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真実

融合のお陰で城にすぐにたどり着く、下にライトとキャメロがいる。誰か通ったか確認しておこう……融合を解き、2人の元に走った。


「ライト、キャメロ、さっき誰かここを通らなかったか?」


「ジンさん早くないですか?前線は落ち着いたんです?」


「前線は大混雑してる。キャメロすまないが先に誰か通ったかだけ教えてくれ」


「は、はい、さっきイルニード隊長が中に裏切り者がいるから通せって言って入って行きました」


遅かったか、だけどまだ間に合わないとは限らない。


「ジンさんそんなに焦ってどうされたんです?」


「ライト、ライラに身の危険が迫っているかもしれない。多分イルニードも内通者だ。だから急いでここまで来たんだ。」


「姉さんが!?僕も一緒に城内に行きます」


「来るのはいいが、待ってはいないぞ。それとキャメロ、前線のサンドラ様やリレイ、サリの援護を頼む。場合によっては逃がしてくれ」


「え?逃がすって、そんなにマズイんですか?」


「ああそうだ。一刻を争う、頼めるのはお前しかいない……俺も後で絶対行くからお願いだ」


「そんなにジンさんから頼まれて逃げる訳にはいかないじゃないですか、卑怯ですよ……じゃあ、行ってきます」


キャメロが森に入って行った。それを見て俺も城内へ向かって走る。

無事でいてくれよ……




―――――――――――――――――――――――――――――――




城内でライラとアリはイルニードに出会っていた……


「イルニード、なぜあなたがここに居るのです」


「いやいや、内通者が城内にいるのが解ってな。それを罰っしに来たんだよ」


「戦場まで放っておいてまでする事ですか?それが総指揮の役を任された者がする事?」


「相変わらず手厳しいなぁ……前線はおおよそ片付いたからじゃないか。我々の勝利は確定だよ」


何か怪しいわ……普通は伝達役がここに来て教える筈よ。それを隊長自ら行うなんて、それに城内に内通者がいる事だって……どこでそれに気付いたというの?


「なぜあなた1人なの?普通だったら人数を集めて確保するんじゃないかしら?」


「それは私がいち早くたどり着いただけで、後から追って来ているよ。ライラは私を疑っているのかい?」


「そうね、疑っているわ。戦争中にあなたが単独でここに来た事と、内通者と言った事でね」


「そうかい……これ以上は時間の無駄の様だね。邪魔をする様なら力ずくで行かせてもらうよ」


イルニードが剣を抜く……その時、背後から1人の男性がやって来る。


「何の騒ぎだ……なぜイルニードが剣を抜いている?」


リュードだ……なんでこんな時に、完全に挟まれた。どうしよう、アリは戦闘向きじゃないし、1人でこの2人の相手なんて出来ないわ……


「そっちからわざわざ出向いてくれるなんて手間が省けたよ。内通者さん」


「何を言っている?」


「リュード殿と国王が人間に通じているのは解っているんだよ。とぼけるのはもういいんじゃないかな」


リュードと王が裏切り者?リュードを疑っていたけど、王ですって……

でも、王がそれをして何の利点があるの?

リュードの顔を見て審議を確かめようとするけど、彼は元々そんなに感情面に出す方じゃないから判らない……


その間をイルニードは逃さなかった……


「ライラ殿後ろだ!避けろ!」


リュードが叫ぶ、後ろはイルニードがいたけど……その答えは身体で解った。

振り向く前に背中を斬られてしまったからだ。


「意外といい鎧を着ている様だね。そんなに深くは斬れなかったよ」


アリが急いでライラの元へと行こうとするが、イルニードが邪魔で近付けない


「なぜ斬った?」


「それはね、君と国王が邪魔だからかな、さてさて残り2人を片付けてさっさと終わらせたいんだが、いいかな?」


リュードが駆け出しイルニードに剣を振るう


「アリ、ライラ殿の回復を急げ」


アリは走り出す。ライラの傷が致命傷ではない事を祈りながら。

アリがたどり着き、背中を確認する。鎧のお陰で臓器までは達していなかった。早急に治療すれば助かるけど、現状アリ1人しか居ない分回復が遅れてしまう……


背中が焼ける様に痛い……後から斬りかかってくるなんて……

アリが側に居る?回復をすればイルニードに斬られてしまうわ


「アリ、逃げなさい……あなたまで斬られてしまうわ」


「今は大丈夫だよ。リュードさんが戦っているから」


リュードが?でも彼は裏切っていたんじゃないの?

金属のぶつかる音がする方を見ると、リュードとイルニードが戦っている……どうなってるの?



