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奇襲作戦開始

回復薬を貰い体の痛みを癒す。前に飲んだ時も思ったんだが、デカ〇タみたいな色と味なんだが……まあ美味いから文句はないけど。


「ジン殿すまなかったね、ちょっと実戦での実力を試したくてね。やり過ぎた分の代償は受けたから許してもらえるかな?」


いやいや、死にかけてたじゃないか、同等じゃないと思うけど……まぁ、そう言われるならそうしておこう


「隊の長が背後から斬りかかるんだから、大問題と思うんだけどね。ジンが相手だったから生きていると感謝しなさいよ」


いやまぁ手加減出来なかったのは俺の所為なんだけどね……


「イルニードさんが無事でなによりです。あれだけの威力を喰らって生きてるのも不思議ですけどね」


「いやいや、死ぬと思いましたよ。何を喰らったのかも解らないですしね。これで安心して奇襲を任せられますよ」


「でも、他の人選が終わってないのでは?」


「それは大丈夫ですよ。今のあなたとリレイ様に見合う能力を持つ者はいません。だから、回復等のサポート能力の長けた人選を行います」


サポート要員っていうのは正直助かるが、結局のところ2人だけで奇襲を行うのか……


「それに、お二方だけではなく、ふたつ別働隊を設けますから、その者共と連携してもらいます。既にその隊は編成済みなので、後で紹介しますよ」


「解りました。それで移動開始の時間は?」


「昼を目安にお願いするよ。それまでに準備を整えてくれればいいかな。集合場所は正門で落ち合うという事で。では、ここで一旦解散する」


元気のいいオッサンだ事で、俺もオッサンだから変わりはしないか……

ライラが近付いて来て、準備する物があればと言ってくれたので、回復薬等の準備手伝いを頼んだ。


「しかし、イルニードさんは元気だな……あれには敵わないな」


「何言ってるの、そのイルニード相手に一撃で倒してたじゃない。しかもダークエルフの剣鬼と言われる者を剣ではなく、蹴りで倒したのよ」


「あれこそ完全な奇襲だよ。そうでもしなきゃヤバかったんだからな」


「でも、ジンは本気出してないじゃない。あの蛇王を撃退した時みたいな力を使ってないし」


「あれはあまり人前では使いたくないんだ。何かと不都合があるからね」


融合使えば確かに色んな場面で楽だろうけど、隠し球としておきたいし、使わない時でどれだけ戦えるのかも知っておきたい。

融合が長時間使った時のデメリットが解らないし、出来る限り使う時の見極めしとかなきゃいけない。


「そうなんだ、じゃあ皆にはあの事は話さないでおくよ。

ところで出発したら、会えなくなるね……」


「数日だろ?これが終わったら会えるよ」


「いつジンが帰るか解らないのに、数日は辛いよ……」


「無事に今の戦争が終わっても、まだまだやらなきゃいけない事があるから、そのうちゆっくり会える時間も出来るから悲しい顔すんなって」


「絶対だよ。約束してね、私もその時の為に頑張るから」


「あぁ、絶対だ。約束するよ。だから生きて戦争を終わらせるんだ」


その後、回復薬を闇魔法の中に入れ終わり2人で移動した。




―――――――――――――――――――――――――――――――





準備が終わり、正門に向かった。

ちょっと早かったのかイルニードさんと他の別働隊の面々が5人グループを作り話していた。

まだリレイは来てなくて、自分の隊の面子は揃っていなかった。


「お待ちしてましたよ。そろそろ他の人も揃うと思いますが、もう少し待ってて下さいね。

ところでライラは何故ここにいるんだい?そっちの方も準備の時間ではないのか?」


「お世話になっている人を見送りするのに理由がいるの?それにこっちはもう少し時間があるから大丈夫」


ライラはイルニードと相性が抜群に悪いらしい、さっきの件でもそうだ。あれだけの状態なのに心配ひとつしてなかったし


「そうだな、見送りぐらいは確かに自由だ。って言ってる間に他の面子も揃った様だな」


後ろを振り向くとリレイとその後ろを3人が歩いて来る。


「お待たせしました。私達が最後だったみたいね」


後ろの2人も挨拶しようと前に出た……ん?姉妹か?顔がそっくりだ。


「「ジン殿、初めまして私達は双子のアリとサリです。どうぞよろしくお願いします」」


声が揃ってるよ……昔TVに出てた双子のタレント思い出したよ……しかし見分けがつかないから、結局どっちがどっちか判らない。

それで後の1人は?あれ?いないけど、どこ行った?


