもんな


「俺がいる間だけになってしまうけど、ライラが望むのなら何でもするさ……約束したろ《今》はライラと一緒なんだから」


薄情者のセリフだよなぁ、家族をが待ってるのに……家族に知れたらどうなる事やら……


「そう言ってくれるだけでも嬉しい…ありがと……」


悪いな……ずっといてやれなくて……


「そう言えばお腹空いたな、俺は寝たまんまだったから昼も食べてないんだ。ご飯行かないか?」


「そうね、もう出来上がってる頃だから行きましょ」


ライラと部屋を後にし、夕食に向かった。

食堂には、昨日と今日で疲れきった兵士達が見え、休んでいた事を恥じた。

こんなにも頑張っているのに、寝て過ごしたなんて気が引ける。明日はしっかりと手伝おう……


夕食を食べ終わり食堂から出るとキャメロの姿があった。



「キャメロ、お疲れ……って痩せたか?」


「えぇえぇ、それはそれは現場で何体ものグロテスクな死体を見せられれば吐きますし、ご飯も食べれません……アリさんに後で心の回復を頼みに行きますよ」


「あぁ……壮絶だな。じゃあアリにもお疲れって伝えてくれよ。頼んだよ」


顔面蒼白で行ってしまった……アイツ大丈夫かな?

まぁ、キモは小さいが神経は図太そうだし心配要らないか……


「あれは暫くしたらケロっとしてるかな……」


「はい、大丈夫じゃないですか?明日の朝食は普通に食べてそうだもの」


「言えてるな……じゃあ、時間はあるからケインの所に頼みに行くか?」


「一緒に行きたいけど、今日まではゆっくり休んでて。明日は一緒に仕事を手伝ってもらいたいから、英気を養っててね。

じゃあ、ケイン達の所に行ってるね。また明日、おやすみなさい」


ライラも過ぎ去り1人で部屋へと戻り、しっかりと休息をとって明日に備えようと思い、早目に床に就いた。明日にはしんどいのが回復してます様に……




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしてます。


次回もよろしくお願い致します。

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