「命に別状なければ逃げろ。ここは俺がどうにかするから」


「はい、じゃあここから離脱します。ライラさん掴まって、肩を貸すから行こう」


「だけど…………解ったわ。アリお願い」


「1人として逃がすと思うかい?私を舐めてもらっちゃ困るなぁ」


イルニードは土魔法を使い自分のサーベルと同じ形の物を2本出現させ、リュードに斬りかかるとそのサーベルも同じ様に動き、リュードに襲いかかる。

リュードは受けを選ばず、後方に下がった。が、うち1本が彼の肩をかすめ防具を裂いていた。


「昔は恐れられていたリュード様も、歳には勝てないみたいですね。昔だったら私なんてすぐに倒されていたんですがね」


「えらく饒舌だな、舌を噛むぞ」


リュードはサーベルに闇魔法を纏わせると、滑らかな動きで足を滑らせ接近していく。目の前に立つ相手なら大きな動作などなく、ただ、距離が詰まって行くように感じるだろう……そして、全く予備動作がなく剣がイルニードに向かっていた。

イルニードの対応が遅れ、土魔法で作った剣に当たると脆く崩れさっていく


「力で勝てなければ技を極めればいいだけだ」


「まだ腐ってはいないと言う事ですか、ですがいつまで持ちますかね」


2人が熾烈を極める中、窓が割れる……誰かの姿が見える。


「時間を掛けすぎましたね……」




―――――――――――――――――――――――――――――――




イルニードをまだ見つけきれない俺はまだ城内を探し回っている。


『魔力を使ってる場所があるぞ、しかも2人だ』


『ブラッド、どっちの方角だ?』


『謁見の間に近いと思うが、正確には判らん』


『いや、それだけでも十分だ。そっちに向かってみる』


ここからだと回って行けば時間が掛かる。それなら真っ直ぐに突っ切ってやろうじゃないか……

横の窓から中庭に出て、謁見の間の方へと向かう。俺が居るのは1階で謁見の間は3階、まぁ飛び上がればなんともないだろう


『ジン、この上で間違いないぞ』


ブラッドの探知は合っていた。俺は脚力強化を行い、3階の正面の窓に向かって跳ぶ。風魔法を使い窓へと近付くと、リュードとイルニードが戦っている光景が目に入る……


なぜこの2人が戦っているんだろう……2人共が裏切っていると思ったんだが、交戦しているって事は違うのか?

状況は後で聞けばいいし、時間もないからさっさと終わらせてやる……


窓を割り中へと入る……ライラが出血している様だ。アリに肩を借り辛うじて立っていた。


「時間を掛けすぎましたね……」


「イルニード、アンタ内通者者か?」


「何の事です?私は内通者を仕留めに来たんですよ。このリュードと国王を殺しにね」


「なるほどな、彼が居なくなればアンタの都合が良い訳か……1番隊と2番隊を裏切らせて、前線を突破させる手引きをし、国を混乱に陥れ、それを彼と国王に罪を擦り付けて国を掌握するってところか」


「さぁ、わかりませんね。私は私の正義を実行してるまでで……」


「それが救神教と共謀して行う自分の正義って事か?」


「はははっ……はははははぁ、凄いですねぇ、状況を見てきたかのように話しますね。正解ですよ……国のトップに立つべき人間が、なぜ隊長ごときの役職でいなければならないんです?

たかが血で続く国王なんかに従わなきゃいけないのでしょう、間違っているから正すだけです。何かおかしな事でもありますか?」


コイツが首謀者で間違いないか……随分と捻くれた思想をお持ちで


「おかしいな……おかしいよ、お前の頭の中がな。誰がお前を国王の器と思っている?少なくともここにいる者は微塵も思ってやしないぞ。逆にただの狂人って思ってるだろうな」


「そうですか、残念です。そんな方々に生きている権限なんかありませんね。死んで下さい」


イルニードが駆け出し俺に斬りかかってくる。だけど、クリフと比べて遅い……なんとでもなるぞ。

サーベルを避け、鎧の無い顔面を思いっ切り殴る。イルニードはそれを喰らい、壁まで吹っ飛んでいった。


「俺に勝てない時点で生きる権限とかを語る権利はないんじゃないか?ましてや、死ぬかもしれないお前にさ……」


ゆっくりとイルニードは壁をつたいながら立ち上がるが、鼻は陥没し歯は折れ眼球は真っ赤、一撃で戦える状態ではなくなっていた。


「こんな……馬鹿な……以前戦った時より強いじゃないか、何があったというのだ……」


「お前に構ってる時間が惜しい……これで終いだ」


脚力強化で鎧を蹴り、鎧ごと砕く……これで立ち上がってこれないだろう。不死身とか聞いていたし、最後は手加減無しでいかせてもらった。


今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしてます。


次回もよろしくお願い致します。

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