「イルニード隊長ぉ〜、自分無理ですってぇ〜、止めましょうぉよぉ〜、荷が重いですってぇ〜」


なんだコイツは?泣きながらイルニードにすがってるぞ……


「「諦めなさいキャメロ、もう決まった事だから男ならビシッとしなさい」」


こっちはこっちで凄い揃い方だ……しかしコイツ連れて行って役に立つのか?


「お前の能力は必要になるから選んだだけだ。必死に報いて来いよ」


「そんな……そんなぁ〜」


あぁ……なんて面子だ。まともなの居なかったのか?


「では揃ったみたいなので説明する。今から敵陣に向かい奇襲戦を行う。まずはリレイ様とジン殿の班に先行してもらい、先に攻撃を行ってもらいながら後退してもらう。次に残りの2班のどちらかが到着次第に攻撃の変更、そして最後の班が追い付いてまた交代と、それの繰り返しでずっと攻撃の手を休める事なく進軍を遅くしていく。

夕方になれば、攻撃を止めジン殿を中心として夜襲を行ってもらう。人選は近接戦闘が得意な者で行ってくれ、相手に気付かれない様に行い、確実に数を減らして欲しい。

そして朝からはまた同じ事の繰り返しで、相手の進軍を遅くするという流れだ。質問はないな?」


作戦自体はわかりやすい、隊列を組んでいる軍隊の先頭は盾での防御主体になっているみたいだから、魔法攻撃での奇襲と時間稼ぎにはもってこいかな


「では、各々出発してくれ諸君らの健闘を祈る」


「じゃあ、ジンよろしくね。先頭は任せたよ」


「解ったよ。じゃあライラ行って来る。そっちも気を付けて」


「いってらっしゃい、無事に帰って来るのを待ってるね」


さて、移動しながら双子のどっちがアリでどっちがサリか聞こう。


「あのさ、どっちがどっちだか判らないから教えてくれないか?」


「判らないのですか?私がアリでこっちがサリですよ。大きく違っているのに判らないんですか?」


「いや、全く判らないんだ。良かったら違いを教えてくれ」


「私、アリの特徴は右耳にホクロがあるんです。ほら、これで一目瞭然ですね」


いやいや、待ってくれ……髪型はショートボブで少し耳が見えるか見えないかなのにそれで見分けろと?無茶言うなよ……


「すまんが、髪の毛で毎回は見えないんだが……出来ればもう少し何かないかな?」


「このふわっと風が通った瞬間に見えるホクロで判らないと?仕方がないですね……ではサリ」


「はい、私の特徴はこの胸の上にある……」


「サリさんそれは待ちなさい!男性に見せるとこじゃないよ!!ジンも見ない!」


胸元を広げて何かを見せようとしたところでリレイが注意する。

見せようとされたから見たまでという事にしておこう……


「全く……見分けがつかないのは私も同んなじだから、髪型を変えればいいじゃない。アリが髪の毛を耳にかけて、サリはそのままにしておくの、解った?」


「しかし、この髪型にはこだわりがありまして……」


「わ・か・っ・た・の?」


「解りましたーー」


とりあえずリレイのゴリ押しでアリが髪型を変える事で解決に至った。

それでだ……このグスグス言ってるやつはなんなんだ?


「ところでお前は何時まで泣いてるんだ?確かキャメロって言ったっけ?」


「だって実戦ですよ。実戦……初めてでしかも、人間との戦争で少人数での奇襲なんて……いつ死んでもおかしくないじゃないですかぁ……剣の扱いだって全然ダメで、今回は城内の警備の予定だったのに……何故僕が実戦に向かう事になったのでしょう?絶対死ぬんだ。お父さん、お母さん、短い人生で親孝行が出来ずに申し訳ありません」


なんだこのキャラは……まあ、能力だけ聞いて使えるか、使えないか判断しよう……


「お前の言い分は解ったが、とりあえず生き残る為に必要な情報を聞いておくよ」


「僕の能力ですか?なんの役にも立たないんですけどいいんですか?」


「いいよ。教えてくれ、聞いて使えなかったら守ってやるから」


「僕の能力は、植物を操れる事です……やっぱり役に立たないでしょ?言ったからジンさん守って下さいよ」


聞いた皆が固まっている。それはそうだろう、この森の中で植物を操れるって、どう考えたって無敵に近いだろ……1番優位な能力じゃないか


「なぁ、どうやって植物を操るんだ?」


「えっ、水魔法で植物の中を操作して、回復魔法を使い動かしたり、伸ばしたりした時に切れたり、割れたりしないように回復をかけていけば操作も簡単ですよ」


そんな発想なかったぞ……サンドラ様から借りている魔法書にも記載がなかったし、魔力操作が抜群に上手いのか?


「大丈夫、お前はこの森にいる限りしなないよ」


コイツを心配する必要は無くなったし、後は上手くおだてて使いこなすとするか……



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見、ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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